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魔法師Mの物語  作者:
第三章 記憶回復とレッドアイの暴走
142/222

奇跡はそんな簡単に起こらない

 それから一週間後


 

 「力輝、調子はどうだ?どこか痛いところはないか?」

 「大丈夫です」

 

 死んだと思われた力輝は奇跡的に命をとりとめた。

 いや、よみがえったというべきか・・・・。殴り飛ばされた際の傷のみが残り、片目もやられていたが、視力は失うことはないという。


 これもレッドアイによるものなのかと工藤さんは思う。

 

 「そうか。良かった」

 「あの・・・雪村は」

 「あいつなら研究所だ。さすがに今回は大目玉をくらっているよ」

 「・・・そうですか」

 「あまり自分を責めるなよ?俺はお前と雪村が悪いとは思っていない」

 「・・・」

 「お前はけがを治すことだけを考えていろ。大丈夫だ」

 「・・・はい」


 

 ~夕方~

 コンコン!


 「・・・どうぞ」

 するとそこには雪村の姿が。


 「やぁ。一週間ぶりだね」←雪村

 「・・・どうも」←力輝

 

 あの日以来、雪村と力輝は会っていなかった。なのでどう言葉を返せばいいかわからなかった。

 

 

 「しばらく魔法使用を禁止だってさ。またこれつけることになるなんて・・・」←雪村

 「・・・・はい」←力輝

 「なに暗い顔してんのさ。僕がやらかしたことなんだから」←雪村

 「でも。関係ないってわけじゃないですよね?」←力輝

 「・・だいぶ良くなってきてるんでしょ?いつ退院とか決まってるの?」←雪村

 「えっと・・・明日でる検査結果次第で決めるって。それでよかったら通院で様子見る

 から一週間後には退院できるよって」←力輝

 「そっか。よかったね」←雪村

 「はい」←力輝

 「・・・・ねぇ。一つ聞いてもいい?」←雪村

 「なに?」←力輝

 「狸寝入りしてたわけじゃないんだよね?」←雪村

 「えっ?」←力輝

 「・・・いや。なんでもない」←雪村


 それを聞いた力輝は・・・

 「正直、覚えてないんです。・・・木野原さんの言葉に頭に来て思わず大声で怒鳴ったあたりから・・・覚えてないんです。それから、雪村が危ないと思ったら思わず身体が勝手に動いて・・・記憶、とぎれとぎれで」←力輝

 「・・・そう。じゃあ、僕帰るね」←雪村

 「あっ、はい。ありがとうございます」←力輝

 

 

 力輝の病室を出た後、雪村は少しほっとしていた。

 もしあれが本当に狸寝入りだったらどれだけ恥ずかしいことか・・。

 とにかく彼女が覚えていないということが聞けて良かったと思う雪村であった。


 

 翌日

 力輝の病室に影富先輩と月ノ宮がお見舞いに来てくれていた。

 

 「雪村君、工藤さんこんにちは」←影富

 「お体の方は大丈夫ですか?」←月ノ宮

 「大丈夫。ありがとう」←力輝

 

 「工藤さんのお見舞いにお花持ってきたんだ~」←影富

 「それはいいですけど、なんで僕に渡すんですか?あと彼女にそれ言ってください」

 「工藤さんは病人なんだし、雪村君がお世話してるんなら君に渡した方が良いと思って」←影富

 「僕はこいつの保護者じゃないし。それに先輩、僕に構いたいだけでしょ」←雪村

 「あちゃあ~ばれたか」←影富

 「ばればれですよ。ばれない方がおかしいでしょ」←雪村

 

 「すみません。にぎやかで」←月ノ宮

 「いえ。二人で来たの?」←力輝

 「ここで待ち合わせして一緒に行こうってことになったんです」←月ノ宮

 「そうなんだ」←力輝


 「花瓶借りてくる」←雪村

 「あっ、僕もついていくよ」←影富

 「着いてこなくていいです。一人で行けますから」←雪村

 「いいじゃない。一緒に行こうよ~」←影富

 「兄さん。雪村さんを困らせちゃだめだよ」←月ノ宮

 「弟に怒られましたよ?先輩」←雪村

 「じゃあ、幸樹も一緒に行こう」←影富

 「だから一人で行きますって。しつこいな」←雪村

 

 結局、3人で行くことになりました。


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