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魔法師Mの物語  作者:
第四章 雪村真と氷浦家
160/222

桜子の好奇心は止まらない

翌朝、桜子に「朝ご飯の準備が出来ました。起きてください」と叩き起こされた。


 朝食でも桜子の父親はいなかった。

 ひょっとすると僕に会うためだけに昨日は時間を作って家に戻って来たのではないかと思った。でもそれを聞くのも気まずいから彼女には聞かなかったけど。


 「真さん、お話があります」←桜子の母親

 「・・なんでしょうか?」←雪村

 「失礼かもしれませんが、真さんは普通の高校に通ってらっしゃるそうですね?」

 

 本当に失礼なことを聞くな。


 「はい。自宅から近い公立高校に通っています」←雪村

 「実は、桜子の通う星羅は魔法師を育成するための学校で普通科というのが存在しないのです。そのためどこか別の学校へと転入しなければならなくなりまして」

 

 桜子は黙っていたものの顔を下にして悲しそうな目をしていた。

 あれだけ氷浦のためって言っていたあのお嬢様がこんなに落ち込んでいるとは、よっぽど苦労して入ったのだろうか?

 

 僕は勝手に想像していると桜子の母親は、桜子を見てから僕にこう告げた。

 「それで、真さんの通っている学校へ転入させようと考えております」←桜子の母親

 「はいっ!?」←雪村


 予想はしていたけれど、本当に言うなんて思っても見なかった。

 僕は驚いたのと同時に立ち上がってしまった。

 

 「ちょっと待ってください。氷浦から僕が通う学校まで結構距離があります!」←雪村

 「なので、真さんの家に桜子を居候させてあげてください。それなら何の問題もありません」

 問題ならありますって!?何考えてんだ、この人!??

 

 「お言葉ですが、桜子さんの気持ちも考えてあげてくださいよ!僕の学校じゃなくても氷浦から通える学校ならいくらでも「これは決定事項です。桜子の父にも了解を得ています。異議を申し立てるなら、桜子の父と話し合ってください」


 

 「といっても、しばらく家には帰ってきませんよ?」と怪しげな笑みを浮かべる桜子の母に僕は負けた。

 

 この人、意地でも僕と桜子をくっける気満々だ・・・。


 「真さん、ご心配ありがとうございます。でも、私は大丈夫ですから」←桜子

 「・・・・」←雪村

 

 お前が大丈夫じゃなくても、僕が大丈夫じゃないんだよ!

 だが、桜子の母親の前ではそんなこと言えるわけもなかった。

 

 

 

 「はぁ・・・めんどくさいことに巻き込まれたな。一日で済むかと思ったのに・・・」←雪村

 「真さん、中に入ってもよろしいですか?」←桜子

 「なに?勝手に入ればいいじゃん」←雪村

 「では失礼します」とささっと入る桜子。

 

 「何をしてらっしゃるのですか?」←桜子

 「見ればわかるでしょ?荷物の整理だよ。そろそろ帰らないと」←雪村

 「えっ、もう少しゆっくりしていきましょうよ!せっかくいらっしゃったんですから観光でもしていかないんですか!?」←桜子

 

 「僕はそもそも観光するためにここに来たわけじゃないからね?目的もう忘れちゃったの?」←雪村

 「寂しいです。もっと真さんとの思い出を作りたいです!」←桜子

 大げさにまたしても服を掴んで揺さぶる桜子に「わかったから、引っ張るのやめて!服が伸びるから!?」と彼女を制止させる。

 

 「で、観光ってここなにがあるの?僕そういうのに詳しくないんだけど」←雪村

 「デパートとかいろいろありますよ?」←桜子

 「うん。それだけじゃわかんないから。それにスーパーなんて都会にはいくらでもあるよ」←雪村

 「そうなんですか?私、県外に一度も出たことがないので知りませんでした」←桜子

 「いや県外にいかなくてもデパートはあるし。っていうか、修学旅行とかって行ったことないの?そんなこと言うなら」←雪村

 

 「修学旅行?それはいったいなんですか?」←桜子

 マジだった。


 

 「修学旅行っていうのは、小学校六年と中学三年、高校二・三年の時に学校で行く旅行のことだよ」←雪村

 「そうなんですか!?すごいです。旅行費は学校側が出してくれるんですか!?」

 「いや、そんなわけないでしょ?日本そんなに景気よくないし」←雪村

 

 「一年生の時からこつこつ貯めていくんだよ。それで一人分の旅費が取れる」←雪村

 「なるほど。つまり貯金ですね」←桜子

 「ざっくり言えばそうだね」←雪村

 「質問です!」←桜子

 「はい。どうぞ」←雪村

 「旅行は何泊ですか?あと、場所って決められるんですか!?あと自由行動は「おちついて!」

 彼女が興奮気味だったので、僕は一度落ち着くようにと言うと大人しくなっ

 たので質問に答える。

 

 

 「学校によって何泊とかどこ行くのかは違うんだよ。僕は小学生の時、京都・奈良で1泊2日。中学の時は沖縄で2泊3日だったけど。僕の高校は三年で修学旅行行くんだけど、去年と今年とだと行き先違ってて・・・」←雪村

 

 「私、修学旅行で行きたい場所があります!」←桜子

 「へぇ~どこ行きたいの?」←雪村

 「イギリスです!」←桜子

 「悪いけど、うちの学校は基本的に国内だから諦めてください」←雪村

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