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魔法師Mの物語  作者:
第四章 雪村真と氷浦家
159/222

桜子と雪村

「今日は遅いから泊まっていきなさい。部屋を用意させておくから」←桜子の父親

 「あっ、はい。ありがとうございます」←雪村

 「桜子、後は頼んだぞ」←桜子の父親


 桜子にそう告げて、父親は出て行った。

「真さん、気分転換に家の中をご案内します。全部は無理だと思いますが」←桜子

 「あぁ・・うん。お願いします」←雪村


 というわけで。夕ご飯が出来る間の暇つぶしで氷浦家を探検することになった。

 「こちらの部屋は、応接室です。父の仕事関係の人やご友人と話す際に使われていて一日の約半分はここで作業して過ごすことが多いです」←桜子

 「(そんなに忙しそうには見えなかったけど・・・)」←雪村

 

 「こちらがお風呂になっています」←桜子

 「銭湯かよ!??」←雪村

 

 「こちらが私の部屋です」←桜子

 見たところ、「白」と「ピンク」のモノが多いという印象強い部屋。

 だが、布団派らしく押し入れのようなものがあるしベッドも置いていなかった。

 

 「せっかく真さんがいらっしゃるので、特別に私の宝物をお見せします!」←桜子

 「いや、いいよ。見せなくて」←雪村

 

  

 「こちらが厨房になります。あそこにいるのは家政婦さんです」←桜子

 「・・・邪魔しちゃ悪いよ」と桜子が家政婦に声を掛ける前に制止する。

 見た感じ忙しそうだし、手を止めさせたりしたらまずいと考えたからである。

 

 「そうですね。じゃあ、次の所へご案内します」←桜子

 

 数分後、夕ご飯が出来たと家政婦に呼ばれ僕と桜子、桜子の母親の三人で夕飯を食べた。


 父親はどうやら仕事でどこかでかけたらしい。

 

 食後の後・・・

 「真さん、お風呂の準備が出来たそうです。行きましょう」←桜子

 「えっ。さっき食べたばっかりだから動くと戻しそう」←雪村

 「大丈夫です。車いすをお持ちしますので」←桜子

 「一人で歩けます」←雪村


 桜子に案内してもらって、銭湯へ。

 すると彼女がとんでもないことを口にする。

 

 「では準備が出来たら教えてください」←桜子

 「はっ?なんの準備?」←雪村

 「なにって、一緒に入るんですから準備ができたら「ちょっと待て!」

 

 今、なんて言った?空耳??

 僕は彼女にもう一度聞くことにした。

 「今なんて言った?」

 「ですから、一緒に入る・・・「はぁ!?なんで一緒に入らなきゃいけないわけ!?あんた、それがどういう意味で言ってるのか分かってるの?!」

 僕は怒鳴った。けれど、彼女はそれを聞いてこう言った。


 「私、これでも両親と三人で一緒にお風呂入ってるんですよ?」←桜子

 「まじかよ・・・」←雪村

 「さぁ、真さん。早く着替えて着替えて」←桜子

 

 誰か助けてくれ――――――――――!!!!!!!


※家の風呂のため、一緒に入ろうが本人達が了承を得ているのなら問題はない。

 

 

 「あぁ~疲れた」←雪村

 タオル巻いているから問題はないとしても、さすがに同い年の異性と一緒に風呂に入るというのは抵抗があった。あのだだっ広い銭湯に二人だけだったため、

 距離を取っていたものの、彼女は僕の気持ちも知らずに「お背中流しましょうか?」と近づいてくるからゆっくり自分の身体も洗えなかった。


 「真さん、そろそろ就寝時間です」←桜子

 「えぇ~まだ夜の10時じゃん」←雪村

 「だめです。夜更かしはお肌の敵です!」←桜子

 「それは女子だったらの話でしょ?僕は男だからいいの」←雪村

 「だめです。ちゃんと寝ないと、私ここから離れません!」←桜子

 しつこい奴だな。めんどくせぇ。


 「桜子、自分の部屋に戻りなさい。真さん困ってるでしょ」←桜子の母

 「お母様。違うんです!真さんが「おやすみなさい~」←雪村

 「あぁ~ずるいです!?」←桜子

 「桜子。貴方も部屋に戻って寝なさい」←桜子の母

 「あっ・・はい」←桜子

 

 桜子の母はにやにやしながら廊下を歩いて行った。

それからしばらくして「真さん、ずるいです!」と桜子が布団の上から叩いて来た。

 「いたいたいって、もう寝るから部屋戻れって」←雪村

 「嫌です。謝ってくれるまでお部屋に戻りません」←桜子

 「わかった。ごめん、ごめんってば」←雪村

 

 「はぁ・・はぁ・・・はぁ・・・おやすみなさい」←桜子

 「おやすみ」←雪村

 

 こうして、騒がしい一日目が終わった。

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