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魔法師Mの物語  作者:
第五章 それぞれの恋心と最終回
197/222

恋愛映画一緒に見に行きましょう!2

その日の夜

 「映画を見に行くのか?そういえばその映画、椎名も友達と一緒に見に行くとかって言ってたな」←工藤

 「そうなんですか?ちなみに・・男性?」←力輝

 「いや、女性だ。4人ぐらいで見に行くとか言ってたな」←工藤

 「(椎名さんってもてるのかしら?そういえば・・・クレープ好きなの選ばせてくれたし、女性慣れ?してるのかも?)」←力輝

 

 「俺も誘えばよかったかな?」←工藤

 「ん?一緒に映画見に行きたい人とかいるんですか?」←力輝

 「あぁ、すぐ目の前にな」←工藤

 「・・・たまたまですよ。今回は影富先輩と桜子先輩が雪村を説得?して行くことになりましたから。私達はおまけみたいなものです」←力輝

 「そうか?でも、恋愛映画だから恋人同士が多いと思うぞ?」←工藤

 「そんなことないですよ。・・・たぶん」←力輝

 

 工藤さんは力輝をからかっていらっしゃる。

 だがこれは今始まったことではない。雪村にも『兄妹設定』のまま今でもたまにからかっている。この人はこの二人にはある意味甘いのかもしれない。


 「だが、気を付けろよ?変な奴がいるかもわからないからな」←工藤

 「気を付けます」←力輝

 「今度、お前が好きそうな映画があったら誘うから覚悟しておけよ?」←工藤

 「なんの覚悟なのかよく分かりません」←力輝

 

 「冗談だよ。じゃあ、映画楽しんで来い」←工藤

 「はい。お疲れ様でした」←力輝

 

 本当に、冗談だったのであろうか?


 

 そして・・とある日曜日に皆で映画館へとやって来た。

 

 「映画館ってこんな感じなんですね!」←桜子 

 「桜子、好奇心抑えて。ここでは静かにしていろよ」←雪村

 「はい。真さん」←桜子

 

 桜子は初めての映画館、力輝は二・三回ほど来ているが、慣れていない。

 チケットを買って、指定した席に座る。

 

 順番は・・・影富・雪村・桜子・力輝・南條・沼口である。

 「(板挟み?)」←力輝

 

 工藤さんが言っていたようにカップルが何組か確認されている。

 しかし、力輝たちのように友達で来ていたリと明らかに女性が多数をしめていた。

 

 ちなみに中に入る前にポップコーンの大きいやつと飲み物を購入しているが、

 高いので、中ぐらいのサイズを一つ購入して、力輝が持っている。

 桜子に持たせるのは少々心配だということでそうなったらしい。(←雪村の指示で)

 

 そして数分後に中は真っ暗となりスクリーンが映し出される。

 

 

 『なんであんなやつがモテるんだろう。私には理解できないわ・・』

 とある普通の女子高校生が、サッカー部1年のある男子高校生を教室の外から

 眺めるシーン。 

 

 男子高校生の容姿に見惚れて、他校からもその噂を聞き連れて彼をキャーキャーと叫ぶ女子を目障りだと思っていたのである。

 

 数分後に女子高生は男子高生と廊下でばったり会い、目をそらして素通り。

 しかし彼に呼び止められて、『ずっと見てたよね?俺の事』と聞くものだから彼女は驚いてしまう。

 

 

 「(なんかふつうだ・・・ドキドキしない)」←力輝

 隣の桜子は真剣な眼差し。雪村はつまらなさそうにぼーっと見ている。

 影富先輩は・・・なんだろう。普通そうな顔で見ていた。

 

 南條さんも普通・・・沼口先輩は寝ていた。

 

 『なんであんなにモテるの?私には理解できない』

 『そういわれても、俺にもわかんなくて。でも皆外見でしょ?付き合った子に言われたんだ。なんか違うって・・・すごくショックでさぁ~』

 

 「(なんかいまいちだな~やっぱり)」←力輝

 

 それからぼーっと見ていて最後らへんでキスシーンがはじまった。

 激しいやつである。

 

 「(うわぁ~なにこれ。っていうか・・・僕達の前の席皆カップルばっか。やっぱり来るんじゃなかった)」←雪村

 ツンツン

 「ん?」←雪村

 雪村が振り向いた瞬間、桜子の顔が近づいてきて「っ!?」と思った瞬間、影富先輩が桜子を抑えた。

 

 桜子は思わぬ邪魔が入ってしょぼんとした。

 雪村は「(助かった・・・)」とほっとしていた。しかし影富先輩がそれだけで終わるはずがないと彼の方を向くと、今度は雪村の腕にしがみ付いて離れない。


 小さな声で「先輩、なにしてるんですか?離れてください」と注意するも

 「やーだ」と離れない。

 「先輩、ずるいです。私も」と桜子も腕にしがみ付く。


 「(あぁ~もう・・・)」←雪村

 

 力輝は二人が雪村にしがみ付くのを黙って観ていた。それから映画の方へと視線を移す。

 

 それから約2時間ぐらいで映画は終わった。



 「先輩、どうして邪魔をしたんですか!?」←桜子

 「雪村君にキスしようとするなんて100年早いんだよ。やるんだったら僕を倒してからにしたまえ」←影富

 「私の魔法を使えば先輩なんて・・・「桜子、やめろ。先輩は魔法師じゃない」

 

 外に出た途端に喧嘩になったが、しばらくしてなんとか収まったところで帰宅した。

 


 ~研究所~

 「おかえり。どうだった、映画は」←工藤

 「・・・いまいちでした」←力輝

 「そうでしたか?私は面白かったと思いましたよ?」←桜子

 「僕もそんなに面白いとは思わなかったけど」←雪村

 「真さんまで?!でも、最後のシーンとか感動しませんでしたか?」←桜子

 

 「あぁ~カップルが一斉にキスしてたあのシーンね」←雪村

 「やっぱり多かったのか?」←工藤

 「僕達の前の席はカップルで、キスシーンが始まると一斉に・・・あぁ~もう見たくない」

 「そんな。良いシーンだったじゃないですか。なんかこう、二人の愛が燃える感じが。それなのに影富先輩のお邪魔が入って・・・」←桜子

 「邪魔?」←工藤

 「桜子、工藤さんの前でやめてよ!」←雪村

 

 「・・・・私、先に部屋戻ります。おやすみなさい」←力輝

 「あっ、待て。部屋まで送る」←工藤

 「大丈夫です。1人でいけますから」←力輝

 

 力輝はそう言って1人で部屋へと戻って行く。

 「工藤さん。僕が変わりに行きますから桜子をお願いできますか?」←雪村

 「それなら私も一緒に「お前はここにいろ。すぐ戻ってくるから」

 

 雪村は工藤さんに桜子を任せて力輝の部屋へと向かった。

 

 力輝は部屋の中へと入ると、借りていたDVDを見ていた。

 部屋を真っ暗にして、映画館のように。


 「(・・・なんか知らないけど、イライラする)」←力輝

 

 


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