表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/8

◇◇【昭和(戦時中)】学友の話02

暑い夏の日に、暑気を忘れて頂ければ、幸いです



 土塁は、割と酒に酔って来たのか、色々と向こうでの深い話になってきたみたいだな。


 それとは別にしたい話なんだけど...


 向こうで釣りの友人たちがいて、いつも、知り合いの漁師さんに頼んで船を出してもらうんだ。


 向こうに渡ってからできた友人で、釣り友達なんだ。もう6年の間に7人の釣り友達になったね。


 寒い時期は、風が強くて波も粗いけど、いいタラが釣れるんだよー。日本のタラの何倍も大きいんだよ。


 向こうでは牛の舌、ベロを食べるんだ。『ビーフタン』と言うんだよ。でねー、その大きなタラもベロがデカいから食べるんだよー


 驚いただろー! 


 「いや、それは、牛もそれこそタラもベロを食べるってー、僕は知らなかったなー。初めて聞いたよ」


 「そうーだろ、日本じゃ牛も簡単には食べないよなー。向こうは、肉を良く食べるからなー。


 「僕も日本いる時は、すき焼きくらいしか、食べたことがなかったんだー」


 「それで、そのタラのベロも新鮮でなければ、いけないから、そんないいタラをワザワザ、危ない思いをしてでも釣りに行くんだよ」


 「それで、最近、...とうとう、漁船が荒波で転覆してなー、...助かったのは、ぼくだけだったんだー」


 「僕以外の人の遺体は、...奇跡的にあがったんだけども、みんな首から上が、...見つからないんだよー」


 「えー、そうなんだー。それは幸運といっていいよなー。最近って、いつのことになるのかな?」


 「まー、...3月頃かな。...そこから、英国の占領下だから、色々と迂回しながら、やっと昨日帰って来たんだよーーー!!」


 「そうかー、そりゃあー、大変だったなー。辛かった。...よなー!。でも無事に帰れて良かったなー」と二人はいつしか泣いていた。


 少し落ち着いて来た頃に「まだ話は残って...、いてなー」


 「うん、そうかー、...話してみれよー」


 「いやー、さっきの話のヨットの女性がなー、...」


 「ああ、女性のデュラハンかー! うん、それが?」


 「実はみんなと釣りをしている時に、...見ちゃったんだよなー。服のチェック柄や色までも...クッキリと見えていたんだよなー」


 「えー、今度は...実話なのかーーー!! それって、ウワサ話程度じゃあー、ないのかー!」


 「いや、これは、あの町だけの...伝承...なんだなーーー!!」


 「ほー...、じゃあー、それも...あわさって...日本に帰りたくなったのかー?」


 「ああ、そうだー...それもあるんだが...」


 「さっきの首無しの、...遺体なー...みんな...退役軍人だったようなんだー。...尉官や佐官※だったんだ...」


 「それってー! あれ...なのかー、お前は...『首級の首』だと...思ったのかー!」


 「ああ、...そうだー!」


※尉官や佐官:尉官{少尉、中尉、大尉}、佐官{少佐、中佐、大佐}



私の作品をごらんになっていただき、ありがとうございます。


エピソードに、感じるものがあれば、単純に顔マークしていただくと、

「作品」に寄せる工夫に張が出ます。よろしくお願いします =^_^=


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ