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世界はここから…  作者: モノンST
クエスト

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第1章 第15話 オークリーダー

第一章


第15話「オークリーダー」


森の奥から現れたその影を見た瞬間。


アルトの背筋に冷たいものが走った。


(……やっぱり)


昨日見た魔物。


普通のオークとは明らかに違う。


二メートルを超える巨体。

盛り上がる筋肉。

肩には骨の鎧。


そして何より——


圧倒的な存在感。


「グォォォ……」


低く唸る声が森から響く。


村の入口で戦っていた冒険者たちも、その気配に気づいた。


一人が振り向く。


「……なんだあれ」


別の冒険者が顔を青くした。


「嘘だろ……」


ミリアも息を呑む。


「……オークリーダー」


その言葉が出た瞬間、空気が変わった。


オークリーダー。


オークの群れを率いる上位種。


普通のオークよりも遥かに強い。


そして——


群れを統率する知能を持つ。


アルトは歯を食いしばった。


(やっぱり来たか……)


昨日の森で感じた違和感。


あの時点で、この事態は始まっていたのかもしれない。


その時だった。


目の前のオークが怒りの咆哮を上げる。


「グォォォ!!」


巨大な腕が振り下ろされた。


ドォン!!


地面が揺れる。


冒険者の一人が横に吹き飛ばされた。


「ぐああ!」


「くそっ!」


別の冒険者が剣で斬りかかる。


だがオークの皮膚は厚い。


ザシュッ


浅い傷しかつかない。


「硬ぇ……!」


アルトはすぐに動いた。


(正面は危険)


昨日の戦いでそれはわかっている。


アルトはオークの側面へ回り込む。


心臓が激しく鳴っている。


ドクン

ドクン

ドクン


だが足は止まらない。


(今だ)


オークが別の冒険者へ注意を向けた瞬間。


アルトは飛び出した。


「はぁっ!」


短剣を振り抜く。


ザシュッ!!


刃がオークの太ももを深く切り裂いた。


「グォッ!?」


オークがよろめく。


その隙を逃さない。


冒険者が剣を振り下ろした。


「うおおお!」


ズドン!!


剣がオークの肩に食い込む。


怒りの咆哮。


だが確実にダメージは入っている。


アルトは息を整えながら後ろへ跳ぶ。


(いける……)


三体なら、連携すれば倒せる。


しかし——


問題は。


森の奥。


アルトは視線を向けた。


オークリーダーが、ゆっくりと歩いてきている。


ズシン。


ズシン。


ズシン。


一歩ごとに地面が揺れる。


ミリアが小さく呟く。


「……まずい」


アルトも同じことを思っていた。


もしあのオークリーダーが戦いに加われば——


この場は崩壊する。


その瞬間。


アルトの視界に文字が浮かぶ。



【クエスト更新】


オークを撃退する

ランク:C


進行状況

オーク 3 / 3

オークリーダー 0 / 1


追加目標:オークリーダーの撃退



アルトの目が見開かれる。


(……やっぱり)


クエストはまだ終わっていない。


むしろここからが本番だ。


その時だった。


「アルト!」


ミリアが叫ぶ。


振り向くと、最後の一体のオークがこちらへ突進してきていた。


「グォォォ!!」


「っ!」


アルトは横へ飛ぶ。


ドォン!!


オークの拳が地面を砕いた。


砂と土が舞い上がる。


アルトは着地と同時に走る。


そして。


低い姿勢から一気に踏み込む。


「はぁぁっ!!」


短剣を突き出す。


ドスッ!!


刃がオークの脇腹に深く突き刺さる。


「グォッ……!」


オークの体が揺れる。


その瞬間。


ローレンが叫びながら飛び込んできた。


「どけアルト!!」


巨大な剣が振り下ろされる。


ズバッ!!


オークの首が大きく裂けた。


ドォン……


巨体が地面に崩れ落ちる。


静寂。


荒い呼吸。


そして——


森から響く重い足音。


ズシン。


ズシン。


ズシン。


オークリーダーが、ついに村の入口まで姿を現した。


三メートル近い巨体。


真っ赤な目。


巨大な斧。


ミリアの声が震える。


「……あれは」


ローレンが低く呟く。


「本物の化け物だな」


アルトは短剣を握り直した。


手の震えはもうない。


胸の奥で、何かが燃えていた。


恐怖。


緊張。


そして——


戦う覚悟。


オークリーダーがゆっくりと斧を持ち上げる。


「グォォォォォ!!」


咆哮が村に響いた。


アルトは前へ出る。


そして言った。


「……来い」


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