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「おはようございます。ご機嫌いかがですか?」
目を覚ます。横を見る。あのムカつく執事の男が一緒に寝転がりながら俺を見ている。まったくもっていい目覚めではなかった。
最悪の目覚めだ。二度と思い出したくないような。
おなじベッドで横に寝転がり顔を見合わせて朝の挨拶をしてくるまともじゃない執事の男をを蹴落とすときめた。頭がおかしい奴だ。男二人でしかも並んでベッドに寝るなんて。俺は女としか一緒にベッドで寝ないという信条ががある。
だが足を振りかぶり蹴ろうとした瞬間むしろ俺が腹をえぐられたと思うほど強い力で蹴られ床にぶっ飛ばされ転がっていた。反応すらできなかった。こいつただ者じゃない。なんていう力だ。きっと腹に紫色のあざができているだろう。「痛ぇ」と顔を歪ませた。そして執事はベッドから出た。まだ腹を押さえうずくまってる俺に目を向けた。なにを勘違いされたくなかったのか「若に頼まれてベッドに一緒に寝てるのですよ。勘違いはしないでいただきたいのですが、私はベッドを共にする相手に困ったことはございませんので。安心してください」と自慢してきた。ムカつく野郎だ。
「頼まれたからはいるのか?とんだイカレ野郎だな!!」
「ありがとうございます。褒め言葉ですね。貴方は褒め上手さんなのかもしれません。」悪口をにこやかに返してくる。そういえば、金髪の男。そう、若とやらはここにはいない。どこにいるのだろうか。今はどちらでもいいが。
今さら執事の男はいきなり最初のおはようを返してもらってなかったことを根に持っていたのか「そういえば最初に言った挨拶は返し欲しかったのですが?この際ですので返していただけるまで言い続けましょう。おはようございます。おはようございます。おはようございます。」本当にずっとおはようございますをいい続けている。挨拶を意地でも返したくなんかなかったが約3時間もいい続けた男に、根負けしあぁもうなんなんだお前は!!おはようおはよう。と言い返した。
こいつはいろいろ通じなさそうだなと俺は思った。
なぜなら約3時間もあいさつをかえすまで言い続けるほど頭がイカれているから。だがそんなことより重要なのはここはどこなのかということ今わかるのは壁はボロボロで窓はないダブルベッドはギコギコ今にも壊れそうだ。そしてなおかつクモの巣も張ってる。だが刑務所ではない。そしてなにより俺はこんな頭がおかしい奴らの部下になるつもりはない。だが今その部下になれと言った男の執事と一緒にいる。つまりあの後脱獄をしたということだ。どうやって。だが少なからずラッキーなのかもしれない。あの時は能力を使うことができなかった。金髪の男曰く檻に入っているからどうしてか使えなくなってたんだってか?だが今はベクトル操作の能力が使える。そして若とやらの目を見たら意識がなくなったが今はそいつもいないここから逃げるチャンスだ。
俺は執事の男を沈めようと動いたその瞬間執事の男が拳銃を取り出して額に押し当てた。見えないほどの速さだった。そうまるで、能力を使い逃げようとしたのを予測したかのような速さの動きだ。拳銃を押し当てたまま執事は「分かりやすいですね。逃げようともしかしてしてます?ダメですよ。ここから逃げることはできません。貴方はもう契約されてしまっていますから。残念なことにね。」とだが契約と言う言葉に対してはおかしいだろう。
「契約だって?そんなものをした覚えはねぇぞ!!」
「それはそうでしょうね。貴方が分からない寝ているうちにですから。貴方絶対暴れるでしょう。」
「寝ているうちに契約だって??ふざけるんじゃない!」寝ているうちに契約だなんて悪徳すぎる。そもそも強制的に眠らせておいてここまで連れてきたんだ。クソみたいなやり方もするのかもしれない。許せない。やはり逃げなければ逃げてから契約解除を探せばいい。
「あなたが逃げようとするのは勝手ですが暴れているのを調教…いえ取り押さえるのは少々面倒です。」と執事ははにっこり笑って言った。そして続けて「貴方はここから逃げることはおろか若の命令に逆らうことはできません。若の能力の術中にハマってしまいましたのでね。」
執事がそんな事言っているが関係ないね。俺の勝ちだ。
「能力を使う前に拳銃を当てやがったから俺様はくしくもビビっちまって能力を発動できなかったがよぉ…よくよく考えて見ろよ!ベクトル操作はまだ使えるんだぜ!!」そう。ベクトル操作さえ使えれは執事一人ならなんとかできるとおもったのだが執事に能力を発動しようと思った瞬間何故か発動できなかった。
「なんで能力が発動しないんだ!!!」
俺の能力をベクトル操作。だが発動しないなんて事はあの刑務所の檻の中にと同じ現象だ。
拳銃を俺の額に当てたままの状態で執事はあきれた顔で「やはり貴方は言っただけではわかりませんよね。頭が回りませんよね。確かめないと気がすみませんよね。思った通りのかたでしたね。契約していると言ったでしょう。想像どうりのバカ…いえ真っすぐなかたです。」と哀れみをこめて言ってきた。
「バカとはなんだ!!!」
「そもそもあなたはここに来て契約をしている時点で逃げることも私に攻撃もできないのですよ。」
だが俺はこれで悟った。攻撃はおろかこいつに傷をつけることができないと。そうだ。少なからず脱獄ができなかったあの刑務所をに侵入し俺を連れて脱獄している時点で気づくべきだったんだ。こいつらはただ者じゃない。命は惜しい。こいつに従ったほうがいいと本能がそう言っている。
そして苦渋をかみしめた顔でこう言うしかなかった。
「わかった。俺様はもう攻撃はしねぇよ!!」と執事は驚いた顔で「おや…わりと早く投降してくれるのですね。ただの無鉄砲バカではないのですね。戦いにおいて賢い判断です。」と額の拳銃をおろした。
「バカとは何だぁ!俺はバカじゃねぇ!!」
「まあそれは置いといて、聞きたいことはいろいろとあるとは思いますが、自己紹介を先にさせていただきます。私は若の執事をしております。ミシェ=ジーナと申します。そして貴方様はおバカ様でお間違いないでしょうか?」にこやかに自己紹介してきた。おバカ様とは何だおバカ様とは怒りながら「俺様はグエン様だ!!誰がバカだ!!」と言い返した。
何を思ったのかこいつはおれが馬鹿だと思っているので執事の意味をわかってないのかと思っているらしい。「ああ。ちなみに執事というのは給仕やお世話などをする人のことですよ。動物のメェメェ鳴くほうではございません。」
「わかるわ!」
こいつはいちいち毎回俺を馬鹿にしないと気がすまないのか。
「ついツッコミが見てみたく…失礼いたしました。グエン様ですね。おちゃめが過ぎちゃいましたね。」
「死ねばいい」と俺は哀れみの目を込めて言った。
「そうですか。ありがとうございます。ですがそんな貴方に朗報です。実は私、貴方のボロ雑巾のような汚い服と身体を綺麗にさせていただきました。」
最悪なことを聞いてしまった。俺は女以外に体を触らせなくなかった。今俺の顔は苦痛に満ちた顔だろう。なぜこんなイカれ野郎に…
そして手をたたき空気を変えるように
「楽しい雑談はここまでにして、まぁまず屋敷を案内し若のもとへ行ってもらいましょう。それでは私について来てください。」
この部屋の外に出るのは賛成だ。こいつと一緒なのは不服だが若とやらに会って色々聞かなくてはいけない。これからどうなるのかを。床をギーギー言わせながら執事とともに扉の前へ進んだ。
執事は補足したかのように「ああそうでした。言い忘れていました。向かっている最中死なないでくださいね。」と言い部屋の扉を開けて外に出た。
そして俺も部屋の外にでた。驚いた。ボロボロだった部屋とはまるで違う空間だった。




