彼女を最高傑作と呼ぶ彼の正体は…
「また会えて嬉しいよ。僕の最高傑作ちゃん」
「あなたは誰ですか?」
「おやおや。僕の事を忘れたのかい?政府の奴らに、記憶を消されでもしたのかな?」
「記憶?なんのこと?どういう意味ですか!?」
それは突然すぎて、私にはなんのことだかさっぱりわからなかった。
私達の会話を聞いて「知り合い?」「いや。そうには見えませんね」と彼らはそれでも私達の話を静かに横で聞くことにした。
「その通りの意味だよ。君は僕が作った最高傑作なんだからさ」
「私は人間です!ロボットじゃありません!!」
「違う違う。君は何か勘違いをしている。君は人間だよ」とにこにこと笑う。が、しかしそれはすぐに悪魔の笑みとかす。
「君はね。僕が実験して初めて成功した子なんだよ。レッドアイ持ってるでしょ?」
「っ!??」
「知ってた?それって、誰もが持っているものじゃないんだよ?この世に君だけしかその能力を使える人間はいない、超レアものなの!すごいでしょ!!」
言葉を失った。彼が言うことになにも言い返すことが出来ないくらいに。なぜなら、私にはその記憶がほとんど存在しないからだ。
「これを聞いてもダメみたいだね。なんだったら僕が連れて行ってあげるよ」
「えっ?」
彼はマジックでもするかのように大きめのマントをどこからか取出し「君がなぜそうなったのかを、この目でもう一度体験してくるといい」と次の瞬間スティックを私に向かって振りかざす。
マントの意味はまったくなかったらしいがそんなこといっている場合もなく、私の身体は宙に浮いて「うぁあああ!??」と今にもどこかに飛ばされそうになったとき、雪村がガシッと私の服を掴み彼の後ろを夜見が両腕でぎゅっと重しになってはいたが、ひっぱられた途端に夜見がどこかにつまづいてうっかり腕を離してしまう。
「しまった!??」
「うわあああああーーーーー!!!」




