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魔法師Mの物語  作者:
第四章 雪村真と氷浦家
154/222

雪村は今頃・・・

海の家での修行は終わり、研究所に戻ってきた力輝。

 あの日以来、雪村とは気まずくなっており、数日経っても彼と研究所で会うことはなかった。

 

 時間はあっという間に過ぎ、夏休みのも残り半分となった。

 

 いてもいなくても気にしていないが、力輝はどことなく寂しいという気持ちでもあった。

 だけど自分から寂しくて会いに来たなどと言えるはずもない。

 

 しかし・・・こうしている間にも彼はどこでなにをしているのだろう?と思う力輝に誰かが部屋を訪れてきた。


 工藤さんや雪村ならノックもせずに堂々と中へと入るが、どうやらこの二人ではないらしく扉をコンコンとノックの音が聞えた。


 「はい」と力輝は慌てて扉を開けると、そこには橋屋さんがいた。


 「おはよう」←橋屋

 「おはようございます。どうしたんですか?」←力輝

 「いや・・・雪村に頼まれて」←橋屋


 事情を詳しく聞くと、「しばらく研究所に来れないので変わりに彼女の様子を見てもらえませんか?」ということらしい。

 

 「工藤さんは仕事で忙しいし、夜見と田原は心配だから・・・って」←橋屋

 「なるほど。そうでしたか」←力輝

 


 事情は分かったところでとりあえず橋屋さんを部屋の中へと入れた。

 だが、さきほどの雪村の話には続きがあった。


 

 「記憶がないからって堂々と彼女を襲おうとか考えたりしないでくださいね?」とも言われていたのだ。だがあれは完全な事故だと分かってはいるものの、雪村にとっては最悪な場面を見せつけられたという印象が大きい。そのためあえて橋屋に釘をさしたのであった。


 「最近、身体の調子はどう?」←橋屋

 まず聞くのは力輝の体調確認。雪村が気にしていたことの一つだ。


 「はい。大丈夫ですよ?」←力輝

 「そっか。よかった。ところで今日はずっとここにいるの?」←橋屋

 「訓練がお休みなので今日は一日ここにいようかと。美咲さんから借りてるDVDがたまってるので。橋屋さんは?」←力輝


 「俺は午後から田原と仕事があるから。あと夜見の魔法装備のメンテと」←橋屋

 「夜見さん、研究所にいるんですか?」←力輝

 「うん。今は会議室で夏休みの宿題に終われてるよ。なんなら行く?」←橋屋

 「あっ、いえ。邪魔になるだろうし」←力輝

 「大丈夫だよ。どの道昼飯だぞって呼びに行かなきゃいけないし、それなら邪魔にはならないよ」←橋屋

 「そうですね・・・それなら、行きます」←力輝


 

 そしてお昼がやって来た。

 ガチャ

 「夜見、飯・・っ!?」←橋屋

 部屋の中にいた夜見さんはぐったりしていた。


 「おい、大丈夫か!?」←橋屋

 すぐさま橋屋さんが駆け寄って揺さぶる。が・・・しかし、すぐさま寝息が聞こえてきた。


 「Zzzz~」←夜見

 「・・・おいこら、起きろ!」←橋屋


 怒った橋屋さんは夜見さんの顔をビシバシバシバシ!と叩いた。


 「いてぇよ・・・恭也」←夜見

 「なに呑気に寝てやがる!宿題全然進んでねぇじゃんか!?」←橋屋

 

 と、まぁ・・・とりあえずお昼ご飯を食べに食堂へ。


 「あっ、工藤さん」←影富

 すると力輝を見つけて駆け寄る影富先輩。


 「こんにちは、影富先輩」←力輝

 「夜見君、橋屋君もこんにちは」←影富

 「あっ、あぁ・・」←橋屋

 「ちわ~っす」←夜見

 

 「今日も雪村君いないんだね?」←影富

 「しばらく研究所に来れないそうですよ?残念ですね」←力輝

 「ありがとう。でも大丈夫~僕には工藤棗さんがいるから」←影富


 3人一同は固まった。


 「それに数日前に雪村君に会いたくて朝早く張り込んで会ってきたから」←影富

 「(完璧にストーカーだ。っていうか会ったなら会ったって早く言えよ!?)」←力輝

 「雪村君、なんか家の人に呼び出されたらしいよ?」←影富


 それを聞いて力輝は驚いた。

 思い出す、海の家で工藤さんが話していた彼の家のことを・・・・。


 「先輩、詳しく教えてください」←力輝

 「えっ、うん?」←影富


 影富先輩の話によると・・・・数日前

 午前6時に家を出る雪村を発見し、影富先輩はすぐさま彼の元へと走り出すが、すかさず止められてしまったらしい。


「先輩、家の前で張るのやめてもらえませんか?通報されますよ?」←雪村

 相変わらずの毒舌で話していた雪村に「それよりどこへ行くの?」と影富先輩が聞くとしばらく黙りこんだあとに「家に呼び出されたんで、これから祖父の家に行くんです」と嫌々ながらに言ったという。


 言い忘れていたが、影富先輩が雪村に行き先を聞いたのは一日出かけるにしては荷物が多く、まるで旅行に行くような感じだったため疑問に思ったんだとか。


 

 「その時はすぐに戻ってくるだろうと思ってたんだけど、ここ最近見ないしと思って心配してたんだよ」←影富

 「なるほど。だからしばらく研究所には来れないと言ったのか・・・」←橋屋

 

 恐らく長引くと判断した上で、俺に様子見を頼んだというわけか。と橋屋さんは思った。

 力輝はというとどうして彼が家に呼ばれたのかが気になって仕方がなかった。


 そしてなんの事情も知らない夜見だけが、「(さっぱりわからない)」と三人をひょろひょろとみるしかなかったのであった。


 

 

 4人が食堂で話をしている頃、雪村はどうしているかというと・・・・・・


 

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