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魔法師Mの物語  作者:
第四章 雪村真と氷浦家
162/222

桜子と力輝のご対面

「初めまして、氷浦桜子と申します。皆さん、どうぞよろしくお願い申し上げます」←桜子

 夏休みが終わるまであと一週間を切った頃、雪村は桜子を研究所へと連れてきた。


 工藤さんには事前に連絡を取ってあり、彼女と会う約束をしていたのだ。

 雪村は工藤さんに桜子を預けたあと、力輝の部屋を訪れようとした。


 いつものようにノックなしで扉を開けると、DVDを仲良く見ている二人の姿が。

 しかしDVDの内容が内容だったために二人は雪村が入ってきた途端「ぎゃあ!??」と奇声を叫んだのだ。


 「ちょっと、人が帰ってきたのにひどくない?僕でも傷つくんですけど」←雪村

 「あぁ、ごめんなさい。ちょうどホラー映画を見てて」←力輝

 「すまん・・・」←橋屋

 

 「あっそ。はい、これお土産」←雪村

 雪村はお土産など買うつもりはなかったが、桜子が買っていけとうるさかったため仕方なく適当な物を買ったのだ。ちなみに工藤さんのは桜子が選んだ。

 あとは彼の適当さ加減である。


 「橋屋先輩、ありがとうございました」と雪村は橋屋さんにもお土産を渡す。

 「あぁ・・・ありがとう」←橋屋

 「田原先輩どこにいるか知りません?いるんでしょ?あと夜見先輩も」←雪村

 「あっ、あいつらなら夏休みの宿題で今は会議室に」←橋屋

 「えぇ~そうなんですか?じゃあこれいらないかな?」←雪村

 「いやいや、渡してやれって。それか俺が渡しておこうか?」←橋屋

 「いえ。自分で渡してきます。それじゃあ会議室行ってきまーす」←雪村


 雪村はそう言って部屋から出て行った。

 「なんか・・・あいつおかしくなかった?」←橋屋

 「そうですね。確かにおかしいです」←力輝

 

 会議室

 「失礼しまーす」←雪村

 「あっ、雪村!?久しぶり―」←美咲

 美咲さんが雪村に抱きついてきた。相当なダメージを食らっているらしい。

 

 「田原、さぼってるんじゃねぇよ!」←夜見

 「いいじゃない。久しぶりに会えたんだしさ~」←美咲

 「暑苦しいから、早く離れて・・・」←雪村

 

 二人にお土産を渡してすぐに会議室を出た。するとどこからか人がこちらに向かって走ってくるのが見えた。


 「雪村くーん!」←影富

 「先輩、廊下は走らないでください」と影富先輩の抱きつき攻撃をスルー。

 「おかえりなさーい!僕、君がいなくてすごくさびしかったよ?家の用事どうだった?あっ、これなに?もしかして僕にお土産買ってくれたの?嬉しい~ありがとう!」←影富

 

 久しぶりに会えたことで影富先輩のテンションはMAXであった。

 普段以上にうっとうしい。


 「ところで月ノ宮はどうしたの?」←雪村

 「幸樹?帰ったよ・・・アメリカに」←影富

 「あっ・・すみません」←雪村

 

 これはまずいことを聞いてしまった。

 「ううん。いいのいいの、気にしないで」←影富

 「先輩、月ノ宮とはもう会えないんですか?」←雪村

 「大丈夫。連絡先交換したし、幸樹また日本に用事作って戻ってくるってさ」←影富

 用事って・・・なんの?


 「あっ。工藤さんには会った?」←影富

 「どちらの工藤さんですか?」←雪村

 「やだな~どっちもだよ」←影富

 「まぎらわしい言い方するのやめてください。両方会いましたよ」←雪村

 「そっかそっか~よかった」←影富

 

 「あっ、いました。真さん!」←桜子

 すると桜子が工藤さんと一緒に戻ってきた。


 「手続きが終わりました。探したんですよ?」←桜子

 「探したって・・・」←雪村

 「すまんな。雪村と一緒に街を回りたいって聞かなくてな」←工藤

 「あんたねぇ~工藤さんも忙しいんだからわがまま言って連れまわすなよ」←雪村

 「俺は構わないんだがな」←工藤

 「雪村君、誰なのこの人!??」←影富

 

 「もう、急に大声出さないでくださいよ。先輩」と雪村は両耳をふさいで言う。

 「初めまして。私、氷浦桜子と申します。真さん、こちらの方は・・・?」←桜子

 「僕の学校の先輩、影富岬先輩だよ」←雪村

 「影富?・・・もしかして、月ノ宮家の遠縁の方ですか?」←桜子

 「なんだ、知ってたんだ」←雪村

 「ええ。一度、月ノ宮家のご子息様とお会いしたことがありまして」←桜子

 「それ、この人の弟だよ」←雪村

 「あら、そうだったんですね。ではあのお話は本当だったというわけですね」←桜子

 桜子はにこにこしながら雪村に話をしているが、さっきから彼の後ろにしがみつく影富先輩は桜子を警戒しているのであった。

 

 「雪村、力輝にはもう会ったのか?」←工藤

 「はい。会いましたよ?工藤さんまでなんですか?」←雪村

 「お前がいない間、力輝は訓練と買い出し以外はずっと家で過ごしていたから、会ってないならあいつが寂しがると思ってな」←工藤

 「橋屋先輩がいるんですから、大丈夫でしょ?それに寂しがるような性格でもないだろうし」←雪村

 「力輝さん?」←桜子

 桜子が興味を示した。

 すると、一つの扉が開いて力輝と橋屋さんが出てきた。

 

 それにすぐ気づいたのは工藤さん。

 「力輝、こっちに来い」←工藤

 「えっ?!」←力輝

 

 力輝は工藤さんに呼ばれて、雪村達の元へと恐る恐る歩いていく。

 橋屋さんは呼ばれていないため、部屋の前で待機。

 

 1人だけ知らない女性がいるため、力輝は彼女をじろじろ見る。

 「貴方が力輝さんですか?」←桜子

 「はい。そうですけど・・・・どちら様ですか?」←力輝

 「初めまして、私は氷浦桜子と申します。この度、二学期から真さんと同じ高校に転入することになりました。よろしくお願いいたします」←桜子

 「氷浦・・・」←力輝

 

 「(魔法師一族の氷浦?そんな人がなんでこんなところに・・・)」←力輝

 もしかして、雪村を氷浦に入れるため?と力輝はいろいろと考えが止まらなくなった。


 「力輝、こいつは敵じゃない。安心しろ」←雪村

 どうやら雪村は桜子が自分を狙っている者だと勘違いしたらしく、力輝に大丈夫だと教えた。力輝は違うことを考えていたのだが、とりあえず「あぁ。はい」と答えるしかなかった。


 「どうも、はじめまして。工藤力輝です。こちらこそよろしくお願いします」←力輝

 力輝はおどおどしながらも彼女に自己紹介をして彼女と同じように頭を下げた。


 「力輝も同じ学校の一年生だから、会うことも多いよ」←雪村

 「あらっ、それじゃあ私は先輩なんですね!」←桜子

 きらきら輝く目は雪村に向けられ、周りはその少女を不思議そうな目で見ている。

 力輝に対してはひいてしまってはいるが。

 

 「(なんだ、この人・・・)」←力輝

  

 「工藤さんってことは、ご兄弟なんですか?」←桜子

 「ちがうよ。っていうか魔法師一族なのに力輝のこと知らないの?」←雪村

 「はい?私は力輝さんとお会いするのは初めてですよ?聞いたこともありません」←桜子

 「へぇ~。まぁ・・詳しく言うとややこしいから言わないけど、こいつと工藤さんは他人だよ。血縁関係はない」←雪村

 「そうなんですね。じゃあ、力輝さんと呼ばせていただいていいですか?私のことは桜子でいいので」←桜子

 「えっ?」←力輝

 「苗字が嫌いなんだってさ。桜子先輩とでも呼んであげたら?」

 「はい・・・分かりました。桜子先輩」←力輝

 

 そのあと、夜見さん、美咲さん、橋屋さんとを紹介して研究所案内をしたのでありました。

 

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