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魔法師Mの物語  作者:
第五章 それぞれの恋心と最終回
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橋屋恭也応援隊

「田原さん、橋屋君の連絡先知ってる!?」←影富


 病院から出た影富先輩は美咲さんに連絡して橋屋さんの連絡先を聞き出そうとした。しかし、これはなにかあると思った美咲さんは研究所まで来てほしいと、あえて連絡先を教えなかった。


 そして影富先輩は仕方なく研究所へと向かったのでありました。


 ~研究所~

 「はいはい、おまたせ~連れてきたよ」←美咲

 「突然ごめんね。お仕事忙しいのに」←影富

 「いやいいよ。ちょうど休憩しようと思っていたところだったから」←橋屋

 「それでそれで?橋屋の連絡先を聞こうとした理由は・・・力輝ちゃん絡みなんだよね?」

 

 美咲さんは鋭かった。

 

 「田原、やめろ。そうじゃないよね?」←橋屋

 「いや。そうなんだけど・・」←影富

 橋屋さんは先ほどの自分に後悔した。言わなきゃ良かったと。

 場所を移して会議室へと入り、事情説明する。


 影富先輩の回想によると・・・

 

 雪村の病室についていったけれど、まだお昼ごはんは届かず。雪村は桜子とばかり話していて自分には目もくれないため、少しの間力輝の部屋へ行き、工藤さんと話を しようとついて静かにドアを少し開けようとしたら・・・


 と、いうわけで。タイミングが悪く、工藤さんが力輝にキスをするシーンを目撃してしまい静かにその場を立ち去った。というわけである。


 これを聞いた二人は目を見開いたまま影富先輩をじっと見ていた。

 そしてしばらくしてから


 「えっ・・・それ、なにかの間違いじゃないの?」←美咲

 「違うよ。本当にくどう・・・いや、棗さんが力輝さんにしたんだって」←影富

 「俺も何かの間違いだと思う。そう、例えば口元にゴミが付いていたとか・・・」←橋屋

 「それはない。明らかに唇と唇が・・・「やめてくれ!!!それ以上言わないでくれぇー 」

 

 橋屋さんは、ただでさえ今話された出来事に混乱し、想像すれば「嫌だ」とばかりに頭を抱えて泣き出してしまう。

 

 「重症だね。一応聞くけど・・・雪村には言ってないよね?」←美咲

 「言ってないよ。雪村君は棗さんが好きだし・・力輝さんに対しても好きというか、本人は認めないと思うけどね。だからそれを知ったら」←影富


 「間違いなく暴走するね。橋屋の時みたいになっちゃうと思うよ?」←美咲

 「橋屋君、彼女に何かしたの?まさかっ、「たぶん、想像しているのとは違うと思うよ」


 「そっか~よかった。いや、もしそうだったら、力輝さんは初めてじゃないんだなって思ってさ~」←影富

 「いや。ある意味、初めてだよ」←美咲

 「えっ?」←影富

 「だって今まで恋愛経験したことがない彼女が工藤さんと・・・となれば」←美咲


 「彼女の初キスは工藤さんになるっていうこと」←美咲

 「っ!?」←影富

 「もうやめろよ。その話・・・俺、仕事に戻る」←橋屋

 「えっ、ちょっと橋屋。まだ話は終わってな・・「ほっといてくれよ!」


 橋屋さんは会議室から走り去っていきました。


 「悪いことしちゃったかな・・・僕」←影富

 「でも、橋屋にとってはいい刺激になったかも。工藤さんが力輝ちゃんに好意を持ってるって知ったら、ライバルがまた1人増えるってことだし」←美咲

 「橋屋君、力輝さんに告白とかしないの?」←影富

 「あの様子じゃ、多分しないと思う。それに雪村がいつも一緒にいるしね。諦めてるんじゃないかな?」←美咲

 「ふーんー」←影富

 

 「おっ、いたいた」←夜見

 「こんにちは、夜見君」←影富

 「どうしたの?何か用事?」←美咲

 「いやぁ・・・それが、さっき恭也に会ったんだけど、なんかあいつ泣いてて」


 橋屋さんに遭遇した夜見さんは、橋屋さんを慰めた。

 どうして泣いているのかを聞くが泣いていて何を言っているのかわからない。

 仕事に戻るという彼を必死で止めて、医務室に連れて行った。

 それで落ち着いた彼と話すと美咲さん達が会議室にいるということでこうして訪ねたということらしい。


 「ごめんね。それ僕のせいなんだよ」←影富

 「えっ?なにか言ったのか?」←夜見

 「実は・・「待って!私が言うから」

 夜見さんは訳が分からず二人をじっと見る。


 「夜見、実はね。力輝ちゃんに好きな人がいることがわかったの」←美咲

 「えっ?マジで?誰だよそれ?!」

 「それはあんたに言うと言いふらしそうだから言わない」←美咲

 「なんでだよ!?」←夜見

 「それで、影富君が橋屋に伝えたらあまりのショックに耐えられなくてそのまま会議室を出てしまったっていうわけ」←美咲

 

 「誰かは気になるけど、恭也じゃないということは確かだよな?それであいつはそれを影富から聞いてショックで泣いていたと」←夜見

 「そういうこと」←美咲

 

 「・・・わかった。恭也じゃないのか~残念だな、あいつ」←夜見

 「それでいいの?夜見は」←美咲

 「えっ?そういわれても彼女に好きな人がいるならしょうがねぇーじゃん。無理やり付き合えとかあいつ言えねぇし」←夜見

 「まだチャンスはあるよ。だってまだ力輝ちゃんはその好きな人と付き合ってないんだから」←美咲


 「田原さん、まさか・・・」←影富

 「そのまさかよ。夜見、協力してくれるわよね?」←美咲

 「田原、勝手に話を進めるな。俺は何に協力すればいいんだよ?」←夜見

 「分からないの?橋屋に告白させるのよ!力輝ちゃんに告白するぐらいの男にならないと、この先なにをやっても彼はただ顔の良いだけのヘタレイケメンになってしまうわっ!」←美咲


 「さらりとひどいことをいうな・・・お前」←夜見

 

 「協力するの?しないの?どっち?」←美咲

 「する、する。そういうことなら俺も協力するぜ。あいつの親友として」←夜見

 「影富君も協力してくれる?」←美咲

 「もちろん。僕も協力するよ~雪村君のためにも」←影富

 

 

 「よし。ではこれより橋屋恭也応援隊を結成します。目的はもちろん工藤力輝に愛の告白をさせることを目標にする!」←美咲

 「オー!!」←影富・夜見

 

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