頼りになる存在
訓練室
バシッ、バシッ!バシッ!!
「くっ・・・!?」
バシッ、バシッ!!
「どうした?力比べでこの程度か?」
「うっ?!」
バキッ!!!!!
「おりゃああ!!!!?」
バシッ!バシッ!!!バシッ!!!!
「感情的な暴走は冷静な判断ができない。集中しろ」
「してます…よっ!!」
バシッ!!バシッ!!!
バシッ!!!
「次は魔法攻撃の訓練に入るぞ」
「はい!!」
剣から放たれる白い光が勢いよくこちらへと向かっていく。
カキン!!
ドカーン!!!!!!!!
「うっ!??」
衝撃の勢いに負けて飛ばされる!
「油断できないぞ!!」
余裕もないままに工藤さんが次の攻撃を仕掛けてくる。
「・・・っ!??(レッドアイ、起動!)」
すぐ目の前に迫る攻撃を瞬間移動で間一髪で避けることに成功。
攻撃は空振りに終わった。
「瞬間移動か、だが逃げてばかりではなんの意味もないぞ」
「言われなくても・・・」
分かっているよ!!!と剣を強く握りしめ
「火狩の矢!!」
発動したのちに火の矢が戦火のように襲いかかる。
バシバシバシバシバシバシ!!!!!
それをどんどん剣ではらっていく工藤さんだが、周りは火に囲まれていく。
訓練室なので問題はないが、ここが外ならあっという間に火の海という状態であっただろう。
「邪魔する~って!?なんじゃこりゃあああ!!!???」
「ん?誰だ、今ここは使ってるって・・・幸野じゃないか」
「おお、工藤。わりぃな訓練の邪魔しちまって」
「何のようだ?」
「あぁ、実は・・・ってその前にこの状況なんとかしてくれ!???」
「・・・・」
数分後
「それで、何の用だ?」
「実はさ・・・・レポート書くの手伝ってくんない」
「しらん」
「そこをなんとか」
「しらん」
「お願いします、工藤先生」
「だからしらん」
レポート?
「こいつは幸野信二。俺と同じ大学に通ってる」
「どうもはじめまして~」
「こちらこそ。はじめまして」
「俺はこいつの教育係だ。他をあたってくれ」
「教育係つっても、もう高校も合格したし大丈夫だろ?研究所のことだったら他のやつに任せとけばいいじゃん、たとえば木下とか」
「あいつは教育係には向いていない」
「じゃあ松岡さんは?」
「プライベートでもここでも引っ張りだこだ」
「じゃあ、夜見にでも!!」
「あいつはダメだ!!!!!」
「なんでそんなに怒ってるの!??」
「あぁ、しつこいな・・・・」
「頼むよ、このとおり!!!」
土下座した。
「はぁ・・・仕方がない」
「本当!?助かります!!!」
「今日中に終わらせるぞ。終わるまで・・・一切睡眠をとらせないから、覚悟しておけ」
「・・・はい」
血の気が引いている。
顔が真っ青だ。
「というわけで、今日の訓練はここまでだ」
「はい。ありがとうございました。えっと、頑張ってください・・・幸野さん」
「ありがとう(泣)」
「行くぞ、幸野」
そういって、二人は訓練室を出た。
翌日の朝、工藤さんは来なかった。
いつもなら起こしに来るのだが・・・まだレポートが終わっていないのか?
とりあえず起きて朝ごはん食べていつもどおりに学校へ行った。
授業中でも大丈夫かなと心配だった。
放課後になって・・・・
「メール、してみるか」
『今から帰ります。レポートの方はどうですか?
心配だったのでメールしました』と送信した。
教室から出て下駄箱のところでケータイが鳴る。
メールの返信が返ってきた。
『まだ時間がかかりそうだ。悪いが訓練はほかの奴に頼んでくれ』
「大丈夫かな?」
どんどん心配が・・・
研究所へ戻ったあと、部屋で今日の授業の復習をしていた。
なんか今日は二人のことが気になっててあまり頭に入らなかった。
「ん~~気になるな~」
どこでやってるんだろう・・
誰か知ってるかな?




