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魔法師Mの物語  作者:
第二章 記憶喪失と兄妹関係
110/222

すべてが終わり、彼が帰還し向かった先は…

その日の朝のこと。

 テレビをつけるとすべてのチャンネルがある事件のことでもちきりだった。


 研究所を襲ったあの事件と黒井博士が起こした事件の二つが関連をもっていたということに。そして首謀者・関係者すべてを逮捕したとの情報。


 「これって・・・・」

 ガチャン

 

 すると扉が開く音がした。力輝はすぐさま玄関へと向かう。

 そこにいたのは戦闘服でボロボロの雪村の姿が。だがそんなこと目にも入らず彼女はさっきまで見たニュースの話を彼にする。

 「雪村っ、今ニュースでね!」

 ギュっ!


 「ゆっ、雪村!?大丈夫?」

 「終わったよ」

 「えっ?終わったって・・なにが?」

 力輝には全く理解できなかった。そして今に至る状況もまた理解できていない。


 「それより、おなかすいた。なにか食べさせて」と雪村の腹の虫がなる。

 「あっ、うん!今すぐ作るね!」と台所へと走って向かう力輝であった。


 

 それから数分後、雪村はすべて力輝に話した。

 「じゃあ全部組織ごと?」

 「そっ。政府の力も借りちゃったけどね」

 「どうしてそんなこと・・・危ないよ」

 「僕一人じゃなかったし。それに大したことなかったしね」

 「だったらなんで私に話してくれなかったの・・」

 「あんたにいうと心配されるし、それに自分も行くっていうと思ったからだよ」

 まるで自分がのけ者扱いされた気分に力輝はなっていた。

 

 「奴らの目的であるお前を連れて行くわけにはいかないし」と雪村はこうも付け足す。

 それを聞いて「それはそうだけど・・」とそれでも納得がいかない力輝。


 「あと、ここで大事なお知らせがある」

 「えっ?なに??」

 「・・・記憶、戻るかもしれない」

 それは彼女にとって初めて聞かされることだった。記憶が戻るということは彼女が本来もっているはずの思い出をとりもどすということなのだ。

 

 「本当に?」

 「可能性は低いけど、とりあえずやれるだけのことはやりたいと思う。協力してくれる?」

 

 力輝は少し悩む。

 可能性が低くてもやりたい気持ちと、もしそれで戻れなかったらどうしようという不安な気持ちがあったからだ。それでも彼女の答えは・・・


 「やる。少しでも可能性があるなら・・」

 「じゃあ今から出かける準備してくれる?」


 こうして、力輝は雪村と共に病院へと向かうのであった。



 「工藤さんには許可もらっているから、心配しなくていい。あんたは自分のことだけ考えればいい」

 「うん・・・」

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