教育係は鬼だった
ここから教育係の本領発揮。
ピピピピッ~♪と朝6時の目覚ましが鳴る。
タッ、タッ、タッ…ガチャっ!!
「起きろ。朝だ」と容赦なく布団をめくり上げる。
「・・・・っ」
まだ眠たい目をこすろうとしたら、バシッと腕を掴まれ「目を掻くな」と言われて阻止される。
「おはようございます」と目を向ける。
本当は向けたくないが・・・・
「早く着替えろ。朝食の準備はできてるから」
「・・・・はい」
ここは研究所の中のとある部屋である。
私は昨日からここで生活することになったのだ。それはいいのだが・・・・・
「なぜ、工藤さんがここにいらっしゃるのですか?あと鍵閉めたような」
「教育係になったんだ。鍵ぐらい持つのは当然だ」
・・・・そう、なの?
はっきりいうと、よくわからなかったのでそこは口に出さなかった。
「ほら、冷めないうちに食べろ」
「いただきます」
朝食のメニューは、焼き鮭とご飯、味噌汁、漬物。あとはお茶
なんともまぁ・・・・
「美味しい…」
なんか久し振りだな、ちゃんとしたご飯食べたのは…。
しっかりよく噛んで食べたいと思っているものの、早く食えと言われて早く食べようとしたのに、「こらっ、すぐ飲み込むな」と言われて怒られながら朝食は無事完食した。
「それで今日は研究所内を案内する。これから一人で行動することも増えてくるだろうからな」
「はい」
それから、工藤さんによる研究所案内ツアーが始まった。
大きいだけにたくさんの部屋を丁寧に事細かに説明され、せいぜい約1時間以上はかかっていた。
「以上で、研究所の各部屋はすべてだ」
「ありがとうございました」
部屋の説明の際、工藤さんは「聞いてるだけだと頭に入らないだろ。見取り図を描いておけ」とか言われたが、私は自分なりに分かりやすいように1階はどこどこの部屋で、何に使われるのかをメモ帳に書いておくことにした。
「これで一人でも迷わず来れるだろう。今日教えてたことは復習して覚えておくように」
「はい。分かりました」
「明日全部の部屋を覚えてるかテストするからそのつもりで」
「明日っ!??」
「いいな」
「…はい」
鬼ィィィ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
数分後
私は部屋に閉じこもって明日のテストに向けて復習していた。
ガチャ。
「おい、夕食だぞ」
「うわっ!?はい!!」
この人のドアの開け方には心臓がいくつあっても足りない。
そんな中、工藤さんによる夕食がテーブルに綺麗に並べてあった。
「ほら、冷めないうちに食べろ」
「いっ、いただきます」
なんだろう?なんか自分が情けないなと思うのは・・・