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魔法師Mの物語  作者:
第四章 雪村真と氷浦家
182/222

派手に到着し、脱出を試みるけどそんな簡単にはいかない

~木野原邸~

 

 「式は明日の昼に決行する。今日は早めに寝ておけ」←木野原

 「(勝手に決めないでよ!?)」←力輝

 「なにか言いたそうだが、これは決定事項だ。諦めろ」←木野原

 

 木野原は脱走防止のために魔法制限装置を組み込んだ腕輪を両手首に装着させ

 たあと、厳重なオートロックを追加して徹底的に逃げないよう施した。 

 

 「明日までの辛抱だ。それまで大人しくしていろよ」とだけ伝えて部屋から出て行ったのだ。


 力輝は木野原に対するストレスがたまっていた。

 だが、魔法制限までされてはどうすることもできない。助けを呼ぶにしても窓もないし、木野原邸の敷地内のためすぐばれる。それに肝心の声がこの状況では・・・。


 力輝はますます落ち込んだ。

 「(誰か助けて・・・あんなのと、結婚だなんてマジ嫌だ―――――――!!!)」

 無言での大泣きから数十秒ほどした時のことだった。


 暗かった外がなぜか日が差したかのように明るいと気が付いた。

 「っ!??」←力輝


 なにかがこちらに向かって飛んでくる!???

 逃げようとするも、オートロック式のため出ることもできない。必死に助けを求めようとするのも遅く、そのなにかは力輝のいる部屋に突っ込んだ。


 

 ドカ―――――ン!!!!!!!!!!!!!!

 

 「・・うっ。えっ・・・?」←力輝

 どうやら、生きているらしい。力輝はほっとしたが、問題はなにが飛んできたのかということだ。

 

 良く見れば、分厚い氷に覆われたドラム缶が床に刺さっていた。

 いったいなぜこんなものが降って来たのだろうと思っていた力輝に、ドラム缶がガチャガチャと動き出した。


 恐る恐る近づくと見る見るうちに氷はあっという間に消滅し、中から人が出てきた。


 「よいしょっと!あぁ、死ぬかと思った」←雪村

 「・・・・」←力輝

 力輝は中から出てきた雪村をただじーっと見ていた。

 それに気づいた雪村は「あのさ、じっと見てないで助けてくれない?抜けないんだよ」と普通の態度。

 

 力輝は慌てて雪村をドラム缶から離す作業を手伝った。

 「(いったいどうやったらこんなことになるんだろう?)」と思いながら。


 「あぁ~やっと狭いところから抜けられた~。そんじゃあ・・・」←雪村

 「えっ・・」と力輝は雪村が自分の両腕を握ろうとしていたことに一瞬びっくりしたが、彼は力輝のついてある腕輪を壊したのだ。


 「さっさと帰ろう。こんなところ」と雪村が言ったその瞬間、「そうはさせるか」と入口に木野原と後ろには物騒な連中が二人を見ていた。

 

 「大胆な登場だな。雪村」←木野原

 「劇の時のあんたの登場よりはマシだと思うけど」←雪村

 「そうだな。彼女を連れ戻しに来たんだろうが、こっちにも都合ってもんがあるんだ。大人しく1人で帰ってもらおうか」←木野原

 「悪いけど、女子高生を監禁した人に言われたくないね。こいつは連れて帰るよ。たとえそれが、魔法師一族木野原だとしてもね」←雪村

 「そうか・・・残念だよ。大人しく氷浦の後継者になっていればいいものを・・・・やれ」


 木野原の合図で、後ろにいた連中が一斉攻撃を仕掛けてくる。

 

 「僕から離れないでよ?」←雪村

 コクリ


 『冷酷の大地』発動

 地面があっという間に凍りつき、範囲に入った人間を次々と凍らせてしまう。

 しかしそんな簡単に倒せるなら苦労はしない。

 

 そんな時、どこからか現れた謎の集団に次々とやられていく木野原集団。

 その中に夜見さんと工藤さんの姿が。


 「工藤さん!?」←雪村

 「雪村、勝手に1人で行くな。こちらのタイミングがかなり遅れてしまったぞ」←工藤

 「すみません」←雪村

 「まぁ、いい。力輝、無事でなによりだ。新しいブレスレットを持ってきたからこれを使え」

 工藤さんにブレスレットを渡されて、「ありがとうございます」と言おうとするが、やはり声が出ない。


 「雪村、お前は力輝を非難させろ。近くに田原達が乗っている車がある。そこへ行け」

 「了解」←雪村

 

 だが、木野原がそれを許すはずはなかった。

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