突然訪れた誰かの視線
「さて、買い出しにでも行くか」
ガチャ
そーろっと。
がっ、チャン。
「ん?」
ドアを閉めたところで私は廊下の方に顔を向ける。
「気のせいかな?」
スーパーから戻って、研究所から戻ってきたら工藤さんは目を覚ましていた。
「おはようございます。よく眠れましたか?」
「・・・あぁ。すまない、1時間だけのつもりがすっかり夕方に」
「大丈夫ですよ」
「買い出しに行っていたのか?」
「はい。起こすのはよくないと思って。今日は私が作ります」
「お前一人で?」
「レシピ本買ったので問題はないかと」
「まて、俺がやろう」
「えっ!?」
そこまで!??
結局作らせてしまった。
「身体、大丈夫ですか?」
「一日中寝てたから平気だ」
「・・・そうですか」
今までお礼とかしたことないから料理作って恩返ししたかったのに。
「・・・今度」
「?」
「今度の休みの日、料理の基本を教えてやる。だからそんな顔をするな」
「・・・あっ、はい」
「さっさと食べろ。冷めるだろ」
「はい!いただきます!!」
数分後、食事を済ませて工藤さんは帰って行った。
「・・・ん?」
廊下の方を振り向くが、誰もいない。
「また、きのせいかな?
なんか夕方ぐらいから、誰かに見られてるような気がする。




