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魔法師Mの物語  作者:
第四章 雪村真と氷浦家
179/222

いきなりの結婚と脱出の決意

~木野原邸~

 「崇司様、こちらのデザインはいかがでしょう?」←女性デザイナー

 「悪くないな。試しに試着させてくれ」←木野原

 「かしこまりました」←女性デザイナー


 数分後

 「崇司様、ご試着が完了致しました」←女性デザイナー

 「どれ。見せてみろ」←木野原

 

 部屋の中に組み立て式の試着室を作り、その中へ彼女を連れてデザイナー二名が着替えさせた。カーテンを開ければそこにはウエディングドレス姿に身を包んだ力輝の姿が・・・。


 じーっと見る木野原の視線に恥ずかしくて目をそらす力輝。

 「(これはいったいなんの罰ゲームなんだ!?)」←力輝

 「なにか言いたそうだが、まぁ文句だということは分かる。大人しくしていろ」←木野原

 「(くそっ・・声が出ない)」←力輝


 サイズの寸法は完璧。あとはデザインのよし悪しによる。

 木野原は力輝に近づいて近々と見て「よし。これに決める」とデザイナー二人に言う。


 「ありがとうございます」←女性デザイナー

 

  

 ウエディングドレスを結婚前に着ると、お嫁に行くのが遅れると、少女漫画で聞いたことがあった力輝は、「(お嫁行きが遅れちゃうよ・・・早く帰りたい)」と今あるこの状況がまだ把握できていなかったのでありました。

 

 

 デザイナーが帰ったあと、力輝はホワイトボードに質問を書いた。

 

 『いったいあれはなんの罰ゲームなの!?』と。

 「罰ゲーム?あれは結婚式に用意した物だぞ?どうしてそんなもののためにドレスを着させなきゃならないんだ?」

 

 数秒、力輝の思考が止まった。

 そしてすべてを把握した途端に「っ!?えぇええええええええええええーーーーーーー!???????」と大声を出したのだ。

 

 「あっ・・・あっ・・・っ!?」←力輝

 声が出なかったためにホワイトボードに書く。

 

 『結婚ってなに!?』

 「お前、本当に頭大丈夫なのか?脳に異常はなかったと医者は言ったが・・・もう一回検査し直してもらうか?」←木野原

 真面目に聞く木野原に力輝は首を振り、ホワイトボードにまたしても何かを書く。


 『私が聞いているのは、あなたと私が結婚するということについてだ!』

 「そうだ。俺とお前の結婚式のためにあのドレスを用意させたのだ」

 

 すると力輝は頭を抱えてその場に倒れ込んでしまった。

 「(いやだいやだ!なんでこいつと結婚しなきゃいけないの!?)」と声が出ないためになにをしているのか全く木野原にはわからなかった。

 

 いいや。わからないふりをした。


 「式はここで行われる。安心しろ、俺とお前の二人きりの結婚式だ」←木野原

 「(そういう問題じゃない!!)」←力輝

 「木野原のためにもお前を利用させてもらう。それだけだ」←木野原

 「・・・」←力輝

 

 木野原は部屋を出た。

 そのあと、力輝は決意する。


 「(この家から、一刻も早く脱出する!)」と。

 無言の決意で。

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