表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界はここから…  作者: モノンST
光と闇、善と悪

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

54/55

第2章 第15話 銀髪の意味

第2章

第15話 銀髪の意味


王都冒険者ギルドの奥の部屋。


静かな空気の中で、ギルドマスターの視線はルミナに向けられていた。


「……その髪」


低い声で呟く。


ルミナは無言。


アルトの後ろに立ったままだ。


ギルドマスターはゆっくり立ち上がる。


そしてルミナの前まで歩いてくる。


「嬢ちゃん」


「名前は?」


ルミナは少しだけアルトを見る。


アルトは頷いた。


ルミナは小さく言う。


「……ルミナ」


ギルドマスターは腕を組む。


「ルミナか」


そしてじっと銀髪を見た。


「王都じゃ珍しい髪だ」


アサヒが言う。


「そうなの?」


ギルドマスターは頷く。


「銀髪はほとんどいない」


「特に――」


一瞬言葉を止める。


「……昔の話だがな」


アルトが聞く。


「何かあるのか」


ギルドマスターは少し迷う顔をした。


だが言った。


「昔」


「王国と魔族の戦争があった」


アサヒが驚く。


「魔族!?」


シアンは静かに聞いている。


ギルドマスターは続ける。


「そのとき」


「魔族の中に銀髪の一族がいた」


ルミナの指がわずかに動く。


アルトは気づいた。


ギルドマスターはすぐに付け加える。


「勘違いするな」


「銀髪だから魔族ってわけじゃない」


アサヒが安心する。


「びっくりした…」


だが。


アルトは思う。


(魔族の一族か…)


ルミナの秘密。


関係している可能性は高い。


そのとき。


ルミナが小さく言った。


「……覚えてない」


ギルドマスターが見る。


ルミナは俯いたまま。


「……昔のこと」


「……ほとんど」


アルトは静かに言う。


「記憶が曖昧なんだ」


ギルドマスターはしばらくルミナを見ていた。


そして椅子に座る。


「まあいい」


「今は関係ない」


だが小さく呟いた。


「……今はな」


アルトは話を戻す。


「奴隷組織」


「何か情報は?」


ギルドマスターは腕を組む。


「ある」


アサヒが身を乗り出す。


「ほんと!?」


ギルドマスターは言う。


「最近」


「王都の地下で怪しい動きがある」


アルトは目を細める。


「地下?」


「そうだ」


「古い地下通路がある」


王都は大陸最大の都市。


何百年も前から拡張され続けている。


その結果――


地下には古い通路や施設が大量に残っている。


ギルドマスターは続ける。


「そこが奴隷の中継地点になってる可能性がある」


アサヒが拳を握る。


「そこだ!」


「絶対そこ!」


シアンも頷く。


「可能性は高いですね」


アルトは考える。


(地下か)


そのとき。


頭の中に声。


【クエスト更新】


クエスト

「奴隷商人の闇」


新条件

王都地下通路を調査せよ


報酬

スキル進化


アルトは小さく笑う。


(分かりやすいな)


ギルドマスターは言う。


「ただし」


「地下は危険だ」


「魔物もいる」


「盗賊もいる」


「そして」


少しだけ声を低くする。


「奴隷組織の連中もな」


アサヒはやる気満々。


「行こう!」


ルミナも小さく頷く。


「……行く」


シアンも微笑む。


「私も同行します」


アルトは言う。


「決まりだな」


ギルドマスターは深くため息をついた。


「止めても無駄か」


アルトは答える。


「無駄」


ギルドマスターは苦笑する。


「村のギルドマスターが言ってた通りだ」


「変な奴だな」


そのとき。


ルミナがアルトの服を少し引いた。


「……アルト」


「ん?」


ルミナは小さく言う。


「……地下」


「……少し怖い」


それは珍しい言葉だった。


アルトは軽く答える。


「俺がいる」


ルミナは少しだけ目を見開く。


そして小さく頷いた。


「……うん」


その様子を見て。


アサヒがニヤニヤしている。


「仲いいね〜」


ルミナはすぐに言う。


「……違う」


アサヒ「即否定!?」


シアンは楽しそうに笑っていた。


だが――


その頃。


王都のどこか。


暗い部屋。


黒装束の男が報告していた。


「大臣」


「アルトという冒険者」


「動き始めました」


椅子に座る男。


穏やかな笑顔。


優しい目。


だが声は冷たい。


「そうですか」


男はワインを飲む。


「地下へ向かうと?」


「はい」


男は微笑む。


「ならば」


静かに言った。


「消してしまいなさい」


王都の闇が――


アルトたちに牙を向き始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ