工藤さんに好き嫌いはあるのか?
昼休み、屋上
「はい、これ。お菓子作りの本」と影富先輩が何冊か本を力輝と南條さんに渡した。
「これ、どうしたんですか?」←力輝
「図書室で借りたのと、あと僕の私物」←影富
本当にこの人は女子力が高い。
「へぇ~お菓子作りか。力輝はともかく南條はできるの?」←雪村
「雪村先輩、私だってお菓子ぐらい作れますよ」←南條
「ふーん~じゃあ、出来たら力輝の分と食べさせてよ。どっちが出来悪いか審査してあげる」←雪村
「ひどいです!」←南條
「そうですよ。失礼じゃないですか、真さん」←桜子
「桜子ってお菓子とか作れるの?」←雪村
「私ですか。クッキーならなんとか作れますよ?」←桜子
「ふーん~」←雪村
「工藤さん、これとかどう?」←南條
「どれ?」←力輝
「っていうかさ。工藤さんが甘い物食べてるところ見たことないんだけど」
雪村の言葉を聞いて、力輝の行動が止まった。
「もしかしたらだけど・・・・甘い物、苦手だったりして」←雪村
「雪村先輩、でもこの間のオープンキャンパスで工藤さんクレープ食べてましたよ?甘い物が苦手ならクレープとか食べないと思います」←南條
「あぁ。そういえば食べてたな。でも・・・甘い物は好きだけど、いるじゃない。モンブランとかチーズケーキが苦手だって人」←雪村
「そうですね。アイスクリームでも、最近ではバニラとチョコレートの他にもいろんな種類があって、違うものを頼んで食べるとお口に合わないっていうのが」←桜子
「いったい何を頼んだのさ」←雪村
「えっと・・・なんでしたっけ。イチゴとバニラと・・・緑っぽいのが入ったものなんですけど」←桜子
「ストバニミントってやつ?略しただけだけど」←雪村
「あっ、それだったかもしれません!」←桜子
「マジかよwwwお前すげぇな」←沼口
「沼口、笑うなよ。次笑ったら凍らせるぞ」←雪村
「・・・好き嫌いの問題かぁ」←力輝
またしても難問が増えた。
「とりあえず本人の好き嫌いを把握する必要があるね」←影富
「・・・先輩、知ってるんじゃないんですか?」←力輝
「あぁ。でも、それだとダメだから。直接本人に聞いてね」←影富
把握してるんだ。やっぱり・・・この人、怖い。
~研究所~
「俺に聞きたいこと?悪いが手短に頼む。ちょっとやり残したことがあってな」←工藤
「はい。工藤さん、好き嫌いとかありますか?ケーキ類で」←力輝
「ケーキ?あぁ・・・これと言ってないな。なんだ?ケーキを作るのか?」
「あくまで参考にですから、まだ決まってません」←力輝
なんとかごまかそうとするが、工藤さんにはバレバレである。
「そうなのか?まぁ、基本的に俺は好き嫌いないから何を作っても問題ないぞ」←工藤
「分かりました。すみません、忙しいのに声かけてしまって」←力輝
「いいよ。じゃあ、俺はもうそろそろ行くから」←工藤
「はい。ありがとうございました!」←力輝




