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世界はここから…  作者: モノンST


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第1章 第31話 静かな第二階層

第一章

第31話「静かな第二階層」


オークソルジャーの巨体が地面に倒れたまま、第二階層の空間には静寂が戻っていた。


ミリアの光球がゆらゆらと揺れ、倒れた魔物たちの影を壁に映し出している。


ローレンが大きく息を吐いた。


「ふぅ……」


大剣を肩に担ぎながら周囲を見回す。


「終わったか」


ミリアも弓を下ろす。


「思ったより強かったね……」


ロイドはまだ剣を抜いたまま、周囲を警戒していた。


「気を抜くな」


「魔物は一度に出るとは限らない」


アルトも短剣を握ったまま周囲を見ていた。


(静かだ……)


戦いの気配はもうない。


だが――


《危機察知》が、かすかにざわついている。


強い反応ではない。


けれど。


何かがこの階層にいる。


ロイドが言った。


「まずは周囲を確認する」


ローレンが笑う。


「お、探索タイムか」


ミリアが呆れる。


「戦闘の後なのに元気だね……」


ローレンは肩をすくめた。


「こういうのは慣れだ」


ロイドが指示を出す。


「アルト」


「周囲を見てこい」


「遠くへは行くな」


アルトは頷いた。


「分かりました」


アルトは静かに歩き出した。


第二階層の地面は岩でできている。


足音が響きやすい。


だからアルトは、自然と足を軽くする。


(……静かに)


《影歩》を意識する。


気配を抑え、ゆっくり進む。


だがそのスキルのことは誰にも言わない。


(俺のスキルは俺だけのものだ)


数歩進んだところで、アルトは立ち止まった。


第二階層の構造が少し見えてきた。


広い空間。


そこからいくつかの通路が伸びている。


全部で三つ。


アルトは小さく呟いた。


「……分かれ道」


ロイドが近づく。


「どうした」


アルトは指をさした。


「通路が三つあります」


ミリアが光球を少し前に出す。


薄暗い通路が三方向へ伸びていた。


ローレンが言う。


「ダンジョンらしくなってきたな」


ロイドは通路を順番に見る。


「足跡は……」


地面を調べる。


そして言った。


「左の通路」


「魔物の痕跡が多い」


ミリアが少し不安そうに言う。


「じゃあ危険ってこと?」


ロイドは頷く。


「その可能性は高い」


ローレンが笑う。


「じゃあそこだな」


ミリアがすぐ反論する。


「なんで!?」


ローレンは肩をすくめる。


「魔物がいるってことは」


「奥に何かあるってことだ」


ロイドは少し考えた。


そして言う。


「調査が目的だ」


「痕跡が多い通路を優先する」


つまり。


左の通路。


アルトはその通路を見つめた。


暗い。


奥が見えない。


その時。


《危機察知》が小さく反応した。


(……いる)


だが、さっきのオークほど強くない。


ロイドが言う。


「隊列を維持する」


「俺が前」


「ミリア中央」


「アルト」


「その後ろ」


「ローレン最後尾」


ローレンが笑う。


「了解」


ミリアが小さく呟く。


「また戦いになりそうだね……」


アルトは短剣を握り直す。


そして四人は左の通路へ進んだ。


通路は狭い。


岩の壁が近い。


天井も低くなっている。


ミリアの光が壁を照らす。


その時。


アルトが気づいた。


「……これ」


壁に刻まれた跡。


ロイドも見る。


「爪痕か」


鋭い傷。


かなり新しい。


つまり――


この通路には


まだ魔物がいる。


その瞬間。


奥の暗闇で何かが動いた。


ガサッ……


ミリアが息を呑む。


「今……動いた?」


ロイドが剣を構える。


「来るぞ」


次の瞬間。


暗闇から飛び出してきた。


小柄な影。


一体。


二体。


三体。


ミリアが驚く。


「ゴブリン!?」


だが普通のゴブリンではない。


体は少し大きく、武器を持っている。


ローレンが笑う。


「雑魚だな」


だがロイドは言う。


「油断するな」


「群れの可能性がある」


アルトの《危機察知》が反応する。


(……後ろにもいる)


この通路には。


まだ敵が潜んでいる。

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