声が出ないというのはきつい
木野原邸では、木野原が朝食を自ら部屋まで運んでいた。
メイドが「私達がお部屋までお運びいたします!」と言ったが、断った。
部屋の中へ入れば、すぐ目の前に力輝が立っていた。
「うわっ!?驚かすな!」←木野原
ググググッ~~~
「おなかすいた・・・」←力輝
「っ!?・・・はぁ」←木野原
木野原は力輝がようやく口を開いたことに少しほっとしたあと、力輝をテーブルのある場所まで誘導し、そこで朝食を一緒にとることに。
ぱくぱく食べる力輝をコーヒーを飲みながらじっと観察している木野原。
少々多すぎたかと思っていた木野原だったが、今の状況を見ると足りるか心配になってきた。
「うっ!?」←力輝
「水だ」←木野原
木野原は冷静に水を入れて渡す。それをぱっと受け取りごくごく飲みこむ力輝。
「はぁ・・・」←力輝
「お前、そんなにがつがつ食べて大丈夫か?」←木野原
「・・・・」←力輝
「さっきまで喋れただろ?わざとじゃないだろうな?」←木野原
ブルブルと指を横に振る。
「それなら、字を書いて伝えろ。そこにホワイトボードがある」←木野原
「っ!??」←力輝
どうやら気づいてなかったらしい。木野原はホワイトボードを力輝の元へと持ってきたあとペンを渡す。
渡されてペンをじーっとみた見た後、ホワイトボードにペンを走らす。
『さっきは言えたのに、なんか言えない』←力輝
「声に出せないということか?」←木野原
コクリ
「お前にいくつか質問がある。いいな?」←木野原
コクリ
「俺は、だれか分かるか?フルネームで書け」←木野原
『きのはらそうじ』←力輝
「正解だ。記憶はあるんだな?」←木野原
コクリ
「声が出ないだけで、記憶障害はなし。魔法はどうだ?」←木野原
すると力輝はレッドアイを発動させようとする。木野原には何をしようとしているかは不明。
しかし何も起こらず、次は通常の魔法
ビリビリビリ!
天井に焦げ跡が残る。
「とりあえず、魔法力はありそうだな。もういいぞ」←木野原
カキカキ
『思いどおりに、行きたい場所にいけない』←力輝
「それは俺にとっては好都合だ。今逃げられては困るからな」←木野原
カキカキ
『ふられたハライセ?』←力輝
「とりあえずしばらくここにいてもらう。大人しくしていろ」と木野原は部屋から出ていく。
「(声は出ないし。どうしよ)」←力輝




