木野原に怒りを覚えた力輝
「お前のような一般魔法師が口を出す立場ではない。これは魔法師一族としての
戦いなのだ」←木野原
木野原のその発言に雪村と力輝はカチンと来た。
雪村は木野原に手加減する余地はないと判断し、氷魔法を発動させようとした。
ところが、バチン!と先に手を出したのは力輝の方であった。
「なっ!?なにをする!?」←木野原
「なにをする・・・じゃないわよ!この金持ち魔法師野郎がぁ!!」←力輝
突然の発言に木野原・雪村は驚きを隠せなかった。
「なっ、なんだと・・・」←木野原
「何が、『魔法師が口を出す立場ではない』だ!何が、『これは魔法師一族としての戦いなのだ』だ!これは私達一般魔法師に対する侮辱よ!」
女性にビンタされ、お説教されるというのは木野原は生まれてから一度も経験したことがない。あるといえばせいぜいあの父親ぐらいのようなものだ。
それなのにどうして反撃しないのかというと、それは・・・彼女から目をそらすことを恐れていたからだ。先程の彼女の目が、今は・・・真っ赤に染まっていたからだ。
「あっ、先輩・・・って、どうしたんっすか?」←有栖川
木野原を探しにやってきた有栖川はなんだか気まずい状況に入ってきてしまった。
しかし、彼だけではない。
雪村を心配してやってきた影富先輩と月ノ宮もやってきたのだ。
「雪村君、心配で来ちゃったよ~」
「・・・ってこれはいったい?」←月ノ宮
そして神明兄弟までもが現れる。
「おや、皆さんお揃いですね?」←清一
「どうかしたんですか?」←友秀
すると力輝は・・・
「お前達がどれだけ有能な魔法師かは知らないが・・・私達一般魔法師を見下し侮辱する発言をすることはやめてもらおう。もし、お前たち魔法師一族が少しでも一般魔法師を見下すような行為をするのであれば・・・私はお前達を許さない。いや・・・お前達の
原点となった魔法師一族すべてを滅ぼすだろう」←力輝
「っ!??」
ここにいる全員が驚いた。恐怖を感じた。
全員に向け告げた彼女の言葉はとても他人事では済まされないものだった。
まるで人が変わったかのように・・・・雪村と影富先輩はそう感じ取っていた。
「まっ・・まぁまぁ。落ち着いてくださいよ。先輩がなにを言ったかは知りませんけど、先輩も悪気があって言ったわけじゃ・・・」
ギロッ!ガシッ!
「ひぃっ!?」←有栖川
「悪気がないだと?・・・お前もあの男の手下だ。心の中では我々を見下しているに違いない?そうなんだろ?」←力輝
「いやっ・・・ちがうっ・・うぐっ」←有栖川
「やめろ!有栖川を離せっ!」←木野原
首を絞めている力輝の手を離そうとする木野原だが、どういうわけか男性の力でも力輝の手を離すことができない。
「私が離せと言ったのにお前は離してもくれなかったじゃないか?」←力輝
力輝は有栖川に掴んでいる首をぱっと離した。
「ぐはっ・・げほっげほっ・・・」←有栖川
有栖川が解放され、木野原に目を向ける力輝。
「お前は本当に自分の目的のことしか考えていないんだな?分かるぞ?お前が考えていることは・・・父親の手の中から逃げ出したい。一族としての務めを果たすことができれば俺は自由になれる・・・女なんて、優しくすればちょろいものだ。本当にお前の脳内は腐っているな~」←力輝
「でたらめなことをいうな!」←木野原
「そうか?私が嘘をついているというんだな?いいだろう・・・」←力輝
ガシッ!!
「うぐっ!」←木野原
「お前が本当のことを言うまで・・・私はこの手を離さないぞ?いいんだな?」←力輝
「やっ・・やめろ・・・ぐっ・・・・それ以上・・・・すれば・・」←木野原
「容赦はしない・・・とでもいいたいのか?言っただろ?一般魔法師を侮辱するなと・・・お前は自分の首を自分で締めているのだ」←力輝
「ぐっ・・・」←木野原
「先輩を離せ!」←有栖川
有栖川の水魔法が発動。しかし、それを察知した力輝はレッドアイを発動させ瞬間移動し、有栖川の目の前に現れる。
「なっ!?」
有栖川は力輝に平手打ちを受け、気絶した。
「月ノ宮、影富先輩と一緒に外に出て。ここいたら巻き添えを食う」←雪村
「はいっ!兄さん、行こう!」←月ノ宮
「えっ、そんな!?雪村君も一緒に」←影富
「僕は力輝の護衛任務を放棄するわけにはいきません。それにこれは僕の監督責任でもある」←雪村
「そんな!雪村君は悪くないよ!誰も君を責めたりなんか」←影富
「それでも、僕は彼女を止める。いや、止めなきゃいけないんだ。月ノ宮、先輩を頼む」←雪村
「はい!」←月ノ宮
「雪村くーん!!!!!!!!!!」←影富




