あくまでも、尊敬の意味での「好き」らしい
ストーカーを見つけて私はすぐさま追いかけた。
初めは相手が速くて追いつけなかったが、走って行く矢先に教師がおり「廊下を走るな」
と言われて私含めて説教された。
教師が去ってから改めて本題へ
「どういうつもりですか?」
「どういうつもりもなにも、僕はたまたまあそこにいたってだけだけど」
「でも、逃げたじゃないですか?」
「あんたといる友達が大声でこっちを見るから注目される前に逃げたかったんだよ」
「食堂でたらそれで済む話でしょ?!」
「あんたが追いかけるから必死で逃げたんだよ!」
「止まればいいだけでしょ!?」
「しつこいなあんた!!」
「こらこら、喧嘩はやめなさい。ほかの人に迷惑ですよ」
「「・・・すみません」」
通りすがりの教師に注意されてしまった。
「場所変えよう」
「・・はい」
そして静かな屋上へと移動した。
「工藤さんに頼まれた!?」
「そうだよ。僕はあんたとの件で魔法の使用が禁止されてるから・・・このブレスレットでね」
「ブレスレット?」
「これは特殊魔法素材で作られたブレスレットで、これをつけている限りは魔法が使えないってわけ。自分ではずそうとすると電流が走る仕組みになってる」
「それで、工藤さんにブレスレットをはずす条件としてまたストーカーを??」
「ご名答・・・って違う!!っていうかストーカーじゃないから!!監視!!」
「へえ・・・」
「まぁ、いいよ。とにかくこれをはずしてもらえるまで僕はあんたを監視するから」
「嫌です。迷惑です」
「僕だって好きでやってるわけじゃないよ!!!」
「でも、工藤さんが好きで好きで好きすぎての嫉妬で最初私をストーカーしてたのは事実なんだし「あんたが工藤さんと一緒にいなければこんなことにならなかったんだっての!!」
「(そんなこと言われても・・・)」
私が決めたことじゃないし
「あれですか、男の人が好きなんですか?男の人しか愛せませんっていうそういうジャンルの方なんですか?」
「失礼だな。そんなわけないだろ」
「でも、それだったらそんな嫉妬が起きるはずが「尊敬としての意味だよ!」
はぁ・・はぁ・・・
息を切らすストーカー
キーン―コーンーカーン~
と、ここでチャイムが鳴った。
「じゃあ、僕教室戻るから」
「・・・・あの」
「なに?」
「名前、まだ聞いてません」
「・・・雪村真」
そういって、彼は屋上から出て行った。




