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異世界への逆襲

どんな状況でも、好きにやるヤツはやらかす

作者: 紡里

「お前たちの好きにはさせない」の続編です。

 https://ncode.syosetu.com/n3067le/


ですが、そこから千年以上あとの話なので、読まなくても大丈夫のはず。

でも、読んでいただけたら、嬉しいです。

「西暦三○三七年、今年の濃島平和賞は……ミヒャエル・サンダー博士の瘴気を空気に変えるプロブラムです!」


 歓声と大きな拍手が沸き起こる。

 ゲルマン系の初老の男性に、私はトロフィーを渡す。

 フラッシュライトで目が痛いが、笑顔は崩せない。



 私はこの濃島財団の理事、濃島秋穂です。

 ご先祖さまが、異世界召喚された人々を救いに行く技術を確立しました。



 心から、人助けのためだったのですよ。



 ですが、何度か奪還に成功した後……すぐに戦争に利用されるようになりました。


 巨大なモンスターは呼べませんが、可愛いウサギ型のくせに人肉をかじるモンスター、女性にひどいことをするゴブリン、瘴気を撒き散らす草などが地上戦に投入されました。


 人が住めなくなった場所もあります。

 ウサギの王国……なんて、冗談みたいに呼ばれている地域もありますよ。



 だから、異世界渡りの平和利用に貢献した人々を讃える賞が作られました。

 研究者たちの情熱が、悪用されませんようにと願いを込めて。




 その前から不穏な気配はあったのですが、研究者たちは研究バカが多いですね。

 社会的な影響まで予想できません。



 まだ、ランダムに送り出すことしかできなかった時代に、死刑囚を異世界に送り出していたことがありました。

 異世界召喚を諦めさせる作戦だったのですが、それを目的に殺人を犯す人が出てしまいました。

「誰でもいいから殺して、異世界に呼ばれて活躍したい!」


 そんなことを言う犯罪者は、当然、普通の刑務所に入れますよね。

 異世界召喚されるかもしれない特殊刑務所に入れたら、ご褒美みたいなものです。罰になりませんよ。




 最近、地球に拉致されたゴブリンの子孫たちが、自分たちの国を作るから土地を寄越せと言いだしています。

 こちらで産まれたので、立派な地球人だと……もとの異世界に送り返すと言っても、言葉や常識がわからないし困ると反論されました。

 ですが、繁殖のために女性を提供することなどできません。


 ゴブリンなど虐殺しろという過激派と、どんな命でも尊いという人権派の争いも激化しています。

 殺すのはいけないから、繁殖させずに滅びるのを待とうという主張もありましたね。



 ああ、いつの時代も人間は変わらないのだなぁと、私はため息を飲み込みました。


あれれぇ~?(コナン君ふうに)

……かっこいい奪還チームの活躍を通り越して、悪用された後始末をどうしようという話になってしまいました。

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― 新着の感想 ―
とあるゲームのセリフなのですが、まさにピッタリかと。 「新しいオモチャをすぐ軍事利用したがるのは人類の悪いクセね」
こうして地球は新しい異世界になり別世界の地球から召喚魔法(という技術)で人を拉致するようになりました 人は過ちを繰り返す…
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