先輩方の進路
その頃工藤さんはというと、4人のお客さんの相手をさせられていた。
「工藤さんって大学生なんですか?」←有栖川
「はい。大学二年です」←工藤
「そうなんすか~俺、有栖川っていいます。どうぞよろしく」←有栖川
「はい。よろしくお願いします」←工藤
「工藤さんはどこの大学っすか?」←有栖川
「有栖川。余計なことを聞くんじゃない」←木野原
「っ・・すみませんでした」←有栖川
「失礼した。一度興味を示したら止まらなくてね」←木野原
「いえ。問題はありません」←工藤
ガチャン
「お待たせして申し訳ありません。月ノ宮さんをお連れしました」←部長
「月ノ宮幸樹です。この度は事故とはいえ一日遅れて来たこと誠に申し訳ございません」
「月ノ宮、頭を上げろ。俺達は誰もお前を責めてはいない」←木野原
「先輩の言う通りだぜ、月ノ宮。気にするな」←有栖川
「ありがとうございます」←月ノ宮
「自己紹介がまだだったな。俺は木野原崇司、よろしく頼む」。こっちは有栖川だ」←木野原
「よろしくっ」←有栖川
「そちらは顔見知りだと思うが、神明清一と神明友秀だ」←木野原
「月ノ宮君、お久しぶりです」←友秀
清一だけ何も言わず頭を下げるのみだった。
「これで全員揃いましたね。月ノ宮さんは今日来たばかりなので工藤君に案内させるとして・・・みなさんは昨日見られなかった場所へと私がお連れします」←部長
その頃、力輝はというと夜見さんと橋屋さん、美咲さんを見つけて進路について聞いていた。
「進路かぁ~俺全然考えてないな~」←夜見
「でも、なんで進路?一年生だからまだ早いでしょ?」←橋屋
「そうなんですけど、雪村に言われて自分のしたいこととかって今まで考えたことなくって、それで3人に聞いてみたらってアドバイスをもらったので」←力輝
「そういうあいつはどうなんだよ。あいつの方が進路考えてなかったりするんじゃ」←夜見
「魔法科学科のある大学に進学したいと言っていました」←力輝
「まぁ、ふつうそう言うよな。残念だったな?夜見」←橋屋
「くそぉ~俺だけかぁ~」←夜見
「それで皆さんの進路、決まっていれば聞かせていただけないかと」←力輝
「俺は魔法医学を学びたいから、そこにある大学に進学しようかなって考えてるよ」←橋屋
「魔法科学とどう違うんですか?」←力輝
「私が説明しましょう。魔法科学科はようするに戦闘を学ぶことを目的としたものなの。魔法医学は医学をメインとしたことをしているの。一般的に医学科が多いんだけど、医学と魔法の組み合わせての実験が成功してからは魔法医学科を設立する大学が増えてきているわね」←美咲
「なるほど。ちなみに美咲さんは魔法科学科ですか?魔法医学科ですか?」←力輝
「もちろん魔法科学科の学校へと進路を決めています」←美咲
「そうなんですか。美咲さんのことですから、エンジニアでも目指すのかと思ってました」
「う~ん~正直迷い中でしてね。エンジニアにもなりたいのよ」←美咲
「夜見、本当にお前進路どうするんだ?研究所に就職?」←橋屋
「う~ん~どうしよっかな~」←夜見
「夜見は自衛隊とかでもいいんじゃない。勉強無理だし。それか警察官とか?」
美咲さんはたぶん冗談を言っている。
「こいつには難しいと思うぞ、田原」←橋屋
「それなら特殊部隊にでも入ったら?魔法師兼特殊部隊ってやつ。研究所の推薦で特殊部隊の試験受けられると思うし、夜見なら通るかもしれないよ?」←美咲
「なんかかっけぇからやってみようかな~」←夜見
「おい!現実はそう甘くはないぞ!?」←橋屋
「橋屋、やってみないと分からないよ?その前に推薦書出してもらえるかどうかだし」
「確かに・・・すまん」←橋屋
「いいよ、気にしてねェから」←夜見
「ここにいたんだ」←雪村
「雪村、いらっしゃい。ずいぶんお疲れだね?」←美咲
「走りましたからね。あんたね、急に飛び出していかないでよ。研究所内だからって安全じゃないんだからね」←雪村
「・・・すみません。」←力輝
「まぁまぁ、落ち着いて。力輝ちゃん確かに今のうちから聞いておいても損はないと思うけど、あせりすぎてもよくないよ。未来がどうなっているのかは誰も分からないんだから」←美咲
「はい。ありがとうございました」←力輝
「ほら。聞き終わったんなら帰るよ」←雪村
雪村は力輝の腕を引っ張り、部屋をあとにしました。
「相変わらず二人は仲良しさんだね」←美咲
「兄妹じゃないと分かった時点で雪村は離れるかと思ったのにな~」←夜見
「うるさい」←橋屋




