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魔法師Mの物語  作者:
第五章 それぞれの恋心と最終回
188/222

病人に突然、愛の告白2

~雪村の病室~


 「うわぁ~僕、納豆嫌いなんだよね」←雪村

 「真さん。ちゃんと食べないとダメですよ?それに納豆は身体に良いんですから」←桜子


 こちらも同様に納豆は身体に良い宣言をして病人に食べさせようとしていた。

 納豆というのはにおいがきつくて嫌と言う人は大勢いると思われる。


 「それは知ってるけど、僕その匂いがどうしてもだめなんだよ」←雪村

 「真さん、私が食べさせてあげますから。お口を開けてください」←桜子

 「嫌だよ。っていうかこの歳になってそれは恥ずかしいからやめてよ!」←雪村

 「真さん、ここは病院ですから静かにしてください」←桜子

 「(さっきと立場が逆だ!?)」←雪村


 結局、桜子に食べさせられるがままに完食。


 「うぅ~気持ち悪い・・・・」←雪村

 「そういえば影富先輩がいませんね?どこ行ったんでしょうか?」←桜子

 「知らないよ。力輝の方に行ったんじゃない?それか帰ったか・・・あの人、神出鬼没だし謎めいたところがあるし、正直いてもいなくても」←雪村


 「雪村君、納豆完食おめでとう。がんばった子には~はい、お茶」←影富

 「先輩、どこへ行ってたんですか?」←桜子

 「えっと・・・・・内緒」←影富

 

 「なにそれ?力輝の所じゃなかったんですか?」←雪村

 「・・・ううん。違うよ。ちょっとそこまで」←影富

 「先輩、今の間はなんですか?」←雪村

 「それよりお茶飲んだら?まだ口の中納豆くさいよ?」←影富

 何かをごまかそうとしているのか話をそらす影富先輩。

 

 「(言えない・・・棗さんが力輝さんに・・・っ、とても彼には言えない)」←影富

 

 彼は見てしまったらしい。

 工藤さんが力輝にキスをしているところを。


 これを雪村が知ったら、恐らく力輝を殺しにかかるだろう。

 いや。むしろショックが大きくて治った怪我よりも違う怪我ができてしまうかもしれない。

 影富先輩は、彼にはこのことを黙っていようと誓った。


 「じゃあ、僕はこれで失礼するよ。氷浦さんまたね」←影富

 「はい。ありがとうございました」←桜子

 

 「・・・なにか隠してるな」←雪村

 「そうですか?」←桜子

 「まぁ、いいけど。それより桜子」←雪村

 「なんですか?」←桜子

 「魔法力が戻ったんだから、星羅に戻れるけど・・転入するんでしょ?」←雪村

 「あぁ、そのことでしたか。私、星羅には戻りません」←桜子

 「えっ?なんで?」←雪村


 雪村は驚いた。魔法力が戻ったからてっきり家に帰って星羅にも戻るのかとばかり思っていたからだ。


 「私、真さん達がいるあの学校がとても好きになりました。両親にも相談した結果、私の自由にして良いとのことです」←桜子

 「・・・そう。良かったじゃん」←雪村

 「それでですね。私、真さんにお願いがありまして・・・・」←桜子

 「なに?」←雪村

 

 「私と結婚していただけませんか?」←桜子

 「交際とんでいきなり結婚かよ」←雪村

 「いけませんか?」←桜子

 「いきなりすぎるでしょ?僕達まだ17だよ?まだ早すぎるんじゃない?」

 「もちろんすぐにとは言いません。大学を卒業したらという話ですので」

 「嫌だよ。なんで僕が桜子と結婚しなきゃいけないんだよ」←雪村

 「私、家事も洗濯もできますよ?それに背も可愛いサイズでお手頃です!」

 「確かに可愛いけど僕は別にロリコンじゃないからね?」←雪村

 「分かってますよ!・・・でも私は結婚相手なら真さんがいいなと思ってまして、だからその・・・私は真さんと生涯人生を一緒に歩みたいんです。それでもだめですか?」

 

 「・・・・悪いけど。僕、結婚とかってまだいいって思ってるし、桜子の事もそんなふうに思えないから」←雪村


 「やっぱり力輝さんがいいんですか?」←桜子

 「なんであいつが出てくるんだよ。あいつは関係ないでしょ?」←雪村

 「だって、力輝さんの事をとても大切に思っていますし」←桜子

 「別にそんなんじゃないよ。力輝はバカだし鈍感だから僕が見てないと大変だってだけで。仕事なんだから、仕方なしにやってるだけなんだから勘違いしないでよね」


 雪村は必至に桜子に言うが、桜子は笑顔で

 「そうですね。仕事ですもんね」と返事しつつも「やっぱりそれでも敵わない」と思っていたのでありました。


 

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