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魔法師Mの物語  作者:
第三章 記憶回復とレッドアイの暴走
131/222

接触は出来たけれど、怖がられてしまった木野原崇司

木野原と食堂で偶然にも遭遇してしまった力輝。

雪村の後ろに隠れて彼をのぞき込む様子を見て木野原は正直困っていた。


「(まさかここまでとは思わなかった。有栖川の真似をしてみたが、やはり逆効果だったみたいだな。さて、この状況をどうするか・・・)」←木野原

「先輩、何してるんですか?」←有栖川

「有栖川、ちょうど良かった」←木野原

なんといういいタイミングで有栖川がやってきた。


「工藤さん、紹介します。こちらは有栖川。私の可愛い後輩です」←木野原

「はっ、はぁ・・・」←力輝

「先輩、なんか恥ずかしいっすよ〜」←有栖川


だが、本気にはしていなかった。木野原が猫かぶりをしていたことで彼に合わせたのだ。

だが、こんなことは誰にでもできるものだ。


「よろしければ昼食をご一緒させてもよろしいでしょうか?ぜひ貴方とお話がしたい」←木野原

「・・・申し訳ありませんが、私は彼と昼食を食べる約束をしているんです。誠に勝手だとは思いますが・・・私は」←力輝

「先輩、なんかしたんすか?すごく怯えてますよ?」←有栖川

様子を見ていた有栖川が木野原に質問をする。


木野原は小さな声で有栖川に言う。

「お前の真似事をしたら、彼の後ろに隠れて警戒されてしまった。慣れないことをするのはダメだな」←木野原

「なんかそれひどくないっすか?それよりどうするんです?見事に振られちゃいましたけど」←有栖川

「有栖川、お前がなんとかしろ」←木野原

「はっ?俺がっすか?無理に決まってるでしょ」←有栖川

「頼む。俺にはお前しかいない」←木野原

「もうこういう時だけ・・・」←有栖川


「あの、もういいですか?僕達別のところで食べるんで」←雪村

「あー待って待って!」←有栖川

「彼女は嫌がってるんです。これ以上誘うなら・・・上層部に訴えますよ?いくら客人でも」←雪村

雪村の目はまるでゴミを見るかのような偏見の目をしていた。


「先輩、無理ですよ。諦めましょう」←有栖川

「・・・」←木野原


「力輝どうしたんだ?」←工藤

「工藤さん・・・」←力輝

「先程はどうも」←木野原

「これはどういうことですか?木野原さん」←工藤

「彼女と一緒に食事をしようとお誘いしようとしたんですが、怖がられてしまいまして」←木野原


「そうですか。・・・力輝、大丈夫か?」←工藤

「・・・工藤さん、ごめんなさい。私、あの人が・・・あの人が怖いんです」←力輝

怯えながら小さく震えた声で工藤さんに伝える力輝に彼は「わかった。大丈夫だ」と雪村にしがみついたままの彼女の頭を優しくなでる。

「木野原さん、有り難いお誘いですが、見ての通り彼女はひどく混乱しています。お誘いはまた別の機会ということではダメでしょうか?」←工藤


それを聞いた木野原は

「いえ。こちらこそ急にお誘いしたこと謝罪致します。突然知らない男に声をかけられたら誰でも動揺するものです。彼女にひどい思いをさせたこと、本当に申し訳ありません。しかし、彼女と話せる機会を私は望んでいますので、力輝さんにはまた改めてお話する機会を伺わせていただきたいと思います」とそう告げて木野原は有栖川と共に力輝達から離れていった。


「もう行ったぞ」←工藤

「・・・はい」←力輝

「ったく、なんなんですか?あの人は」←雪村

「有名な魔法師一族。いわゆる金持ちだよ」←工藤

「その金持ちがこいつに何の用なんです?話したいとか言ってましたけど、裏では何考えてるかわかりませんよ?」←雪村

「危害を加えるつもりならわざわざここに来る理由はないはず。何か目的があるのかもしれないな」←工藤

「・・・とりあえず、僕達お昼食べますけど、工藤さん一緒にどうですか?」←雪村

「あぁ。そうだな」←工藤

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