表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界はここから…  作者: モノンST


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/39

第1章 第25話 第一階層の探索

第一章


第25話「第一階層の探索」


ダンジョンの空気は、地上とはまったく違っていた。


冷たい。


そして、重い。


アルトは一歩踏み出した瞬間、肌でそれを感じた。


(……空気が違う)


湿った土の匂い。


岩肌からにじむ水滴。


そして、洞窟の壁に埋まった青い鉱石が、ぼんやりと周囲を照らしている。


その光が、静かな通路を青く染めていた。


ロイドが低い声で言う。


「隊列を崩すな」


先頭はロイド。


そのすぐ後ろにローレンともう一人の前衛。


中央にアルト。


後方にミリアと後衛の冒険者。


典型的なダンジョン探索の隊列だ。


足音が洞窟に響く。


コツ……コツ……


その時。


アルトの視界に、文字が浮かんだ。



【クエスト更新】


森の異変を調査せよ


進行状況:60%


新目標

・ダンジョン第一階層の調査

・魔物の種類と数を確認する


推奨ランク

Cランク以上



アルトは少しだけ目を細めた。


(またクエスト表示……)


この世界では、スキルを持つ者の一部だけが見ることができる。


アルトの持つ《クエスト》スキル。


冒険者としては珍しい能力だ。


ローレンが小さく振り向く。


「どうした?」


「いえ、大丈夫です」


アルトは短く答える。


ロイドが前を見たまま言う。


「魔物はすぐに出る」


「警戒しろ」


その言葉の直後だった。


奥の暗闇から音がする。


カサッ……


カサカサ……


何かが動いている。


ミリアが弓を構える。


「来る」


次の瞬間。


影が飛び出した。


「ギャアア!!」


ゴブリン。


一体。


そして——


二体。


三体。


さらに奥から続けて現れる。


ローレンが舌打ちする。


「多いな!」


ロイドが叫ぶ。


「迎え撃て!」


戦闘が始まった。


ゴブリンがロイドへ突進する。


だがロイドは一歩も下がらない。


剣が閃く。


ザンッ!!


一体が倒れる。


ローレンもすぐに踏み込む。


大剣が振り下ろされる。


ズバン!!


ゴブリンの体が吹き飛んだ。


アルトの前にも一体が来る。


「ギャッ!」


短剣を構える。


(落ち着け)


相手は速い。


だが、動きは単純。


ゴブリンが爪を振るう。


アルトは半歩下がる。


空振り。


その瞬間。


アルトは踏み込んだ。


ザシュッ!!


腹を斬る。


ゴブリンが苦しそうに声を出す。


だが倒れない。


(硬い……!)


昨日と同じだ。


普通のゴブリンより体が強い。


その時。


ヒュン!


矢が飛ぶ。


ゴブリンの喉に刺さった。


ミリアだ。


ゴブリンが崩れる。


「助かりました!」


ミリアが言う。


「油断しない!」


その横で別の冒険者が叫ぶ。


「右から来る!」


さらに三体。


ロイドが前へ出る。


「下がれ!」


剣が光る。


連続の斬撃。


ザン!

ザン!


二体が倒れる。


最後の一体はローレンが叩き斬った。


戦闘はすぐに終わった。


地面にはゴブリンの死体が転がっている。


ローレンが息を吐く。


「普通の第一階層より多いな」


ロイドも頷く。


「魔物の密度が高い」


ミリアが死体を確認する。


「やっぱり赤い目」


アルトはそれを見ながら思う。


(ダンジョンの影響……)


その時。


アルトの視界に再び文字が浮かんだ。



【クエスト進行】


ダンジョン第一階層


魔物討伐数

7 / 30


追加報酬条件

・魔物30体討伐

・変異個体の調査


達成報酬

経験値増加



アルトは少し驚く。


(討伐数……?)


どうやら、このダンジョン調査では魔物討伐も記録されているらしい。


ローレンがアルトを見る。


「何見てる?」


「いえ……ちょっと」


アルトは誤魔化す。


《クエスト》スキルのことは、あまり知られていない。


ロイドが言う。


「先へ進む」


調査隊はさらに奥へ進んだ。


第一階層の通路は曲がりくねっている。


途中で小さな分岐もあった。


ロイドは壁を調べる。


「まだ新しいダンジョンだ」


「構造が安定していない」


ローレンが聞く。


「崩れる可能性もあるか?」


「ある」


アルトの背中に冷たい汗が流れる。


ダンジョンは危険だ。


魔物だけじゃない。


地形そのものが罠になることもある。


その時。


アルトの胸が強く反応した。


ピリッ——


(来る!)


《危機察知》。


アルトはすぐに言う。


「前です!」


ロイドが剣を構える。


暗闇の奥。


そこから現れたのは——


ゴブリン。


だが。


普通ではない。


鎧を着ていた。


鉄の胸当て。


手には剣。


ミリアが驚く。


「……嘘」


ローレンが言う。


「武装ゴブリン?」


ロイドが低く言った。


「違う」


「これは——」


ゴブリンが叫ぶ。


「ギィアア!!」


その声には、明らかに知性があった。


ロイドの表情が変わる。


「ゴブリンソルジャーだ」


その後ろからさらに現れる。


一体。


二体。


三体。


武装したゴブリン。


アルトの心臓が速くなる。


(強そうだ……)


ロイドが剣を構える。


「戦闘準備!」


ローレンが笑う。


「面白くなってきたな」


ミリアが矢を番える。


「アルト!」


「下がりすぎないで!」


アルトは短剣を握る。


「はい!」


そして——


ゴブリンソルジャーたちが、一斉に突撃してきた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ