第1章 第1話 成人の儀
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第1章
第1話 成人の儀
朝の空気はまだ冷たかった。
村の広場には、すでに多くの人が集まっている。
子供たちの笑い声。
大人たちの談笑。
屋台からは焼いた肉の香りが漂っていた。
今日はこの村にとって、特別な日だ。
成人の儀。
十五歳になった子供たちが、神の祝福――
つまり スキル を授かる日だった。
⸻
「緊張してるのか?」
後ろから声をかけられ、アルトは振り向いた。
声の主は幼なじみのレインだ。
短い金髪に、いつも自信満々の笑顔を浮かべている。
「そりゃするだろ」
アルトは苦笑した。
「スキルで人生決まるんだから」
レインは肩をすくめた。
「まあな。でも俺は剣士系が出る気がする」
「根拠は?」
「勘」
「適当すぎるだろ……」
二人は小さく笑った。
だが心の奥では、二人ともわかっている。
スキルは人生を決める。
この世界では、ほぼ絶対だ。
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強いスキルを持つ者は
騎士になる。
冒険者になる。
王国で名を上げる。
だが弱いスキルなら
農民。
雑用。
一生村で暮らす。
それが普通だった。
⸻
「次、アルト!」
村長の声が響いた。
広場の中央には、白い石で作られた台座がある。
その上には小さな水晶が置かれていた。
祝福の水晶。
そこに手を触れると
神の祝福が現れる。
アルトはゆっくりと歩き出した。
視線が集まる。
村人たちの期待。
家族の祈るような顔。
アルトは水晶の前で立ち止まった。
少しだけ深呼吸する。
「大丈夫……」
小さくつぶやいた。
そして手を伸ばす。
指先が水晶に触れた。
その瞬間――
水晶が淡く光った。
光がアルトの体を包み込む。
頭の中に、何かが流れ込んできた。
文字のようなもの。
そして。
目の前に光の文字が浮かび上がった。
⸻
スキル取得
クエスト
ランク:F
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「……え?」
アルトは固まった。
周りもざわつく。
「クエスト?」
「聞いたことないな」
「Fランクって……」
ざわざわと声が広がる。
村長が少し困った顔をした。
「うーむ……珍しいスキルじゃな」
「強いんですか?」
アルトは思わず聞いた。
村長はしばらく考えたあと、正直に言った。
「……わからん」
周りから小さな笑いが起きる。
誰かが言った。
「外れじゃないか?」
「Fランクだしな」
「まあ農業でもすればいい」
アルトは何も言えなかった。
胸の奥が少しだけ痛む。
期待していた。
剣士。
魔法。
せめて戦闘系。
だが結果は
謎のFランクスキル。
⸻
「ドンマイ」
レインが肩を叩いた。
「まあ……なんとかなるだろ」
アルトは無理やり笑った。
「そうだな」
だがその夜。
アルトはまだ知らなかった。
このスキルが――
世界のルールを変えるほどの力だということを。
そしてその瞬間。
アルトの目の前に
突然
光の文字が現れた。
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クエスト発生
デイリークエスト
ランク:F
薪を10本集める
報酬:筋力 +1
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「……は?」
投稿頻度に関しましては3日〜7日に1投稿の予定です。
執筆が調子良ければ連投させて頂きます。
よろしくお願いします。




