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魔法師Mの物語  作者:
第四章 雪村真と氷浦家
152/222

雪村真の過去

 語り手:雪村真


 

 これは僕の母、雪村雅美ゆきむらまさみが中学三年の頃に話してくれたことである。

  

 父親は僕が物心つくころにはおらず、母は近くに住む兄の助けを借りながら僕を育ててくれたという。いわゆるシングルマザーというものだ。


 母方の祖父、雪村京三郎ゆきむらきょうざぶろうは魔法師の血を引く魔法素質を持っていない人間だった。そのため氷浦家にいらない子扱いされ施設に預けられた。

 そのことを恨んで、祖父は魔法師嫌いになったという。


 だから・・・僕が生まれてすぐ、祖父は僕を殺そうとした。

 看護師と先生がなんとか止めてくれたけど、その場で「お前はうちの娘じゃない」と言われてしまったと、ものすごい大声で叫んだという。


 娘が魔法素質のある子どもを産んだだけでそんなこと言うのか・・・・

 僕はとてもじゃないけれど信じられなかった。

 

  

 「真、おじさんとは仲良くしてる?」←母

 「してるよ。何回聞いてるの?」←雪村

 「あなたの事が心配なのよ。おじさんとうまく行ってなかったら」←母

 「大丈夫だよ。それより自分の心配したらどう?」←雪村

 「・・・そうね。ありがとう」←母


 だけど、高校一年の春。母がこの世を去った。


 「真、今大丈夫か?」←おじ

 「うん」←雪村

 すると、伯父が一人の女性を連れてきた。


 「お前のお祖母様だ」←おじ

 「大きくなったわね。目元あたりがお母さんにそっくり」←祖母

 「どうも、雪村真です」←雪村

 初対面のため、祖母とは思えず他人行儀になってしまっていた。

  


 「真、お祖父様なんだが・・・「来ないんでしょ?僕に会いたくないから」 

 「ごめんなさい。本当なら私が説得させる立場なのに・・・あの人、聞く耳もたなくて」

 祖母は泣きだしていた。先ほど見た様子だと足を悪くしているらしく、後ろに付き人が様子を見ていた。今は伯父が支えているから身を引いたのだと思われる。

  

 「母さん、それなら僕も同じだよ」←おじ

 「・・・・」←雪村

  

 二人の会話を聞いていると、まるで自分が悪者みたいに思えてきた。

 僕は被害者なはずなのに・・・。

  

  

 僕は母の死後からしばらくして、研究員募集というチラシを見て研究所の研究員になり、現在に至る。


  

 力輝が天龍寺家の子孫と言う話を聞いて正直驚いた。

 魔法師一族が彼女の血を狙っている・・・彼女の身体に流れるかつて魔法師一族であった天龍寺の血を。

  

  魔法師一族は勝手すぎる。

  あいつらの好き勝手には・・・絶対させない。

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