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魔法師Mの物語  作者:
第五章 それぞれの恋心と最終回
187/222

病人に突然、愛の告白

 さらにその数日後

 「力輝ちゃん、お見舞いに来たよ」←美咲

 「よぉ。大丈夫か?」←夜見

 「夜見、病人だぞ。ごめんね、気を悪くしないで」←橋屋

 「雪村君、ここにいたんだね。もう動いて大丈夫なの?」←影富

 「お前らうるさいぞ」←工藤


 なにやら病室が騒がしい。


 「やっぱり目は治らないんだな」←工藤

 「・・・・あの、あまりじろじろ見ないでください」←力輝

 「あっ、すまん。気にしてるんだったな」←工藤

 

 「(なんだろう。見てるこっちが恥ずかしい)」←夜見・橋屋・美咲・雪村

 

 お見舞いに来て数分後に美咲さん・橋屋さん・夜見さんの三人は仕事があるということで先に帰って行った。工藤さんはもう少しいると影富先輩と桜子と残ることに。


 「真さん、そろそろお昼なので病室に戻らないと」←桜子

 「えぇ~部屋でとるのめんどくさい」←雪村

 「いいから、行きますよ。じゃあまた後で」←桜子

 

 桜子は雪村を連れて病室から出て行った。

 そして影富先輩もついていき・・・・力輝と工藤さんは二人きり。


 「工藤さんも行ってきていいですよ?私は大丈夫ですから」←力輝

 「お前を1人にさせるわけないだろ?それに俺は雪村ファンじゃない」←工藤

 

 正直本人も「なんだよ、雪村ファンって・・・」と突っ込みを入れた。

 つい口から出てしまったので声には出さなかったものの・・・。

 

 「まぁ、確かにそうですよね」と力輝もあっさり納得した。

 そう話している間に看護師さんが食事を持って部屋に入って来た。

 

 「・・・」←力輝

 「ん?どうした?変な顔をして」←工藤

 

 力輝がお昼ごはんを見て変な顔をしたため、声を掛けてみてみると、

 それは「納豆」だった。


 「なんだ。お前、納豆がダメなのか?」←工藤

 「工藤さん、平気なんですか?これ・・・」←力輝

 「納豆は身体に良いんだぞ?」←工藤

 「…信じられない」←力輝

 

 工藤さんは納豆のパックを開けて箸でぐるぐる混ぜ始めた。

 「っ!?何してるんですか!?」←力輝

 「見ればわかるだろ。納豆を混ぜてるんだ」←工藤

 「私食べませんよ。食べませんからね!」←力輝

 「だめだ。ちゃんと食べろ」と工藤さんは箸で納豆を掴んで力輝の口へと持っていく。

 

 「いやだ!くさい」←力輝

 「良いから食べろ」←工藤

 工藤さんが口へと持っていき・・仕方なしに口を開けてパクッと食べる。

 もぐもぐもぐもぐ・・・・「うぐっ・・・ううううううう」←力輝

 

 力輝はすぐさまお茶を飲む。

 「まずい・・・」←力輝

 「ほら。まだあるぞ」←工藤

 「工藤さん、あなたは鬼ですか!」←力輝

 「俺はお前のために言ってるんだ。あと病院なんだから静かにしろ」←工藤

 「・・・じゃあ、口移しで食べさせてください」←力輝

 「・・・」←工藤

 

 力輝はこういえばさすがの工藤さんも観念すると思っていた。

 だが・・・そう簡単にうまくいくわけがなかった。

 

 「口移しならちゃんと食えるんだな?」←工藤

 「えっ?まっ、まさか・・・本気でやるんですか?」←力輝

 「お前が言ったんだぞ?お前が納豆を食べるなら俺はどんな手段でも使うぞ」

 「(どっ、どうしよう・・・)」←力輝

 

 工藤さんは納豆を自分の口の中に入れようとする。それを見て力輝はすぐさま

 とめる。


 「自分で食べます!工藤さん、ごめんなさい。我慢して食べますから許してください」

 「・・・・本当だな?」←工藤

 「頑張って・・・吐かないように全部食べますから・・・(泣)」←力輝

 

 観念して全部食べ終わりました(泣)

 

 「うぅ・・・気持ち悪い」←力輝

 「そんなにダメなのか?美味いのに」←工藤

 「工藤さんの味覚、おかしいんじゃないんですか?私食べるだけでもう吐いてしまいそうで気持ち悪くなりますよ?あれがとてもじゃないけど身体に良い物だとは思えません。あれは本当に食べ物かどうかも疑問です」←力輝

 

 力輝はぐったりとして納豆の文句を言う。

 それを聞いた工藤さんは・・・「力輝、こっち向け」と力輝を自分の方に向かせると・・・・・


 「っん・・・」←力輝

 

 なにが起こったのか、力輝にはわからなかった。

 工藤さんの方に顔を向けた途端、彼の顔が近づいて・・唇にやわらかいものが

 あたったのだ。

 

 彼は数秒ほどで目を開けて、力輝からすぐ離れた。

 「これで気持ち悪くなくなったか?」←工藤

 

 「くっ、工藤さん。いったい・・・なにを!?」←力輝

 力輝はひどく混乱していた。あの工藤さんが・・・あの工藤さんが・・・・と少女漫画の世界のように彼がした行動がとても意外すぎて頭の中はさっきのことでいっぱいであった。


 「いや、その・・・お前が口移しで食べさせろっていうから」

 「そこじゃないです」

 「だから、その・・・したくなりました」

 「なぜ!?」

 「力輝、だからここは病院だ。静かに」

 「すみません」

 「・・・いやだったか?」

 「いやじゃないです。・・・木野原にやられるよりはまだましですから」

 「力輝。俺は・・・お前のことを異性として好きなのかもしれない。自分でもよく分かっていないんだが、木野原がお前を嫁にすると聞いたとき、凄く嫌だった。それだったら、俺が力輝をもらった方がまだいいとまで思ったんだ」


 「えっ?そこまで?」

 「力輝、お前が嫌なら別だが・・・俺と、結婚を前提にお付き合いしてくれませんか?」

 「なんで結婚を前提なんですか?」


 冷静に突っ込む力輝。

 なぜなら木野原も結婚を前提にと言っていたからである。


 「それだけ、真剣だということだ」←工藤

 「よく分かりません」←力輝

 工藤さんは力輝のベッドに座り込み、力輝の頭をなでる。

 

 「そうだな。俺もわからない。でも・・・俺はお前を誰にも渡したくないという気持ちは本当だ。それだけ覚えといてくれるか?」←工藤

 「分かりました」←力輝

 「あと、このことは誰にも言うなよ?」←工藤

 「分かりました。誰にも言いません」←力輝

 「よし。じゃあ、俺は帰るな」←工藤

 「あっ、はい。お気をつけ・・っ!?」←力輝

 「また来るな」←工藤

 

 工藤さんはそういうと病室から早々と立ち去りました。

 

 「っ・・・・二度目」←力輝

 

 力輝は戦闘不能になりましたとさ。

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