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魔法師Mの物語  作者:
第五章 それぞれの恋心と最終回
200/222

伝えても、食べ物を使ってなんて反則だから

「雪村、桜子先輩、おはようございます」←力輝

 「力輝さん、おはようございます。ご気分はいかがですか?」←桜子

 「はい。もう大丈夫です。ありがとうございました」←力輝

 

 昨日のことがあったので、雪村は寝込むかと心配していたが大丈夫そうでほっとした。

 だが・・・


 じぃーーーっと力輝が雪村を見ている。

 「なに?僕の顔になにかついてるの?」←雪村

 「いえ。昨日の事を考えてるだけなのでお気になさらず」←力輝 

 「学校でもそんなことしないでよ?目立つから」←雪村

 「力輝さん、まだ日にちはありますしゆっくり自分のペースで考えましょう?」←桜子

 「それだとダメなんです!時間はあっという間にすぎる!だから今から真面目に考えないと!」

 「バカっ、声がでかい!」←雪村

 「あっ。ごめんなさい・・・」←力輝

 「はぁ・・・」←雪村


 ~1年生教室~

 「工藤さん、大丈夫?」←南條

 「大丈夫・・ありがとう。ちょっと昨日いろいろあって」←力輝

 「ん?それって・・・「やぁ、工藤さん。南條さん」


 「あっ、影富先輩。おはようございます」←南條

 「工藤さん。これ、受け取ってくれる?」←影富

 「・・・なんですか?これ?」←力輝

 「えへへ。幸樹からもらったんだ。工藤さんに必要かと思ってね」←影富

 「必要?」←力輝

 「これを雪村君と二人の時に食べて」←影富

 「・・・はぁ?」←力輝

 「じゃあ、僕はこれで」←影富

 

 と、いうわけで


 訓練が終わってすぐに雪村を部屋へと連れてきた。

 「なんなの、急に・・どうしたの?」←雪村

 「すぐに終わるから」←力輝

 

 部屋に入って影富先輩にもらったものを冷蔵庫から取り出す。

 雪村は「(なにしてるんだ?)」と黙って様子を見ていた。


 パクっと力輝が何かを食べる。

 すると「うっ・・・・!??」


 バタンっ!

 「っ!?おい、なにやって?!」←雪村

 「げほっ・・・げほっ・・・なにこれ?まずい・・・」←力輝

 力輝はなにかを食べてすぐにせき込む。


 いったい何を食べたのかと雪村は流し台に置いていた箱に目を向ける。

 「・・・これって」←雪村

 

 商品名を見た彼は力輝をすぐさま見ると、力輝の顔は真っ赤になって「ひっく・・・ひっく・・」としゃっくりをしながら立ち上がろうとするが、酔っ払いのようになっていて

 すぐに立ち上がれない。


 「こんなものどっから手に入れたんだよ・・・」←雪村

 「・・・先輩から」←力輝

 「ん?」←雪村

 「先輩から・・もらったの。影・・・先輩から・・・」←力輝

 「(あの人、何考えてんだよ(怒)」←雪村

 

 「雪村・・・二人の・・・時に食べてって・・・」←力輝

 「分かったから、とりあえずベッドに横になろ?ほら肩貸すから捕まって」

 「・・ありがとう」←力輝

 

 それからベッドへとたどり着いて、横になる力輝。

 「まったく。いったい何考えてるんだか・・・あんたもあんたでちゃんと商品名ぐらい確認しなよ?」←雪村

 「・・・読んだよ?」←力輝

 「えっ?」←雪村

 「ちゃんと・・・読んだ。説明書も・・・しっかり読んだ。でも・・・食べてみたらおいしくない。それに身体が・・・すごく熱くて・・・脱ぎたいくらい」

 「ここで脱ぐなよ?」←雪村

 「うん。脱がない・・・」←力輝

 「じゃあ、僕は帰るね。また明日「行かないで!・・っうわっ!?」

 「危ないっ!?・・・バカ、なにやってんの?そんな身体でけがでもしたらどうするのさ?僕責任とれないよ」←雪村


 雪村を止めようと力輝が立ち上がった途端よろけて危うくこけそうになった。

 それを雪村が間一髪で受け止め、座り込んだまま抱き締めている形で雪村は力輝に注意する。

 

 「・・・答え、言わなきゃだめ?」←力輝

 「はっ?」←雪村

 「昨日の答え・・・言わなきゃダメ?」←力輝

 「ダメだ。そうでないと伝えた意味ないでしょ?」←雪村

 「・・・わかった」←力輝

 「自害はなしだぞ?わかってるよな?」←雪村

 「うん・・・もう、しない」←力輝


 「じゃあ、僕はもう帰るよ?」

 「・・もう少し、待って」

 「えぇ~まだ待つの?僕早く帰りたいんだけど」

 ぎゅううううううううう


 「えっ?・・えっ?ちょっとやめて苦しい・・・苦しいって!分かったからわかったから・・・ぎぶぎぶぎぶぎぶ!!!」←雪村

 

 そういうと力輝は雪村にしがみつく身体をゆっくりと話した。

 「はぁ・・・死ぬかと思った。ねぇ、まだなの?早くしてよ」←雪村

 「・・・目、つぶって」

 「やだよ。怖い」

 「じゃあ、後ろ向いて」

 「それもいや」

 「・・・・」

 「もう言えないなら無理に言わなくていいんだよ。何言うか知らないけど、帰るよ」

 「いやだっ!」

 

 ガバッ!

 「うわっ!?・・っいてっ!?」

 思いっきり床に倒れて頭をぶつける雪村

 「くそっ!もういい加減にしろ!!凍らせるぞ!」←雪村

 「・・・・好きです」

 

 雪村は怒って力輝を凍らせようとした。もちろん殺すというわけじゃなく気絶程度で済ます予定に。しかし、それは彼女の言葉で魔法は一瞬で消えた。

 雪村が解除したからだ。


 「ふーんー。それで?」←雪村

 力輝に馬乗りになっている状況で雪村は力輝に問いかける。

 その言葉を聞いた時点で彼女はもう答えがでていると確信したからだ。

 もう帰るとも言わない。あれは全く言おうとしない彼女に早く言わせるためにとった行動なのだから。


 「僕が出した質問の答えは、それだけじゃ足りないよ?もう分かってるんでしょ?いいなよ?」←雪村

 「・・・私は、雪村を男の人として意識してる。だから・・・だから、桜子先輩にやきもちをやいてた。だからイライラしてたんだと・・・・思います」

 

 それを聞いた雪村は「はい。よくできました」と起き上がり頭を撫でた。

 「・・はぁ。良かった。これで・・・「だけど、影富先輩の力を借りたのは反則だよ?」

 

 「食べ物を利用するな。ちゃんと自分の力で言え」

 「・・・ごめんなさい」

 「というわけで。僕、もう帰るね」

 「はい。すみませんでした」と力輝は自分の力でなんとか立ち上がり、雪村を玄関までお見送りしようとついていく。

 

 「おやすみなさい」←力輝

 「・・・」←雪村

 

 ガバッ

 「っ!?」

 「・・もうあんな物食べちゃダメだからね?」←雪村

 

 耳元で言われて顔を真っ赤にする力輝。

 「次食べたら、今度こそ心臓まで凍らせるから覚悟しといてね?じゃあ、また明日」


 雪村はそう言って部屋から出て行った。

 力輝はその場からしばらく動けなかった。


 研究所を出てすぐの所に桜子が待っていた。

 「なに?迎えにきたの?」←雪村

 「力輝さんのところですか?」←桜子

 「うん。ちょっといろいろあってね」←雪村

 「また喧嘩ですか?」←桜子

 「大丈夫だよ。仲直りしたから」←雪村

 「真さん、ずいぶん嬉しそうですね?いいことありましたか?」←桜子

 「・・・ちょっとね。でも、明日は影富先輩を絞めなきゃいけなくなったから」←雪村

 「先輩をしめる?」←桜子

 「こっちの話」←雪村


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