表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法師Mの物語  作者:
第五章 それぞれの恋心と最終回
214/222

工藤棗の誕生日プレゼント

 秀・駿が研究所を訪れた日から数日後


 「影富先輩、ちょっといいですか?」←雪村

 「雪村君、どうしたの?珍しいね、僕に何か用事?」←影富

 

 いつものメンバーでお昼を食べていた時、雪村が影富先輩に声を掛けた。


 「工藤さんが今欲しがってる物って何かわかりますか?」←雪村

 雪村の口からそのようなお言葉が出てきて、その場にいた力輝・南條・沼口・桜子は一斉に二人を見る。


 「(えっ?それって聞く人間違ってるんじゃ・・)」と誰もが思ったことだろうが、しかし影富先輩は驚くこともなく・・・


 「あぁ。そういえばもうすぐ棗さんの誕生日だもんね?」←影富

 「なんだ。やっぱり知ってたんだ」←雪村

 

 工藤さんの誕生日?


 「でも、どうして僕に?直接本人に聞いた方が・・・「それだとばれちゃうし、サプライズの意味ないでしょ?だからこうして知ってそうな先輩に聞いてるんじゃないですか」←雪村


 「ちなみに去年は何を?」←影富

 「去年は・・・れっ、レポート用紙とか文房具とか」←雪村

 「ぶははっ、なんだそれwwwwww」←沼口

 「わっ、笑うなよ!仕方ないだろ。去年本人に聞いたらそう言われたから、そのまま買ったら「本当に買ってきたのか」って言われちゃったんだもん」←雪村

 「おかしいwwwwww」←沼口

 「沼口ぃいいい―――――!!!!」←雪村

 

 「雪村先輩、なんか煙が出てる!煙が出てる!」←南條

 「南條さん、あれは冷気だから。落ち着いて」←力輝

 雪村は完全に怒って沼口先輩を追いかける。沼口先輩は笑いをこらえながら

 逃げ切っていた。


 ~研究所~

 「あぁ、そういえばもうそんな時期か。ここの所忙しくてすっかり忘れてたよ」←工藤

 訓練が終了してすぐに工藤さんを見つけた力輝は、走って工藤さんを捕まえた。

 もちろん「廊下を走るな」と怒られてしまったが・・・。


 「雪村が話してたのを聞いてたので。それで気になって」←力輝

 「そういえば、去年俺の誕生日を聞いて「何が欲しいですか?」って聞かれたからちょうどレポート用紙と文房具が欲しいと思ってそのままあいつに話したら・・・本当にそれをプレゼントに渡すもんだから・・・あの時は本当にびっくりしたよ」←工藤

 

 「(工藤さんにも笑われ、沼口先輩にも笑われる。そりゃあ・・・怒るな)」

 力輝は内心でそう思う。

 「それで?お前は俺になにかくれるのか?」←工藤

 「えっ?あぁ・・・そうですね。今何か欲しい物はありますか?」←力輝

 「欲しい物?そうだな~特にこれと言ってないかな。ただ・・・・」←工藤


 「ただ?」←力輝

 「今、目の前にいる彼女が欲しいかな」←工藤

 「私、物じゃありませんよ?」←力輝

 「分かってるよ。冗談だ。そういえば、お前の誕生日はいつなんだ?詳しいことはよく知らなくてな」←工藤

 「私ですか?4月10日ですけど」←力輝

 「そうだったのか?もうとっくに過ぎてるな・・・」←工藤

 「誕生日といっても本当のじゃないですけど」←力輝


 力輝の本来の誕生日は不明である。

 そのため政府が彼女を保護した日を誕生日の代わりに登録しているのだ。


 「それでも良いじゃないか。誕生日を迎えられるということはこれまで生きた証が出来るということなんだから。そう落ち込むことじゃない」←工藤

 「そうですか?」←力輝

 「あぁ。まだまだ先の話だが、力輝が欲しい物を聞いておこう。誕生日、何が欲しい?」


 「えっと・・・手軽に持ち歩ける辞書が欲しいです」←力輝

 「辞書?何に使うんだ?」←工藤

 「分からない言葉が出てきたら対応できないし、雪村に辞書を引けとよく言われるので分厚くなくて小さ目。ポケットに入るくらいのでいっぱい載っている辞書が欲しいと思うんですけど、これと言っていいのがなくて・・」←力輝

 

 「電子辞書はどうだ?あれなら小さいのがあるぞ?」←工藤

 「いえ。私、紙の方が良いんです。その方が覚えやすいし、それに・・・電池切れたらすぐに交換するのもめんどくさくて」←力輝

 「なるほど。考えておこう」←工藤

 「あっ、無理しなくていいですよ」←力輝

 「分かってる。それじゃあ、俺はまだ仕事があるから」←工藤

 「あっ、はい。ありがとうございました」←力輝

 「お前がくれるプレゼント、楽しみにしてるぞ」と工藤さんは力輝にプレッシャーをかけて去って行った。


 「本当、工藤さんはあんたに甘いんだから」←雪村

 「うわっ!?いっ、いたんですか?」←力輝

 「工藤さんが誕生日プレゼントに何が欲しいか聞いてるのになんで辞書なわけ?もっと他にあるでしょ?僕なんか聞かれたことすらもないのに」←雪村

 雪村が少し頬が膨れ上がっている。嫉妬したのだろう・・・。


 「雪村」←力輝

 「なんだよ?」←雪村

 「雪村の誕生日はいつなの?」←力輝

 「僕の誕生日なんてどうでもいいでしょ。それより、工藤さんの誕生日プレゼントに変な物贈ったらただじゃおかないよ」←雪村

 

 「雪村こそ、去年みたいに文房具とか贈らないようにね」←力輝

 「っ!?分かってるよ!絶対負けないからね!」←雪村


 雪村は力輝にそういうと怒って帰ってしまった。


 

 「(本当、バカな女。僕のこと好きって言ったくせに、工藤さんに誕生日プレゼントをねだられるわ、自分の誕生日を教えるわ…いったい何考えてるんだかわけわかんない)」←雪村


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ