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世界はここから…  作者: モノンST
光と闇、善と悪

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第2章 第12話 奴隷商人

第2章

第12話 奴隷商人


「捕まえろ!」


兵士たちの怒鳴り声が広場に響く。


ボロボロの服の男は地面に押さえつけられていた。


「離せ!!」


「俺は何もしてない!!」


兵士が冷たく言う。


「奴隷商人が何を言う」


周囲の人々がざわつく。


「奴隷商人だって?」


「最低だな」


「王都にもいるのか…」


男は必死に叫ぶ。


「ち、違う!!」


「俺はただの仲介だ!」


兵士は男の腕を縛る。


「言い訳は牢屋で聞く」


アルトは少し離れた場所からその様子を見ていた。


隣にはルミナ。


だが。


ルミナの様子がおかしい。


「……」


いつも以上に無表情。


だが――


指が少し震えている。


アルトは気づいた。


「ルミナ」


「……」


返事がない。


ルミナは奴隷商人の男をじっと見ていた。


男もその視線に気づく。


そして。


顔が青ざめた。


「ひっ……」


小さく声を漏らす。


「銀髪……」


男は震え始めた。


「ま、まさか……」


ルミナの目がわずかに細くなる。


だがそのとき。


兵士が男を引きずる。


「行くぞ」


「離せ!!」


男は抵抗する。


「俺を捕まえても意味ないぞ!」


兵士が苛立つ。


「何?」


男は叫んだ。


「俺は末端だ!!」


「本当の組織は――」


その瞬間。


男の言葉が止まった。


ガクッと体が崩れる。


「……え?」


兵士が困惑する。


男の口から血が流れた。


周囲が騒然となる。


「死んでる……」


「毒だ!」


アルトの目が鋭くなる。


(毒……?)


兵士が焦る。


「誰だ!」


「誰がやった!?」


だが犯人は見えない。


人混み。


ざわめき。


そして。


一瞬だけ。


アルトは気づいた。


遠くの屋根の上。


黒い影。


弓を構えた男。


次の瞬間。


影は消えた。


(口封じか)


アルトは小さく舌打ちする。


そのとき。


頭の中に声。


【クエスト発生】


アルトは内容を見る。



クエスト

「奴隷商人の闇」


内容

王都の奴隷密売組織を調査せよ


報酬

スキル強化


制限

なし



アルトは思う。


(やっぱりか)


村のギルドマスターが言っていた。


王都の悪い噂。


それがこれだろう。


そのとき。


アサヒが怒った声を出す。


「ひどい…」


拳を握る。


「奴隷を売るなんて…」


「しかも口封じで殺すなんて!」


正義感が強い。


アサヒはアルトを見る。


「アルト!」


「この事件、絶対おかしい!」


アルトは頷く。


「そうだな」


シアンは静かに言う。


「王都でも最近増えてるんです」


「奴隷の行方不明」


アルトは目を細めた。


「行方不明?」


シアンは頷く。


「はい」


「捕まった奴隷が…」


「どこかへ消えている」


アサヒが言う。


「絶対裏がある!」


そのとき。


ルミナが小さく呟いた。


「……知ってる」


アルトが見る。


「何を?」


ルミナは少しだけ俯く。


「……あの人」


「見たことある」


アルトの目が鋭くなる。


「どこで?」


ルミナは少し考える。


頭を押さえる。


「……わからない」


「でも」


ルミナの声が少し震える。


「……怖かった」


それは。


ルミナが初めて見せた弱さだった。


アルトは静かに言う。


「無理に思い出さなくていい」


ルミナは小さく頷く。


「……うん」


だが。


アルトは確信していた。


(ルミナの過去)


(この組織と関係あるな)


そして王都のどこかで――


一人の男が報告を受けていた。


豪華な部屋。


窓の外には王都の景色。


温厚そうな顔の男。


優しい笑み。


だが目は冷たい。


男は部下に聞く。


「そうですか」


「捕まりましたか」


部下が言う。


「はい」


「ですが毒で自害しました」


男は穏やかに微笑む。


「そうですか」


そして静かに言う。


「問題ありません」


「末端ですから」


男は窓の外を見る。


「王都の奴隷は」


「まだまだ価値があります」


この男こそ――


王国大臣


奴隷密売組織の黒幕だった。

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