表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界はここから…  作者: モノンST
クエスト

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/54

第1章 第24話 ダンジョン調査隊

第一章


第24話「ダンジョン調査隊」


翌朝。


村はまだ薄暗かった。


空は夜明け前の青色。


冷たい空気が村を包んでいる。


アルトはギルドの前に立っていた。


背中には簡単な荷物。


腰には短剣。


そして胸の奥には、昨日から続く緊張があった。


(ダンジョン……)


冒険者になってまだ日が浅い。


普通なら、まだ入る場所ではない。


だが——


今回の依頼は緊急クエスト。


村を守るための戦いだ。


逃げる理由はない。


「早いな」


後ろから声がした。


振り向くとローレンがいた。


大きな剣を背負い、軽く肩を回している。


「おはようございます」


アルトが言うと、ローレンは笑った。


「緊張してるか?」


「……少し」


正直に答える。


ローレンは頷いた。


「それでいい」


「ダンジョンは油断した奴から死ぬ」


その言葉は軽く言ったようでいて、重かった。


その時、ギルドの扉が開く。


ミリアが出てきた。


弓と矢筒を背負っている。


「二人とも早いわね」


ローレンが笑う。


「アルトが気合い入りすぎなんだ」


ミリアはアルトを見る。


「まあ、初ダンジョンだしね」


アルトは少しだけ苦笑した。


その時。


重い足音が近づいてきた。


ドン、ドン、ドン。


振り向くとロイドが歩いてくる。


昨日のBランク冒険者だ。


その後ろには、さらに数人の冒険者がいた。


装備を見るだけで分かる。


経験豊富な冒険者たちだ。


ロイドが言う。


「全員そろったか」


ローレンが周囲を見て答える。


「たぶんな」


アルトは改めて人数を確認する。


調査隊は全部で八人。


ロイド(Bランク)

ローレン(Cランク)

ミリア(Cランク)


そして他のCランク冒険者が四人。


最後に——


アルト(Eランク)。


どう考えても一番弱い。


だがロイドは特に何も言わなかった。


「行くぞ」


短い合図。


全員が森へ向かって歩き出した。


朝の森は静かだった。


だが昨日とは違う。


全員が武器を握り、周囲を警戒している。


ロイドが言う。


「ダンジョンは昨日確認した通り」


「入口から第一階層を調査する」


一人の冒険者が聞く。


「奥まで行くんですか?」


ロイドは首を振る。


「今日は規模確認だ」


「無理はしない」


アルトは少し安心する。


だが同時に思う。


(それでも危険だ)


昨日戦ったゴブリン。


普通より明らかに強かった。


もし数が多ければ——


その時だった。


アルトの胸が小さく反応する。


ピリッ。


《危機察知》。


アルトは小さく言った。


「……前」


ロイドの足が止まる。


「距離は?」


「たぶん……近いです」


次の瞬間。


ガサッ!!


茂みから影が飛び出した。


「ギャア!!」


ゴブリン。


だが、昨日と同じ——


赤い目。


「来たか」


ロイドが剣を抜く。


だが、その後ろからさらに飛び出してきた。


一体。


二体。


三体。


四体。


五体。


ローレンが笑う。


「朝から多いな!」


ミリアが矢を番える。


「アルト!右!」


「はい!」


戦闘が始まった。


ゴブリンがアルトへ突進してくる。


爪を振り上げる。


アルトは体をひねって避ける。


そのまま踏み込み。


短剣を突き出す。


ザシュッ!!


喉を貫く。


ゴブリンが崩れる。


だが——


もう一体。


「ギャア!」


アルトに飛びかかる。


(速い!)


普通のゴブリンより明らかに速い。


アルトは一歩下がる。


だが、その瞬間。


ヒュン!!


矢が飛んだ。


ゴブリンの頭に刺さる。


ミリアだ。


「後ろ見なさい!」


アルトは頷く。


「ありがとうございます!」


その横でローレンが戦っていた。


巨大な剣が振り下ろされる。


ズバンッ!!


ゴブリンが真っ二つになる。


「よし!」


さらにロイド。


動きが別格だった。


一歩踏み込む。


剣が光る。


ザンッ!!


一撃で二体を斬り倒す。


数秒後。


森は再び静かになった。


地面には五体のゴブリン。


ローレンが息を吐く。


「昨日より増えてないか?」


ロイドは死体を見て言った。


「ダンジョンの影響だ」


「魔物の活動が活発になっている」


アルトは死体を見る。


赤い目。


硬い筋肉。


(確実に強い)


ロイドが言う。


「急ぐぞ」


「ダンジョンを確認する」


調査隊は再び森の奥へ進んだ。


そして。


しばらく歩いた後。


昨日見つけた場所へ到着する。


地面に開いた巨大な穴。


ダンジョンの入口。


ロイドが振り返る。


「ここからが本番だ」


全員が武器を握る。


ローレンがアルトを見る。


「大丈夫か?」


アルトは頷いた。


「はい」


ロイドが言う。


「隊列を組む」


「俺が前」


「ローレンとガルドが前衛」


「ミリアと後衛が支援」


そして。


アルトを見る。


「お前は中央だ」


「状況を見ろ」


アルトは頷く。


「分かりました」


ロイドはダンジョンの奥を見つめる。


暗い通路。


青い光。


冷たい空気。


「行くぞ」


その一言で。


調査隊はダンジョンへ足を踏み入れた。


その瞬間。


アルトの視界に文字が浮かぶ。



【ダンジョン突入】


森のダンジョン

第一階層


危険度

Cランク



アルトは息を飲む。


(ここが……)


ダンジョン。


冒険者の戦場。


そして——


この奥に、森の異変の原因がある。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ