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世界はここから…  作者: モノンST


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第1章 第20話 森への調査隊

第一章


第20話「森への調査隊」


翌朝。


まだ太陽が完全に昇りきる前、村の空気はひんやりとしていた。


森の入口には、すでに数人の冒険者が集まっている。


鎧の音。

剣の擦れる音。

小さな会話。


いつもなら木こりたちが森へ向かう時間だが、今日は違う。


森の調査隊。


その準備が静かに進んでいた。


アルトは短剣の鞘を確認しながら、深く息を吐いた。


(森の奥……)


昨日のギルドで聞いた話。


魔物が増えている。


しかも、統率されているような動き。


普通ではありえない。


「緊張してる?」


ミリアが横から声をかけてきた。


アルトは苦笑する。


「……ちょっとだけ」


正直に言えば、かなり緊張している。


昨日のオークリーダー戦だって命がけだった。


だが今日は——


未知の森の奥。


何がいるかわからない。


ローレンが肩を回しながら言う。


「まあ気楽にいこうぜ」


「調査って言っても、様子を見るだけだ」


その言葉にミリアが冷静に返す。


「そうとは限らない」


ローレンが苦笑した。


「お前はいつも現実的だな」


その時だった。


足音が近づいてくる。


ザッ……ザッ……


黒い外套の男だった。


昨日ギルドに来た、あのBランク冒険者。


近くで見ると、やはり雰囲気が違う。


静かだが、圧力のようなものを感じる。


男は森を見ながら言った。


「そろったか」


調査隊は全部で七人。


アルト

ローレン

ミリア


そして他の冒険者が三人。


最後に——


このBランク冒険者。


男は短く言う。


「森に入る」


「無駄な戦闘は避ける」


「目的は原因の確認だ」


その声には迷いがない。


全員が頷いた。


そして。


調査隊は森へ入った。



森の中は静かだった。


朝の光が木々の間から差し込んでいる。


鳥の声。


風の音。


一見すると、いつもの森だ。


だが——


アルトは気づいていた。


(……静かすぎる)


普通なら、小動物の気配がある。


だが今日はほとんど感じない。


まるで——


何かから逃げているような。


調査隊は慎重に進む。


足音を抑えながら。


周囲を警戒しながら。


ローレンが小声で言う。


「昨日オークがいたのはこの辺だな」


アルトも覚えている。


そしてその先。


森の奥。


Bランクの男が手を上げた。


「止まれ」


全員の足が止まる。


男はしゃがみ、地面を見る。


「……足跡」


アルトも近づいて見る。


地面には大きな足跡が残っていた。


オーク。


それも一体ではない。


複数。


ミリアが小さく言う。


「かなり多いわね」


ローレンが眉をひそめる。


「村に来た三体だけじゃないな」


Bランクの男が言う。


「この先に群れがいる」


アルトの胸が少し強く鳴る。


その時だった。


胸の奥がピリッと反応した。


(……!?)


《危機察知》。


アルトは思わず周囲を見る。


木々。


茂み。


静かな森。


だが——


何かいる。


「……止まって」


アルトは小さく言った。


ローレンが振り向く。


「どうした?」


アルトは森の奥を見る。


「……何かいる」


その瞬間。


茂みが揺れた。


ガサッ!!


「来るぞ!」


Bランクの男が叫ぶ。


次の瞬間。


影が飛び出した。


「グォォ!!」


オーク。


一体。


いや——


二体。


「戦闘!」


ローレンが剣を抜く。


アルトも短剣を構える。


オークが突進してきた。


ドンッ!!


ローレンが正面から受け止める。


「重い!」


アルトは横へ回る。


(今だ)


オークの側面。


短剣を振るう。


ザシュッ!!


太ももに刃が入る。


「グォッ!」


よろめく。


その瞬間。


Bランクの男が動いた。


一瞬だった。


剣が閃く。


ズバッ!!


オークの首が飛んだ。


アルトの目が見開く。


(……速い)


次の瞬間、もう一体のオークも倒れていた。


静寂。


ローレンが呟く。


「……すげぇ」


Bランクの男は剣を払う。


「ただの斥候だ」


そして森の奥を見る。


「本隊がいる」


アルトの胸が再びざわつく。


《危機察知》が微かに反応している。


森の奥。


そこには——


もっと多くの魔物がいる。


そんな予感がしていた。


そして。


調査隊はさらに森の奥へ進む。


まだ誰も知らない。


この森の深部へ…

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