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魔法師Mの物語  作者:
第四章 雪村真と氷浦家
156/222

氷浦桜子

その後、僕と彼女は二人きりにさせられた。

 僕は帰るつもりだったが、彼女が僕と二人きりで話したいと言い出したからである。

 

 3人が出て行ったあと・・・

 「で、僕と二人きりになってどうするつもり?」←雪村


 こんなことする奴だ。大人しくて弱々しい姿をさらしてはいるが、中身は絶対ひねくれていたに違いない。僕はそう思っていた。


 「どうするもなにも・・・うふふっ。面白い質問をしますね?」←桜子

 なんか知らないけれど、変な人だと思われている気がした。


「あんたふざけてんの?とてもじゃないけど、氷浦家の御息女とはとても思えないけど」

「はい、よく言われます」←桜子


 彼女は笑顔で答える。それを聞いてどっと疲れが出てきた。

 こいつ、やりにくい・・・、と。


「改めて自己紹介をさせていただきます。私、氷浦桜子と申します」←桜子

「知ってる。さっき聞いたから」←雪村

「はい。次は雪村さんの番ですよ」←桜子

「って聞けよ!自己紹介しなくても僕の名前とっくに知ってるんでしょ?」←雪村

「ダメです!ちゃんと自己紹介してください!」←桜子

 

 氷浦のお嬢様は僕の服を引っ張ってくるため「あぁ・・分かったから、分かったから離せって」と彼女にいうとパッとすぐ手を離してくれた。

 

「・・・雪村真です。これでいいでしょ?」←雪村

「はい。よくできました」←桜子

 ぱちぱちぱち~と笑顔で叩くそのしぐさに「絶対バカにしてるよね?」と拳を強く握りしめるがさすがにまずいと思ってするのをあきらめた。


 「ところで真さん」←桜子

 「真さん言うな」←雪村

 「じゃあ、まー君」←桜子

 「野球選手かよ」←雪村

 「じゃあ・・・まこっちゃん」←桜子

 「分かってると思うけど、僕は男だからね?ちゃん付けしないで」←雪村

 

 「じゃあ、やっぱり真さんですね。決まりです」←桜子

 「勝手にしろ。突っ込むの疲れた・・・」←雪村

 「私のことは、桜子と呼んでください」←桜子

 「嫌だ」←雪村

 「どうしてですか?ご友人に同じ名前の方がいるとかですか?」←桜子

 「いや違う。単純にあんたと仲良くなりたくないから馴れ馴れしい呼び方したくないだけだよ」←雪村


 こいつは祖父が魔法師嫌いになった原因の氷浦家の人間だ。

 それにこいつも・・・あいつらと一緒。


 「氷浦って苗字、好きじゃないんです」←桜子

 「はっ?なんで?」←雪村

 「ご存じかもしれませんが、氷浦は氷魔法で有名な魔法師一族です。そのため周りは氷浦と聞くだけで近寄りがたい・雪女のように容赦なく心臓を凍らせる等と言われ恐れられるんです。だから、私はこの苗字が大嫌いなんです」←桜子


「・・・わかったよ。呼べばいいんでしょ」←雪村

 すると桜子は先程の暗い顔が嘘かのように明るい笑顔を取り戻して「ありがとうござい ます!」と礼を言った。


「では真さん。早速ですが、氷浦家を私の代わりに継いで「断る」

「えぇ!?そんな、困ります!跡継ぎがいないと氷浦はおしまいです!助けてください」

「断る。氷浦はあのじいさんを捨てた家だ。そのせいで・・・僕の母さんはあいつらに嫌われて」←雪村


「それでも私は貴方に氷浦を継いでほしいんです!私ができることならなんでもやります。だからお願いです。氷浦の跡を継いでください!」と僕の目の前で土下座する桜子を見て・・・・


 「どうしてそこまでするの?僕じゃなくても、遠縁をあたればいくらでもいるでしょ?」←雪村


 それを聞いた桜子は静かに立ち上がり僕の顔を真っ直ぐに向けて口を開いた。


「いいえ。氷浦家の遠縁は『雪村』『雪羅せつら』『白雪』の三家があります。しかし父が調べた結果、魔法力が私と同じランク・レベルをクリアしたのは真さん、貴方だけなんです。だから貴方以外に、私の変わりは務まりません」←桜子

 「一つ聞いてもいい?」←雪村


「交通事故だなんて、嘘だよね?魔法師一族の正統後継者のあんたに誰も着いてないってのは考えられない。一人ぐらいボディーガードが付いててもおかしくないはずだ。それに魔法師なら交通事故ぐらい防げるはず。僕と同じ魔法が使えるなら尚更だ。いったい何があって、魔法力を失ったの?」←雪村

 

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