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世界はここから…  作者: モノンST
クエスト

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第1章 第14話 迫る影

第一章


第14話「迫る影」


「オークが三体だって!?」


ギルドの中が一気にざわついた。


さっきまで静かだった空気が、一瞬で張り詰める。


報告に来た冒険者は、まだ息を荒くしていた。


「森の入口付近だ……!」


「木こりのやつが見つけて、慌てて村に戻ってきた」


ミリアの表情が険しくなる。


「森の入口……?」


アルトの胸の奥に嫌な感覚が広がった。


(おかしい)


昨日アルトが見た巨大オークは、森のかなり奥だった。


それがもう入口近くまで来ている。


しかも——


三体。


アルトは思わず呟いた。


「……早すぎる」


ミリアがすぐに指示を出す。


「森に近づいている村人はいない?」


「もう避難させた!」


「よし……」


ミリアはギルドにいる冒険者たちを見回した。


「戦える人、準備して」


その一言で空気が変わった。


椅子から立ち上がる冒険者。


剣を握る者。


鎧を締め直す者。


アルトはその光景を見ながら、胸の鼓動が速くなるのを感じた。


(……もう戦いになる)


森の調査隊はまだ戻っていない。


つまり——


今この村を守れるのは、ここにいる冒険者だけ。


その時だった。


アルトの視界に文字が浮かぶ。



【緊急クエスト発生】


オークを撃退する

ランク:C


報酬:敏捷+3

追加報酬:スキル獲得の可能性



アルトの目が見開かれる。


「……Cランク」


今まで見たことがないランクだった。


胸の奥で緊張が一気に強くなる。


(Cランクってことは……)


かなり危険なクエスト。


だが、逃げるわけにはいかない。


アルトはゆっくり拳を握った。


その時、ギルドの扉が勢いよく開いた。


「来たぞ!!」


外から叫び声が聞こえる。


「オークだ!!」


ギルドの中が一瞬で静まり返った。


ミリアが言う。


「……早いわね」


アルトの背中に冷たい汗が流れる。


(もう来たのか)


冒険者たちは武器を持って外へ走った。


アルトもその後を追う。


外に出た瞬間——


村の空気が変わっていることに気づいた。


人々が家の中に避難している。


通りは静まり返っていた。


そして。


村の入口の方から——


重い足音が聞こえる。


ズシン。


ズシン。


ズシン。


アルトの喉が乾く。


ゆっくりとその方向を見る。


そして——


姿が現れた。


オーク。


緑色の皮膚。


太い腕。


大きな牙。


だが昨日見た個体ほどではない。


普通のオークだ。


しかし。


「……三体」


アルトが見た通り、三体いた。


村の入口で立ち止まり、周囲を見回している。


一体が唸った。


「グォ……」


その声だけで空気が震える。


冒険者の一人が剣を抜いた。


「来るぞ」


ガレスはいない。


つまり、ここにいる冒険者が戦うしかない。


アルトの心臓が強く鳴る。


(……逃げるか?)


一瞬だけその考えが浮かんだ。


だがすぐに消えた。


逃げれば——


村が危ない。


アルトは短剣を抜く。


手が少し震えている。


だが目は逸らさない。


その瞬間。


オークの一体がこちらを見た。


そして——


走り出した。


「グォォォ!!」


「来たぞ!!」


冒険者たちが迎え撃つ。


剣が振り下ろされる。


金属がぶつかる音。


怒号。


咆哮。


村の入口で戦いが始まった。


アルトは横から回り込む。


正面から行けば危険だ。


オークの腕が振り下ろされる。


ドォン!!


地面が揺れる。


冒険者の一人が吹き飛ばされた。


「ぐあっ!」


アルトの目が鋭くなる。


(今だ!)


アルトは走った。


オークの背後へ。


そして——


短剣を振り抜く。


ザシュッ


刃がオークの足を切り裂いた。


「グォッ!?」


オークがよろめく。


その隙に別の冒険者が剣を振る。


「はああっ!」


ドンッ!!


オークの肩に剣が食い込む。


怒りの咆哮。


だが、アルトは止まらない。


もう一度踏み込む。


心臓が激しく鼓動する。


恐怖。


緊張。


だがそれ以上に——


戦いの熱。


アルトは叫んだ。


「まだだ!」


短剣を構え、再び突っ込む。


その瞬間。


アルトの視界の端に、森が映った。


そして——


そこに。


巨大な影が立っていた。


アルトの体が凍る。


(……まさか)


森の奥から。


ゆっくりと。


巨大な魔物が歩き出す。


昨日見たあの魔物。


巨大オーク。


アルトの口から言葉が漏れた。


「……リーダー」


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