彼女に対する思いは誰よりも強い
ピピピピッ~♪・・・ガチャン!!
「ん?なんだ、起きてたのか」
「おはようございます」
「具合でも悪いのか?」
「いえ、そういうわけでは。・・顔洗ってきます」
「あぁ」
洗面所から帰ってきて制服着替えて、朝食を食べて
「いってきます」
「本当に大丈夫なのか?」
「大丈夫です・・・いってきます」
ガチャン
「・・・」
午後四時頃
「ただいま」
「おかえり。飯作ってあるから早く着替えろ」
「はい」
「・・・・」
夕飯はカレーライス
「「いただきます」」
パクっ・・・もぐもぐ。パクっ・・・もぐもぐ
「ごちそうさまでした」
「朝も言ったが、本当に大丈夫なのか?」
「大丈夫ですよ。明日小テストがあるので、勉強してきますね」
「・・・」
次の日
ピピピピッ~♪ガチャン!!
「おはよう」
「おはようございます」
(以下省略)
「いってきまーす」
また次の日もまた次の日もまたまたその次の日も
「いってきまーす」
工藤さんは『やっぱりおかしい』と疑問を抱いていったのでした。
その数週間後。
工藤さんは歳の近い夜見さんと美咲さんと橋屋さんを連れて会議室Bへ
「最近、力輝の様子がおかしいんだ。朝俺が来たらちゃんと起きてるし、具合が悪いのかと聞いたら大丈夫だっていうし。熱計っても平熱だし、飯はしっかり食ってるし、勉強の予習復習もしっかりしてるし、訓練に関しては・・「工藤さん、落ち着いて」
「要するに力輝ちゃんがおかしいからなにか心当たりがないか?ってことですよね?」
「そうだ」
「同級生からのいじめにあってたりとか?」
「なに!?どこのどいつだ!?」
「いやっ、あくまで可能性の話っすよ。そんなにがっつかないで」
「夜見、真面目に考えてよ」
「そうだ。不謹慎だぞ」
「皆が俺をいじめる・・」
「やっぱり、本人に聞く方が一番だと思います」
「俺もです」
「・・・だが、俺が聞いても話してくれるかどうか」
「だったら、私が聞きますよ。女同士なら気軽にとは言えないと思いますが、少しは話しやすいと思います」
「そうだな。頼むぞ」
「任せてください!」
というわけで、数分後に会議室B
「美咲さん。お話ってなんですか?」
「うん、実はね。工藤さんが最近力輝ちゃんの様子がおかしいって私達に相談しに来てたの」
「工藤さんが?」
「そう。もしかしたら学校でいじめられてるんじゃないかって「そんなことありません!」
思わず立ち上がってしまう。
「夜見が言っただけだから、私達は思ってないよ」
「・・・そうですか」
「皆、力輝ちゃんのことが心配なの。だから、教えてほしい、なにがあったのかを」
「・・・・」
「力になれるかはわからないけど、私でよければ話してほしい」
「・・・わかりました」
「最近、誰かに見られているような気がする?」
「・・・はい」
「いつから?」
「一週間前ぐらいからです。工藤さんが幸野さんのレポートの手伝い終わりにそれで自分一人で買い出しに出かけたときから」
「どうして教えてくれなかったの!?」
「気のせいかと思ってたんです。でも、その日だけでなくて、学校へ行くときも研究所内を歩いている時も視線というか、見られてる感じがして・・・・」
「工藤さんに話しても信じてくれるかどうかで悩んでいて、どうしたらいいのかも分からなくて・・・」
「それで最近元気がなかったのね」
「ごめんなさい」
バンッ!!!!
「「っ!???」」
「工藤さん!?夜見さん、橋屋さんまで!?」
「あちゃあ・・・」
「話は全部聞かせてもらった。なぜ、俺に相談しなかったんだ・・・俺はお前の教育係兼保護者なんだぞ」
「工藤さんに言いずらかったんなら俺らでも相談してくれたらよかったのに~
俺が行き帰りも送り迎えしてやるしさ~」
「いえ、結構です」
「即答!??」
「夜見、お前は少し黙ってろ」と橋屋さんがいう。
「ほらね。皆、力輝ちゃんの力になってくれるでしょ?夜見はしらないけど」
「ひでぇ~!??(泣)」
「泣くなよ、ほれハンカチ使え」
「しかし、どこの誰かは知らんが・・・」
「「「「っ!???」」」」
「ストーカーとはけしからん!!この俺が一から教育し直してやる!」
「「「「(こっ、怖いっ!???)」」」」




