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魔法師Mの物語  作者:
第三章 記憶回復とレッドアイの暴走
122/222

彼の近くにいる彼女は気に入らないけど、それが原因で嫌われるのはもっと嫌だ

訓練室を出た二人は食堂へと行くことにした。

 するとどうだろう。どこかで見たような人間が二人の目に飛び込んできた。

 

 「あっ、雪村くーん!」←影富

 彼はこちらに爽やかな笑顔で駆け寄ってきた。雪村は、うわぁ~とめんどくさそうな顔をした。

 「訓練してたの?お疲れ様~ここに来たってことは何か食べに来たんだよね?

 何食べる?ちなみに僕のおすすめはね~「帰ります」

 「えぇーなんで?!おなかすいてないの?」←影富

 「すいてません。というか、食欲がなくなりましたのでもういいです」←雪村

 「えっ、そんなことあるの!?」←影富

 信じているのか驚いている影富先輩。しかし、彼は本当に雪村のことしか見てない。

 隣にいた力輝が見えてないのか存在を消されているのか、彼女はこの先輩がある意味「悪」に見えてきた。


 「雪村君、食堂で食べようよ。おごるよ?」←影富

 「いりません。帰ります」と雪村は力輝の腕をガシッと掴み引っ張っていく。

 「えっ、ちょっ」←力輝

 「先輩は頑張って食堂の仕事でもしてください。失礼します」←雪村

 影富先輩にそう告げて、雪村は力輝を連れて食堂を出てしまったのでした。



 「あちゃぁ・・・怒らせちゃったか」

 雪村達が去った後、何かを察したのか落ち込む影富先輩。

 しばらく考えこんでから食堂の仕事へと戻ったのでありました。

 

 

 「雪村、痛いっ。痛いって」←力輝

 食堂からだいぶ離れたというのにまだ手を離さない雪村に、力輝は離してくれと訴えるが彼は聴こうとはしてくれない。

 

 それもそのはず、考え事をしているから聞こえているはずもない。

 

 「雪村ってば!」←力輝

 と、その瞬間に強く握られた腕をはずされた。


 「うわっ。もう・・・いたたたっ」←力輝

 「おなかすいた。何か作って」←雪村

 食堂いけなくなったから。と雪村は力輝にいう。掴まれていたために今いる場所が分からなかったがよくみると力輝の部屋がある階で、立ち止まったその先に彼女の部屋があった。


 それを聞いた力輝は了承して部屋へと入り、冷蔵庫の中を確認する。

 その間、勝手に居間でテレビを付ける雪村。もう「勝手に入らないで!」とも言われなくなった。というよりは諦めたという感じだが・・・。


 「卵焼きとかでもいいですか?」←力輝

 「いいけどなんで?」

 「卵これで最後なので」と冷蔵庫の中を見せる力輝。中身はあまりない。

 それを見た雪村は「どっかいく?」と問いかける。

 

 「えっ?どこへですか?」←力輝

 「外食だよ。ほかになにがあるのさ」←雪村

 「それなら買い物に行けば済む話じゃ「たまにはいいでしょ。ここの近くは嫌だからリオンの方がいい」←雪村

 「リオン???」←力輝

 

 「ショッピングセンターだよ。あんたスーパーぐらいしか行ったことないでしょ?これから先のこと考えれば、行って損はないと思うけど」←雪村

 「・・・そうですね。確かに」←力輝

 「じゃあさっさと支度して。外で待ってるから」←雪村


 と、雪村は部屋から出て行きました。


 彼女は覚えていないが、記憶を取り戻す前に連れて行こうとした場所である。

 本来なら食堂で済まそうと思っていたのだが、影富先輩があまりにも自分のことしか目に入らず、彼女をのけ者にしていたことが気に入らなかったため諦めた。

 

 影富先輩もそれを知って、彼が自分のしたことで怒ったのだと気づいていたが・・・。

 

 

 「(今日か明日、いますぐにでも謝らないと・・・雪村君に嫌われてしまう!!)」←影富

 深々と反省しているのであった。

 

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