監視だろうとストーカーだろうと、なんだか気まずいからお礼ついでに謝った
「本物とそっくりだな」
「ここに力輝ちゃんが」
「とにかく探しに行くぞ」
「それならここで待っていた方がいいんじゃないですか?さっきの爆発音を聞きつけてこっちに来るかも」
「待っている時間はない。こっちから探しに行く」
先ほどの爆発はいったいなんだったのだろう?ひょっとして助けに来てくれたのかな?でもあの人が私を助けにだなんて。と思っていても今はここをでるのが先決で・・・
「力輝!」
「工藤さん!」
「無事か?けがは?」
「大丈夫です。よかった~」とほっとするのもつかの間、突然地面がゴゴゴゴゴォー!!と動き出したのだ。
「あわわわわっ!!!?」
「落ち着け」と工藤さんは私の肩に手を置いて「雪村、頼む」と連絡した。
それを聞いた雪村は「了解」と告げた後、魔法を発動させた。
みるみるうちに迷路が凍りついていき、
このままだと人間も凍ってしまうのかと思いきや、私達を除き迷路部分のみが凍って迷路全体をかちんこちんにしてった。
「これで大丈夫だと思います。すぐに脱出を」
「分かった。力輝、ここから出るぞ」
「はい」
こうして、迷路から無事出ることが出来た私達。
雪村は工藤さんからまたブレスレットを付けられて、元に戻った。
どうやら解除したのは緊急事態で彼の力が必要だったからということらしい。
「あの・・・ありがとうございました」
「別に。仕事をしたまでだし」
研究所に戻った後、私は雪村に会いに行った。工藤さんに「雪村に礼を言っておけ」と言われたからである。だが・・・
「あと。休み時間の時ごめんなさい。失礼な態度をとりました」
「別に。もう気にしてないし」といっても、彼の表情がとても気にしていない
ようには見えなかった。だから私は彼に話すことにした。
「私、施設で育ったんです」
「えっ?」
「事情はいえませんけど、ある理由で研究所に住んでます。なので・・・その・・・」
「分かったよ。もう聞かないからそんな顔しないでくれる?こっちが悪者みたいじゃん」
「ごめんなさい」
「僕も…施設で育った」
「えっ?」
いきなりのことで驚いた。彼もまた施設育ち?
「そういうの多いみたいだよ。魔法が使えるってだけで怖がって、いったんその手専門の施設に預けるっていうのがさ」
「はい」
それは前にも聞いたことがあるから知っている。だけど、この場はあえて黙って聞くことにした。
「僕は7歳までいたと思う。それから親の元に戻って普通の生活送ってたよ」
「そうですか」
私は・・・何歳までだったかな。
「じゃあまた明日も監視するからよろしく」
「あっ、はい。お疲れ様でした」
少し打ち解けたような気がしたのは…私の気のせいかな?




