彼らの目的
二人がリオンに行っている間、工藤さんは夜見さんと一緒に訓練室でパフォーマンスをしていた。別にサーカスみたいなことをしているわけではなく、戦闘訓練の様子を来客に見させるのが目的だ。
コントロール室では美咲さんが勤めている中、彼女はとても緊張していた。
なぜなら後ろには来客と部長がいる。あとついでに言っておけば部長に「訓練の際の敵はなるべくシンプルにしてほしい」とのこと。つまり・・・さばーく君やBlackHuman等は一切だすなという遠回しな命令であり、彼女はそれを聞いた瞬間にそのことをさしているのだときづいたため、「はい、わかりました」と部長には答えるが、本心では「くそぉ~ちょっと気分転換で使おうかなって思ってたのに~(泣)」とショックを受けていた。
だが今のところその必要は特になく、工藤さんVS夜見さんの対決が進められていた。
「あの背の低い人、よくあんなに動けますね?」
普通ならあんなふうに動けないのに。と来客Aが言う。
「外見だけで判断されているかもしれませんが、彼はあれでも19歳ですよ」←部長
「19歳?あははっ、ご冗談をwww・・・・・えっ?本当なんですか?」←A
部長は黙ってうなずいた。
「えぇ~って嘘でしょ!?俺と変わらないじゃん!」←A
「有栖川、黙って観てろ」←B
「すっ、すんません。木野原先輩」←有栖川
有栖川満彦
魔法科学大付属高校 魔学科3年A組在籍
現在18歳
木野原崇司
魔法科学大学 魔法兼医学部所属 現年齢20歳
「ちなみにあの槍使いの人は何歳なんですか?」←C
「彼は17歳です。同級生の中でも彼を止められるものは今のところいません」←部長
「ありがとうございます。・・おい、失礼だろ」←D
「いいじゃないですか?さっきの話の流れだと彼の歳も気にならないですか?」←C
「そんなこと、あとで聞けばいいだろ?ちゃんとしろ」←D
「・・・申し訳ありません」←C
C→神明友秀
魔法科学大付属高校 魔学科1年B組在籍
現在16歳
D→神明清一
魔法科学大学付属高校 魔学科2年A組在籍
現在17歳
それから数時間後、戦闘訓練は終了した。
「今日はここまでです。お疲れ様でした」←部長
彼ら4人は玄関まで部長に送り届けられて近くにある高級ホテルへと車で帰って行った。
~ホテル・神明兄弟~
「結局、現れなかったですね?」←友秀
「そうのこのこ出てくるわけないだろう。お父上もおっしゃっていたじゃないか。我々の目的を研究所の奴らに知られてはならぬと」←清一
「そうですが・・・」←友秀
「友秀。俺達は必ずしも有栖川と木野原より先に目的を果たさなければならない。先を越されれば俺達は死ぬまでずっと離れ離れだ」←清一
「・・・はい。兄上」←友秀
~ホテル4階レストラン・有栖川・木野原~
「そういえば来なかったですね」←有栖川
「あぁ。向こうでちょっとした事故が起きて、日本にいけなくなったとか」←木野原
「事故ねぇ~本当かな~?」←有栖川
「そんなくだらない嘘をついていったい誰が得をするんだ?俺に教えてくれよ、有栖川」
←木野原
「冗談ですよ!マジで言ってませんって」←有栖川
「声が大きいぞ。ここをどこだと思っている」←木野原
「すんません。・・・にしても、なんで親父たちは俺達にこんなことさせるんでしょうね」
わけがわかりませんよ。と有栖川はコーヒーをごくごくと飲む。
「有栖川。お前はお父上から何も聞かされてないのか?」←木野原
「急に呼び出し食らわされて、ここの研究所へ行って来いってことしか」←有栖川
「なるほど。最初から言わない方がお前にとってはいいと思ったのだろう。相変わらずお前のお父上は素晴らしいお方だよ」←木野原
何が言いたいかと言うと、父親は息子の扱いを分かっているということだ。
下手に言えば絶対になにかを仕掛けてくる。その仕掛けとやらはまたのちのち分かるとして・・・。
「そういうなら教えてください。親父たちの企みを。先輩知ってるんでしょ?
先輩のお父上なら教えてくれたはずだ」←有栖川
「そうだな。確かにあの人は俺にすべて教えてくれたよ。今回の研究所見学に行かせた理由も、あの人だけじゃない。有栖川・神明・・・そして月ノ宮の現当主殿が何を企んでいるのかも。まぁ、俺達4家以外にも企んでいるゴミくずはいくらでもいるかもしれないがな」←木野原
「ごみくずって・・・・先輩ひどい」←有栖川
「我々の目的は・・・・この間、あの研究所で起きた黒井千里他の魔法師軍団による騒動となった原因。レッドアイ・・・工藤力輝への接触だ」




