表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法師Mの物語  作者:
第四章 雪村真と氷浦家
145/222

水着選びは本人よりも周りが真剣

2日後、美咲さん達と待ち合わせているリオンへと向かった。

 というのも退院する3日ぐらい前、水着を持っていないことに気が付いたのである。


 「水着ってなに?」←力輝

 「辞書引いて調べろ」←雪村

 

 というわけで、美咲さんにお願いして水着を買いに行くことになったのですが・・・・


 「雪村君!」←影富

 どういうわけか影富先輩と月ノ宮が着いてきていたのです。


 「田原さんに話を聞いてたら僕の海行きたくなっちゃってね」←影富

 「一人で行って来ればいいじゃないですか?それに先輩、受験の方は大丈夫なんですか?」←雪村

 「大丈夫だよ~これでも僕、特進だからね。なんとかなるって」←影富

 「・・・・」←雪村


 「あの二人ほっといて水着見にいこっか?」←美咲

 「そうですね。時間かかりそうですし」←力輝


 

 リオンの二階にはたくさんの水着が並べられていた。

 「うわぁ~いっぱいありますね!」←力輝

 「いいの見つけたら、あそこの試着室に入って一度着てみて」←美咲

 なにか分からないことがあったら聞いてね。と美咲さんも水着選びへ。

 

 「ん~どうしよう。どんなのがいいかな・・・」←力輝

 

 「雪村君、これとか似合うと思うよ?」←影富

 「なんですか、それ?派手じゃないですか?」←雪村

 「絶対似合うよ」←影富

 

 雪村達もやってきて、水着を選んでいる。

 というか・・・影富先輩が雪村を使ってファッションショーをしているように見える。月ノ宮は影富先輩の味方だから「兄さん。これとかどう?」とサポートしているし。

 

 「自分で選びますって。月ノ宮、僕より兄貴の水着選んでやれよ!」←雪村

 遊ばれてるなぁ~雪村。と思っていたら「力輝」と声を掛けられる。


 「あっ、工藤さん。どうしてここに?」

 「田原からお前達と水着を買いにリオンに行くと聞いていたからな。仕事が速く終わったから、様子を見に来たんだ」←工藤

 「俺達もいるよ~」←夜見

 

 後ろに、夜見さんと橋屋さんの姿もあった。

 

 「力輝、田原と一緒じゃないのか?」←工藤

 「美咲さんはあっちにいます。いいのがあったら試着室で一度来て見てって言われて」

 

 美咲さんは、遠い場所でビキニの赤かピンクかどっちを選ぼうかで悩んでいた。

 

 「あのバカ・・・なにやってるんだか。ちょっと行ってくるから、力輝を頼んだぞ」←工藤

 「了解っす」←夜見

 

 工藤さんは美咲さんの所へと向かった。

 

 「それで、どんな水着をご所望ですか?お客様」←夜見

 「お前は店員か」←橋屋

 「えっと、どんなのがいいのかまったく・・・」←力輝

 

 むしろ男子に聞くのもどうかと思うが、力輝は水着を着たこともないのでどれがいいのかなど分からなかった。


 

 「好きな色とかないの?」←夜見

 「・・・赤とか」←力輝

 「ふむふむ。恭也、赤か、赤に近い色の水着持ってきて」←夜見

 「あぁ・・・わかった」←橋屋

 

 数分後

 「こんなもんか?」←橋屋

 「サンキュー。じゃあ力輝ちゃん、鏡の前に立って」←夜見

 「あっ、はい」←力輝

 

 夜見さんの言われた通りに鏡の前に立った。そして夜見さんは適当に選んだ水着を力輝の身体に合わせるようにして「う~ん~」と言いながら「恭也、違うのちょーだい」

 と橋屋さんに指示をする。


 橋屋さんは「(なんかアシスタントみたいだな)」と思いつつも夜見さんの言うことを聞く。

 

 「う~ん~俺は、これとこれが力輝ちゃんに似合うと思う」←夜見

 選んでもらったのはピンクで胸元部分に可愛いリボンのついたビキニ。

 もう一つは赤のチャック柄の下がスカート状の水着である。


 「恭也、お前はどっちがいい?」←夜見

 「えっ?・・・・・そうだな。俺は・・・・ピンクかな」←橋屋

 「だってさ。せっかくだから二着とも試着してみ?それで力輝ちゃんが好きな方を決めたらいいよ。今試着室空いてるっぽいし、行ってきなよ」←夜見

 「はい。じゃあ行ってきます」←力輝


 数分後

 

 「あれ、夜見先輩達いつの間に来てたんですか?」←雪村

 「ついさっきだよ」←橋屋

 「力輝ちゃんの水着選びを手伝ってたんだ」←夜見

 「えっ。二人があいつの水着選びを?」←雪村

 「心配するな。そんなに派手な水着じゃなかったよ」←橋屋

 「それであいつはどこに?」←雪村

 

 すると試着室からタイミングよく出てきた力輝。

 「なにか用ですか?」←力輝

 

 ピンクのビキニを試着して雪村に自分になにか用なのかを聞いてくる力輝。

 夜見さん以外(つまり橋屋・雪村)はしばらく硬直していた。


 「似合ってる似合ってる!可愛いよ」←夜見

 「あっ、ありがとうございます。赤いのも試着しますね」と力輝はカーテンを閉めた。

 

 「どうしたんだ?」と工藤さんが様子を見に戻ってきた。

 そしてすぐにカーテンが開けられる。

 

 「夜見さん、赤いのも着てみました。あっ、工藤さんおかえりなさい」←力輝

 試着室から赤い水着を着て出てきた力輝に思わず工藤さんも瞬時硬直しかけた。

 だが冷静になって「あっ、あぁ」と返事をする。


 「夜見さんが選んでくれたんですけど、どうですか?」←力輝

 「どっ、どうと言われても」←工藤

 「似合いませんか?」←力輝

 「いやっ、似合ってる。似合ってるけど・・・力輝、派手すぎないか?」←工藤

 「そうですか?私、赤色が好きで夜見さんに選んでもらったんですけど」←力輝

 「夜見?」←工藤

 ギロッ

 

 「じゃあ、ちょっと待ってください」←力輝

 そう言ってカーテンを閉め、しばらくしたあとにまたカーテンを開け先ほどのピンクビキニを試着して見せる。


 「これはどうですか?」←力輝

 「っ!?」←工藤

 

 「これここのリボンが大きくてとても可愛いんですけど、工藤さんどうですか?」←力輝

 「それも・・・夜見が選んだのか?」←工藤

 「はい。そうですけど・・・」←力輝

 「夜見、ちょっと来い」←工藤

 「えっ、工藤さんっ。待って、話聞いて「黙ってついてこい」

 「ぎゃあああ―――!!!!!」←夜見

 

 夜見さんは工藤さんに引っ張られてどこかへと連れて行かれてしまった。

 

 「あんたが気に入ったんならそれでいいと思うよ。どれ選ぶか知らないけどさ」←雪村

 「うん。じゃあ・・・二着買う」←力輝

 「決まったの?じゃあせっかく水着試着してるついでにこれ着てみてよ」←雪村

 「えっ、あぁ・・・はい。これは?」←力輝

 

 「スクール水着だよ」←雪村


 

 その頃、どこかわからない場所で工藤さんは夜見さんの説教をしていた。


 「あんな水着着たら、どこの誰かも分からん馬の骨共の目につけられるだろ!

 何考えてるんだ、お前はっ!」←工藤

 「工藤さん、許してください(泣)」←夜見

 「だいたいあんな胸の開いた水着なんていったい誰が考えたんだ!?」←工藤

 「それ俺にもわかんないっすから!っていうかそれ俺関係ないですよ!?」←夜見

 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ