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世界はここから…  作者: モノンST
クエスト

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第1章 19話 森の異変

た、楽しめてますか…?

よかったら感想など聞かせてほしいです…

第一章


第19話「森の異変」


ギルドの中がざわめいた。


「森の異変だって?」


「魔物が増えてるって話は聞いたが……」


「オークだけじゃない?」


黒い外套の男の言葉は、静かだったが重みがあった。


男はゆっくりとフードを外す。


現れたのは、鋭い目をした男だった。


三十歳くらいだろうか。

短く刈られた黒髪に、頬には古い傷がある。


ただ立っているだけなのに、周囲の空気が引き締まる。


アルトは思わず見入った。


(強い……)


それは直感だった。


今まで見た誰よりも、明らかに強い。


ローレンが小さく呟く。


「……あれは」


ミリアも気づいたようだった。


「Bランク冒険者……」


ギルドの中で、さらにざわめきが広がる。


「Bランク!?」


「こんな辺境に?」


男は周囲の反応など気にせず、受付に向かって言った。


「森の奥で異常を確認した」


受付の女性が真剣な表情で聞く。


「どんな異常ですか?」


男は答える。


「魔物の数が異常に増えている」


「それだけじゃない」


ギルドの中が静まり返る。


男は続けた。


「魔物同士が争っていない」


その言葉の意味が、すぐには理解できなかった。


だがミリアが眉をひそめる。


「……普通は縄張り争いがある」


男は頷いた。


「そうだ」


「だが今の森では、それがない」


「まるで——」


そこで言葉を切る。


そして静かに言った。


「何かに統率されているようだ」


その瞬間。


ギルドの空気が凍りついた。


魔物が統率される。


それは普通ではありえない。


アルトの胸が強く鳴る。


ドクン。


ドクン。


昨日戦ったオークリーダー。


あれが頭をよぎる。


(でも……)


オークリーダーは倒した。


なら——


何が魔物を動かしているのか。


受付の女性が言う。


「ギルドとしても調査隊を出します」


「森の奥を調べないといけません」


ローレンが腕を組む。


「つまりまた森か」


ミリアはアルトを見る。


「……どうする?」


アルトは少し考えた。


危険な仕事だ。


C+ランク。


今までより確実に危険。


だが——


アルトの視界に、再び文字が浮かぶ。



【クエスト】


森の異変を調査せよ

ランク:C+


進行状況:0%



アルトは小さく息を吐いた。


そして言った。


「行くよ」


ローレンが笑う。


「だと思った」


ミリアも小さく頷いた。


その時だった。


黒い外套の男がこちらを見た。


アルトと目が合う。


数秒の沈黙。


男は言った。


「お前が、オークリーダーを倒した新人か」


ギルドの視線がまた集まる。


アルトは少し緊張しながら答える。


「……みんなで倒しました」


男はアルトをじっと見ていた。


その視線は鋭い。


まるで何かを見抜くような目。


そして小さく言った。


「……なるほど」


それだけ言うと、男はギルドの壁に寄りかかった。


ローレンが小声で言う。


「気に入られたかもな」


アルトは苦笑する。


その時、受付が言った。


「森の調査は明日の朝に出発します」


「参加する冒険者は今日中に準備してください」


ギルドの中が再びざわついた。


調査隊。


つまり本格的な探索だ。


森の奥。


今まで行ったことのない領域。


アルトの胸が高鳴る。


(森の奥……)


もしかしたら——


この異変の原因がある。


その時。


胸の奥に、微かな感覚が走る。


ピリッ。


アルトは振り向く。


ギルドの窓の外。


遠くの森。


風が木々を揺らしている。


サァァ……


その奥。


一瞬だけ。


何かの影が動いた気がした。


だが次の瞬間には消える。


(……気のせい?)


新しく手に入れたスキル。


《危機察知》。


それが、微かに反応している。


アルトは静かに森を見つめた。


(森の奥に……何かいる)


それは確信に近かった。


明日。


調査隊は森へ入る。


そしてその先で——


アルトたちはまだ知らない。


この森の奥に眠る、巨大な脅威の存在を。

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