普段は厳しいけれど、寝顔はとても可愛らしい
美咲さんの地図を頼りに家を探す私。
数分前、「やっぱり俺も行くって」「いいえ、一人で平気ですので」「そんなこと言わず」
「もう、あんたはしつこい!」と美咲さんに止められて「ここは私に任せていっといで、なにかあったら連絡して!すぐにとんでいくからね!」と後を任せて外へと出たのでした。
「あっ、ここかな?『幸野』って書いてあるし」
ピンポーン!
「・・・・」
シーンーーー
「留守、なわけないよね?」とドアノブを握ったら・・・ガチャンと空いていた。
「物騒だな・・・お邪魔しまーす!!」
中に入ると誰もいない。
場所はここであっているはず。二階か?
「工藤さーん!いませんか?」
幸野さんの家なのに工藤さんの名前を叫ぶ私。
二階へ上がると人の声が聞こえてきた。
「お前はちゃんとレポートしていろ。ちょっと出てくる」と聞き覚えのある声が聞こえて奥の扉がいきおいよく開いた。
ガチャン!
「力輝!なにしにきた!?」
「工藤さん!??目っ・・・目が・・・」
「俺は幸野のレポートが終わるまで帰れない。お前がいても邪魔なだけだ。
それよりもちゃんと授業の復習と訓練をしてっ「工藤さんが心配で心配で両方とも集中しようとして、気になって気になっておろそかになってしまうんです!!!!」
・・・シーン~~~~(沈黙)
「美咲さんに頼んで・・・家の地図書いてもらって、ここまで来ました。
少しだけ、様子を見てすぐに帰るつもりだったんですけど・・・ダメですか?」
「・・・」
「ごめんなさい。ダメですよね、帰ります」
目が充血してるから余計に怖かった。
気になってしまってここまで来たのはやっぱりまずかったか。
と、気を落として階段を下りようとすると「力輝」と呼び止められた。
「はい?」
「わるかった」
「えっ?」
「幸野のレポートがなかなか終わらなくていらいらしていた。八つ当たりして、悪かった…と言っている」
「・・・・」
気恥ずかしくなったのか後ろを向いた工藤さん。
「明日には終わらせる。だから、今日はもう帰れ」
「・・・はい」
・・ガチャン。
「送らなくてよかったの?力輝ちゃん来たんだろ?」
「お前のレポートが優先だ。さっさとしろ」
「はーい」
翌日
朝ごはんを食べて部屋をでようとしたら工藤さんが現れた。
「おはようございます、レポート終わったんですか?」
「あぁ。終わっ・・・た」
工藤さんがくらっと倒れそうになり身体を支える。
「うわっ!?大丈夫ですか!?」
「あぁ・・すまん・・・」
「私の部屋で休んでください」
「いや・・仮眠室で、寝てくるから・・・」
「無茶ですよ!いいからここで寝て!!」と無理やり部屋へと連れ込んだ。
「ベッド使っていいですから!ちゃんと寝てください!!私、学校へ行ってきます!!」
ガチャン!!
「・・・はぁ」と工藤さんは深いため息をつき、ベッドへと倒れた。
そして、深い眠りへとついたのでした。
ガチャン
「ただいま~」
もう4時で学校が終わり研究所へと帰って来た。
寝室へ向かうと、工藤さんが幸せそうに寝ている。
「(可愛い・・・)」
起こさないようにしようっと。




