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魔法師Mの物語  作者:
第四章 雪村真と氷浦家
167/222

すべてはお互いのために

「私は貴方の事が気に入らないです。突然現れたかと思えば、学校に転校してくる雪村とは許婚で一緒に住むだとか・・・もう訳がわからないですよ!貴方は氷浦の人間なんでしょ?どうして彼と一緒にいるんですか?氷浦は雪村のお祖父さんを捨てた憎い相手だって聞いてたのに・・・それなのに」

 

 「力輝さんは私が彼の遠縁「氷浦」だと知っていたんですね?」

 「工藤さんから聞いただけです。その話を聞くまで、彼が魔法師一族の遠縁だとは知りませんでした」←力輝

 「なるほど、力輝さんが私に伝えたいことは分かりました」←桜子


 「貴方は、真さんのことを本当に大事に思っているんですね?」←桜子

 「誤解しないでください。私はあくまで自分の気持ちを申し上げただけです」←力輝

 

 自覚なし、というより・・・ただ単に認めたくない話なのである。


 「貴方には真実をお話する権利があると認めます。HRが始まるまでに手短にではありますが、力輝さんには氷浦と真さんが交わした契約に至るまでのすべてをお話します」

 


 そして、影富先輩と雪村は、

 「さすが雪村君、魔法だけじゃなくて運動能力も優れてるんだね~ますます惚れちゃう」

 「うるさいっ!いいからさっさとどきやがれこのオカマ!!!??」←雪村

 

 彼らがやっているのは、月ノ宮流の忍び戦闘術である。

 ようするに…壁を走って敵を攻撃したりつつ、忍者スタイルで勝負しているのだ。ちなみに雪村の魔法力があれば一部屋分を防音にしたり、一般人を巻き込まないための対策も万全に出来る。(これは試作中ではあるが、使いこなせているので実用化される可能性あり)


 


 「私は訳あって魔法が使えなくなりました。原因不明と判断され代役として選ばれたのが真さんだったのです。ですが彼は『氷浦は祖父を捨て、母をひどい目に合わせた』として養子を拒否しました。彼は私の魔法力を取り戻すと父に宣言し、それを聞いた父は協力する代わりにそれが果たせなかった場合は、後継者並びに私の婚約者になれと」←桜子


 「そんな…どうして?」←力輝

 「恐らくお祖父様と同じ目に合わせたくないという考えだったのでしょう。魔法力をなくせば私は普通の人間ですから・・・。これを気に申し上げます。私は真さんのことを友人としてではなく異性として好いております」←桜子

 

 「それを私に言ってどうするんですか?」←力輝

 「なので私は半年の仲である力輝さんを超える存在になります!昨日真さんにもあなたのすべてを知り尽くしてみせますと宣言しました」←桜子

 「はっ。はぁ・・・??」←力輝

 

 力輝はもう彼女の好奇心発言についていけなかった。

 目がきらきら輝いているのがその証拠。今思えば影富先輩に近い性格なのかもしれない。


 「なので私、力輝さんには負けませんよ!」←桜子

 「なんか知らないけど…むかつくので絶対負けたくないです」←力輝

 負けず嫌いなので、張り合ってみる力輝。


 するとガチャンと扉が開かれた。

 「はっ・・はっ・・・はっ・・」←雪村

 「あら、真さん?どうしたんですか?」←桜子

 

 「どうしたも・・・こうしたも・・っ・・はっ・・・はっ」←雪村

 急いできたのか息切れしてなんとかしゃべる雪村に桜子は心配しそうに見る。

 力輝はまたしても先手をとられてしまった。


 「じゃあ、私戻ります」と通り過ぎようとすると雪村にガシッと腕を掴まれてしまった。

 「ちょっと待って・・・話があるんだ」

 「話?」←力輝

 

 「あんたが何考えてるかだいたい見当はつくけど・・僕は自分の目的のためにこいつといるんだから、深いこと考えなくていい。それに、こいつもあんたと同じでバカだから」

 「なっ・・」←力輝

 「真さん、ひどいですっ!バカってなんですか!」←桜子

 「そのまんまの意味だよ。だから、いつも通りにしてればいい。無理に気を遣わなくていいんだよ」←雪村

 

 「・・・」←力輝

 「真さん、もしかして知ってたんですか?」←桜子

 「最初から知ってたよ。あんたが気づくまで黙ってた」←雪村

 「えっ!?そうなんですか!?どうして早く言わないんですか?!」←桜子

 「済んだことは気にしない。そろそろチャイム鳴るから教室戻るよ」←雪村

 「あっ、ずるいです!真さん」←桜子

 「ほら。なにぼーっとしてるの?行くよ」←雪村

 「あっ。はい」←力輝

 

 その頃、影富先輩はというと…


 

 「あ~あ。突破されちゃった・・・」←影富

 しばらく廊下で大の字に倒れて動けなくなっていた。

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