第一話
「うぉ~りゃ!!」
掛け声と同時に顔を殴った音が公園中を響き渡った。
「ひぃ~。こいつ悪魔だ~。」
「逃げましょう。白取さん!」
不良の2人が”白取”という統領らしき人をかかえ、逃げていく。
「ったく。どっちが悪魔だってんだ。・・・あ~ぁ。また喧嘩しっちまったか。」
鳩が一羽飛び立つ。
「なんだ、その怪我は?」
父が質問する。
「階段で転んじまったんだよ。」
父がしつこく質問する。
「背中の汚れは?」
「思ったより、派手に転んじまっって。」
「その、鼻血の跡は?」
”終わったな。”と思いつつ、
「転んで起き上がったら、ちょうどよく”セクシ~”なお姉さんが通りかかって・・・。」
と答えると。
「なんだって! おい、どこだ!早く案内しろ! っておまえ!また喧嘩だろ~が!」
「何すんだ。このくそ親父~!」
「さっき、バイト先から連絡があった。配達いったまま帰ってこないようなやつはいらないだと。」
「あ、当たり前じゃね~か。俺がそんなにまじめな仕事できると思ってんのかよ!」
「学歴もね~くせにそんな大口たたけんのかよ?」
いつものように2人でもめていると・・・。
「父さん。引越しの準備整いました。」
「おおっ。できたか 拓士!」
「ったく。双子なのにこんなに出来がちがうとはね~」
教会の霊能力者”A”がしゃべりはじめた。
「弟の拓士は成績優秀、スポーツも万能。今年は名門校、桜十字学園にご入学するってのに・・・。」
”A”は海斗の方を向き、
「それなのに、兄貴は喧嘩ばっかり。いつも弟に迷惑かけてばっかじゃ~ん。」
「うっせ~!!」
海斗は”A”の方を向き、そう叫ぶと、教会の中央にあるヒーターが「ボンッ」という音を立て、壊れた。
「あ~ぁ。このおんボロも買い換えなくちゃいけねーな。」
親父がそういって近づくと、
「信一様、お客様です。」
と霊能力者”B”が来た。
「わかった。今行く。 おまえら、礼拝までに片付けておけよ。 拓士は海斗傷の手当てだ。」
「はい。」
全員がいっせいに返事をした。
「さあ、いこう。兄さん。」
「おっ。おう。」
「いててててえててって~。 しみる~。」
「もうちょっとだから我慢して兄さん。」
「ぐぐぐぐぅ。 んっ?」
海斗の目にダンボールの箱がうつった。
「あぁ。そうか。お前寮に引っ越すんだったな。」
「ねぇ兄さん。僕がいなくて大丈夫?」
「なっ。何だよ。お前も説教か?そういや最近おまえ親父に似てきたぜ。」
「違うよ兄さん。心配してるんだよ。」
「そういや、おまえ医者になりたいんだったんだよな。」
「うん、兄さんだったら」いつでも見てあげるよ。有料でね。」
「おうっ。がんばれよ。おまえならきっとなれる。」
「兄さん。有料ってところはスルーなんだね。」
「おおっ。ここにいたか」
”A”がやってきた。
「さっき、買出しに行ったら、バイトの案内があったから連絡したら今すぐ面接にこいってさ。」
「てめ~ぇ。なにかってに予約してんだよ。」
「いっておいで。兄さん」
「おれのスーツ貸してやっからよっ!」
”B”がスーツケースを海斗に向かって投げた。
「バイトの面接にスーツ?」
「あっこれ。新しい学歴書ね。」
「いいね兄さん。」
「よくね~よ!!」
「なっなんだこれ~。結べね~ぞネクタイ!」
苦労していると、外から声が聞こえてきたので、外に出た。
「この前は、ありがとうございました。」
「いえいえ、このような仕事が私たち霊能力者の仕事ですから。」
「そうですか。」
すると、親父はその親の子供に対して、
「いいかい。こまったときは、お前には両親がいるんだから相談しなさい。それでもだめなら、おれたち霊能力者の出番だ。」
「仕事ったって、ただの悩み相談だようが。」
「なんだと。おまえ人のために何かやったことあんのかよ。」




