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魔法師Mの物語  作者:
第五章 それぞれの恋心と最終回
207/222

松岡さん

訓練を終えた力輝は、工藤さんと雪村の二人に付き添われて部屋へと向かった。


 すると、部屋の近くに1人の女性が待っていた。

 「久しぶりね、工藤君」←?

 

 研究所に来て半年以上経つが、今まで見たことがない女性で

 工藤さんを「工藤君」と呼ぶあたりから年上?かと思われる。


 「松岡さん、お久しぶりです」←工藤

 

 「誰?」と力輝が雪村に聞こうとするが、松岡さんが力輝に声をかける。


 「はじめまして。あなたが力輝さんね?部長から話は聞いてるわ」←松岡

 「どうも。はじめまして」←力輝

 「私は松岡麗華まつおかれいか。よろしくね」←松岡

 

 松岡さんは力輝に右手を差し出したため、動揺していると「握手だよ」と雪村が声をかける。


 「あっ、すみません。工藤力輝です。こちらこそ、よろしくお願いします」と慌てて松岡さんと握手をした。

 

 その様子を見ていた松岡さんは雪村の方を見る。

 「へぇ~ずいぶんと仲が良いのね?」←松岡

 「仕事のうちですから。好きでやってるんじゃありませんよ」←雪村

 「あら。そんな言い方はないんじゃない?かわいそうでしょ?」←松岡

 「・・・そんなことより、工藤さんに用事があるんじゃないんですか?松岡さん」←雪村

 「あら、いけない。危うく忘れるところだったわ。ありがとね、雪村君」←松岡

 

 「工藤君に話があって来たのよ。悪いけど会議室でお話いいかしら?」←松岡

 「分かりました。雪村、そういうわけだから力輝を頼むぞ」←工藤

 「了解です」←雪村

 「力輝、今日も早めに寝ろよ?」←工藤

 「はい。お疲れ様でした」←力輝


 工藤さんは松岡さんと会議室へと入って来た。


 「あの・・「僕、あの人苦手なんだよ。工藤さんに何の用かは知らないけど本当にむかつく。だから、さっき言ったこと気にしなくていいから」


 「分かった。気にしない・・・」←力輝

 「それで?なにが聞きたいの?」←雪村

 「松岡さんは研究員なんですか?見たことない方でしたけど」←力輝

 「あの人はね、いろんな場所で起きた魔法師関連の事件を専門としているから研究所にはなかなか来ない。だからあんたが見たことないっていってもおかしくはないんだよ」


 「でも、雪村は・・「なんで僕が見たことあるか分かる?」

 「えっ?」←力輝

 

 

 ~会議室~

 「それで話ってなんですか?」←工藤

 「えぇ~久しぶりに会ったのに、すぐ本題に入るの?」←松岡

 「俺も忙しいので。手短にお願いできませんか?」←工藤

 「つまんないわね~。まぁ、いいわ」←松岡


 「もうすぐ、彼らが研究所を訪れることは知ってるわよね?」←松岡

 「・・・はい。もちろん知っています」←工藤

 

 「私、今の仕事に就く前にこことは別の研究所にいたことがあってね~それが縁で彼らとは顔見知りなの。特にお兄さんが私を気に入っててね~」←松岡

 「それで戻ってきたと?」←工藤


 「気持ちはありがたいけど、私は年下は年下でもカッコいい年下が好きだから

 全然タイプじゃないのよね~」←松岡

 松岡さんは工藤さんをじーっと見る。


 「あと、もう一つ。そのお兄さんがここの噂をどこかから耳にしたそうよ?」←松岡

 「噂?」←工藤

 「そう。その噂が本当かどうかをついでに確かめたいとも言ってたわね。気を付けなさい。とくにお兄さん、あなたの事嫌ってるから」←松岡


 「噂って、いったいどんな噂なんですか?」←工藤

 「あら?あなたでも知らないことがあるのね?研究所内の若い高校生達は皆噂してるわよ?まぁ、あなたの耳に入らない程度だけどね?・・・工藤力輝に好意を持ってるんじゃないかって噂があるのよ?それが彼らの耳に入っちゃったってわけ」

 

 「っ!?」←工藤

 「あとは・・・橋屋君だったかしら?どちらかというとあの子が本命で、あなたはただの教育係として世話をしているってことで噂が流れているわ。良く知らないけど、彼自体があまり女子と会話しないからもしかしたら好きなのかも~って」←松岡

 

 松岡さんは工藤さんをじっと見る。

 ものすごく怖い目で。

 

 「工藤君ってああいうのがタイプなのね?正直驚いたわ~あなたのことだから

 年上好きのイメージがあったのに」←松岡

 「俺の好みを勝手に年上にしないでください。それに年上とか年下とか関係ないと思いますけど」←工藤

 「あら、素敵ね?じゃあ、どうして私を選んでくれなかったのかしら?」


 松岡さんは工藤さんに告白したが、あっさりと振られてしまっている。

 だがまだあきらめていないようで・・・・

 「それはちゃんと伝えたでしょ?それより、今の話を聞くと・・・彼らは力輝に興味を持っているということでしょうか?」←工藤


 「さぁ?そこまでは言ってなかったけど。もしかしたら会ってみたいとか言うかもしれないわね」←松岡

 

 「そうですか。わざわざ忠告ありがとうございました」←工藤

 工藤さんは松岡さんに深く頭を下げた。


 「いいのよ~。その変わりなんだけど・・・・私と一日デートしてくれないかしら?」

 「それはいいですけど、変な場所に連れて行くのだけはお断りですよ?」

 「大丈夫よ~そんな所に行くわけないじゃない」←松岡

 

 だが、工藤さんは彼女の言葉を信じなかった。

 なぜなら一度、デートしてほしいと言われてとんでもない場所へと連れて行かれた経験があるからだ。


 その場所は今の話を聞いていて想像が付く場所である。

 「(・・・参ったな)」←工藤

 

 また隙を見て逃げ出そうと考えている工藤さんでありました。


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