表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界はここから…  作者: モノンST
光と闇、善と悪

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

55/55

第2章 第16話 王都地下通路

第2章

第16話 王都地下通路


夜。


王都アストレアの裏通り。


昼間の賑やかな王都とは違い、人気はほとんどない。


石畳の道の奥。


古びた鉄格子の扉があった。


そこが――


王都地下通路の入口だった。


アサヒが小声で言う。


「ここ?」


アルトは頷く。


「ああ」


昼間、ギルドマスターに教えられた場所だ。


普段は封鎖されているが、古い通路の一部は今でも使われているらしい。


シアンが周囲を見渡す。


「静かですね」


ルミナはアルトの後ろに立っている。


アルトは扉を押す。


ギィ……


重い音を立てて開いた。


中は真っ暗だった。


湿った空気。


冷たい地下の匂い。


アサヒが小さく震える。


「ちょっと怖い…」


アルトは腰のランタンに火をつけた。


淡い光が広がる。


石の階段が地下へ続いていた。


アルトは言う。


「行くぞ」


四人はゆっくりと階段を降りていく。


数分後。


地下通路。


思った以上に広かった。


石の通路がいくつも続いている。


古い王都の遺構らしい。


アサヒが感心する。


「ダンジョンみたい!」


アルトは周囲を警戒していた。


そのとき。


隣から小さな声。


「……アルト」


ルミナだった。


アルトが見る。


ルミナの手が――


アルトの袖をつかんでいた。


「どうした」


ルミナは少し恥ずかしそうに言う。


「……暗い」


「……怖い」


アルトは普通に言う。


「離れてもいいぞ」


ルミナは首を振る。


「……ここでいい」


アサヒが後ろでニヤニヤしている。


「仲いいね〜」


ルミナは即答。


「……違う」


シアンは微笑んでいた。


そのとき。


アルトの足が止まる。


「待て」


全員止まる。


アルトは通路の奥を見る。


微かな音。


人の声。


アサヒも気づく。


「誰かいる」


四人は静かに進む。


通路の奥。


灯りが見えた。


そして――


男たちの声。


「今日の荷は?」


「もうすぐ来る」


「奴隷は?」


「地下の檻だ」


アルトたちは陰から様子を見る。


そこには――


黒い服を着た男が三人。


武器を持っている。


完全に普通の冒険者ではない。


アサヒが小声で言う。


「奴隷組織…」


アルトは頷く。


ルミナは少し震えていた。


そして小さく呟く。


「……ここ」


アルトが見る。


「覚えてるのか」


ルミナは小さく頷く。


「……似てる」


「……こういう場所」


アサヒの顔が怒りで歪む。


「許せない」


そのとき。


男の一人が言った。


「最近うるさいんだよ」


「勇者が来てるらしい」


アサヒがビクッとする。


男は笑う。


「まあ関係ねえ」


「王国の大臣様がついてる」


アルトの目が細くなる。


(やっぱりな)


証拠ではない。


だがほぼ確定だ。


アサヒが小声で言う。


「どうする?」


アルトは短く言う。


「捕まえる」


そして一歩前へ出た。


男たちが気づく。


「誰だ!?」


アルトは普通に答える。


「冒険者」


男たちはすぐに剣を抜く。


「見られたか」


「殺せ」


三人の男が一斉に襲ってきた。


アサヒも剣を抜く。


「来た!」


戦闘が始まる。


一人目。


アルトが前に出る。


男の剣が振り下ろされる。


だが。


アルトは軽く避けた。


そして拳。


ドンッ!!


男は壁に叩きつけられた。


気絶。


一撃だった。


残り二人が驚く。


「なんだこいつ!?」


その瞬間。


アサヒが飛び出す。


「はあっ!」


剣が閃く。


男の武器が弾かれる。


「ぐっ!」


そしてシアン。


「【ホーリーライト】」


光の魔法。


男の目が眩む。


「うわっ!」


最後の一人が焦る。


だがそのとき。


静かな声。


「……凍れ」


ルミナだった。


男の足元に魔法陣。


次の瞬間――


バキィン!!


氷が男の足を凍らせた。


「なっ!?」


男は動けない。


アサヒが驚く。


「すご!」


アルトは男の前に立つ。


「質問だ」


男は必死に言う。


「知らねえ!」


アルトは淡々と言う。


「まだ聞いてない」


男は黙る。


アルトは聞く。


「奴隷はどこだ」


男は震える。


そして――


地下の奥を指した。


「……檻」


アルトたちはその先を見る。


暗い通路の奥。


そこには。


鉄格子の部屋が並んでいた。


そして――


中から。


小さな声。


「……たすけて」


子供の声だった。


アサヒの目が燃える。


「絶対助ける」


ルミナも静かに言う。


「……行く」


アルトは頷く。


「行こう」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ