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魔法師Mの物語  作者:
第三章 記憶回復とレッドアイの暴走
134/222

実の兄弟

「影富は月ノ宮は遠い親戚関係で、月ノ宮家は影武者、幻影魔法等を得意とする魔法師一族なんだ。小学生の頃、月ノ宮には当時務めていた当主の息子夫婦がいたんだけど奥さんが子供を産めないということで親戚中から魔法素質のある子供を探した結果、当時低学年だった幸樹が月ノ宮に養子として引き取られたんだ」←影富

 

 「それから僕達は離れ離れになった。親に会わせてほしいって頼んでも断られるばかりでそれなら手紙を出したいから住所を教えてほしいといっても全然だめだった。それ以来、僕は両親と口を利かなくなった。父親が転勤になったのを気に、母親は父親に着いていく形で僕を置いて家を出て行ったんだ」←影富

 

 「影富先輩・・・」←力輝

 「・・・」←雪村


 「月ノ宮に引き取られた僕は、今までの生活から一変して厳しい魔法教育を受けた。義父と義母はとても優しかったけれど、当主はあまやかすなといつも僕を竹刀で叩いていた。今にも忘れない・・月ノ宮家、期待のご子息とか言われているけど、本当のところあの人は僕のことなんてどうでもいいと思っているんだ。月ノ宮の血を子孫を絶やさないためにわざわざ親戚中を調べつくしたりして・・アメリカ留学だってあの人が勝手に決めて僕の意思なんか聞かずに・・・本当に、無茶苦茶だよ」←月ノ宮


 なんだが愚痴を聞かされているみたいだと二人は思ったが、事情は事情とはいえ兄弟を引き離し、連絡すらも許されないという悲劇に、彼らに同情するしかないとも感じて二人は黙って話を聞くことにした。


 「そして今回の件だってそうだった。日本に帰国して研究所の見学。そして、研究員である工藤力輝と名乗る16歳少女と接触してこいという連絡が入ったときにはふざんけんなって思ったよ」←月ノ宮


 「えっと・・・ごめんなさい」←力輝

 「謝らなくていいです。僕はあのくそ当主に腹を立てているだけですから」←月ノ宮

 「あっ、はい・・」←力輝

 「(キャラが壊れたな)」←雪村


 「それって拒否ることできないの?急に言われても無理ですって」←雪村

 「できたら苦労しませんよ!僕だって好きで日本に戻ってきたわけでもない、アメリカだって本当は行きたくもなかった。なのにこれは決定事項だとかいいやがって・・・断ることができたならどんなに良かったか・・」←月ノ宮

 

 「(あぁ~泣き出した)」←雪村

 「落ち着いてください。月ノ宮さん。これ遣ってください」と力輝がハンカチを差し出す。


 「ありがとうございます」←月ノ宮

 「それで、力輝と接触して当主様はどうするおつもりなの?聞いてるんでしょ?」

 「それが、僕にもわからないんです。接触しろと言われてあとは報告次第支持を出すということだったので」←月ノ宮

 「なにそれ~わけわかんないよ~」←雪村

 「僕・・・あの頃に戻りたい。小さい頃だったからあんまり覚えてないけど、僕は兄さんと一緒に過ごしたあの頃に戻りたい」←月ノ宮

 「幸樹・・・僕だって、戻りたいよ。もっと早く気づいていれば、父さん達を止められたかもしれないし。僕が魔法の素質があれば・・・」←影富

 

 「うわぁ~兄貴まで泣き出した」←雪村

 「涙もろいんですね」←力輝

 

 

 影富岬と月ノ宮幸樹が実の兄弟ということが判明した。

 最初見た目から信じられなかった二人だが、話を聞くに連れて性格はそうでもないがある程度似ている部分があることが分かり、これが兄弟なんだと実感した二人であった。


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